エルサレムやヨルダン川西岸では、イスラム教とユダヤ教双方の聖地を巡る対立をきっかけに、今月に入ってパレスチナ人とイスラエルの治安部隊との衝突が各地で続いています。
パレスチナの赤十字組織に当たる赤新月社によりますと、7日も衝突でパレスチナ人およそ100人がイスラエルの治安部隊の実弾やゴム弾に当たってけがをし、190人が催涙ガスを吸い込んで手当てを受けたということです。
一方、イスラエル南部の町キリヤトガトでは7日、パレスチナ人の男がイスラエル軍の兵士を刃物で襲って銃を奪おうとして射殺されるなど襲撃事件が相次ぎ、混乱はイスラエル側にも拡大しました。
こうしたなか、イスラエルのネタニヤフ首相は、8日に予定されていたドイツとの国交樹立50年に合わせたベルリンへの訪問を急きょ中止し、治安情勢への対応に専念することになりました。
衝突が収まる見通しが立たないなか、ネタニヤフ首相に対しては、みずからの支持基盤である右派勢力からも、「さらに強い対抗措置をとるべきだ」とする声が強まっていて、緊張はさらに高まるおそれもあります。