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ミュージカル:宝塚雪組公演 強さと繊細さ出した早霧=評・小玉祥子 - 毎日新聞

 最初が時代物のミュージカル「星逢一夜(ほしあいひとよ)」(上田久美子作・演出)。九州の小藩・三日月藩主の次男、晴興(早霧せいな)は貧農の子の源太(望海風斗)と泉(咲妃みゆ)と知り合い、友情を育む。だが晴興は藩主の跡取りとなり、江戸に出立。将軍吉宗(英真なおき)に取り立てられ、幕政に加わる。


 晴興は老中として享保の改革で辣腕(らつわん)を振るうが、財政を立て直すための措置は、農民の反発を招き、三日月藩でも源太らが主導する一揆が起きる。上田は大劇場デビュー作ながら、優れた構成力で、登場人物の個性を描き分けた。晴興の公と私、外面と内面を政治の中心である江戸と遠く離れた故郷が象徴する。


 晴興は望みもしない高位に上り、それにつれて政治家としての姿勢を身に着け、理想からは離れていく。泉への思いを断ち切らざるを得ず、ついには友人の源太と対決する。内面の葛藤を見せず、非情に徹する姿に早霧が強さと繊細さの両面を出した。全てが終わった後の、泉との別れの場面には余韻を残した。


 望海は泉への大きな愛情と晴興への複雑な感情を見せた。咲妃は晴興への恋心を押さえ込む姿にけなげさを出した。

雪組公演 『星逢一夜(ほしあいひとよ)』『La Esmeralda(ラ エスメラルダ)』 | 宝塚歌劇公式ホームページ