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焦点:「新3本の矢」に積極財政色、活躍した首相周辺 再び日銀に脚光 | Reuters

先の政府関係者の1人は、新1本目の「強い経済」の象徴が600兆円であり、それを達成するための「積極財政」の色彩が濃いと指摘する。二階総務会長や藤井聡内閣官房参与(京都大教授)の影響力が、そこには見え隠れするという。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20151005#1444042624
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20151002#1443782484
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150926#1443263742
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150924#1443090863


#アベノミクス


安倍首相の経済への理解度に対する疑問|今週のキーワード 真壁昭夫|ダイヤモンド・オンライン

 こじつけのような新三本の矢に説得力を見出す経済専門家は多くはない。安倍首相自身、足元の経済状況をもう一度よく検証することが必要だ。そうした検証がなく、ある日突然、「今度は第二幕だ」と言われても納得できる人は少ない。

アベノミクスは金融政策一本足打法と揶揄されるほど、日銀・黒田総裁の政策頼みの色彩が強かった。“異次元の金融緩和策”で潤沢な資金を供給し、景気の下支えを図ると同時に、為替市場で円売りを促進することで円安を促進した。


 円安が進むことで、自動車等わが国の主力輸出企業や海外展開した大手企業の業績を押し上げた。企業業績を押し上げ、さらに個別企業の経営者を官邸に呼んで春闘での賃上げを促した。


 その結果、大手企業の賃上げは1980年代後半以来の高い伸びになり、中国など海外からの来訪客の“爆買い”の効果もあって、一時期、消費もそれなりに堅調な展開になった。


 しかし、アベノミクスで恩恵を受けたのは主に大企業であり、景況感が回復したのは多くのケースで都市圏に限られていた。中小企業や地方経済に温かい恩恵が及ぶまでには至っていない。また、非正規労働の割合が高まっていることもあり、家計部門への恩恵は限定的で、期待されたほど消費は盛り上がっていない。


 さらに、円安の進行にもかかわらず輸出が伸びていない。2011年11月までの超円高の影響で、多くの企業が海外に生産拠点を移転した。一度、海外に生産設備を移してしまうと、円安になったからといってすぐに国内に回帰することは難しい。


 また、家電製品を中心に、わが国企業はかつての製品競争力を失っている。そのため、円安になっても容易に輸出を伸ばすことができない。それは数量ベースの輸出がほとんど横ばいであることを見ても明らかだ。


 そこに中国経済の予想を上回る減速が重なった。中国向けの輸出が減少し、輸出の減少と個人消費の回復の遅れがわが国経済の足を引っ張ってしまった。景気の足取りは、予想外に重たくなっている。