トルコの首都アンカラでは10日に、政府軍とクルド人武装組織との衝突に抗議し和平を訴えていたデモの近くで爆発が起き、97人が死亡しました。これを受けてオバマ大統領は15日、トルコのエルドアン大統領と電話で会談しました。
この中で、オバマ大統領はテロ事件を非難するとともに、両首脳は、事件への関与の可能性が指摘されるISに対して軍事的な圧力を強化することを確認しました。また、会談についてホワイトハウスは声明で、「両首脳は、トルコ国内でのクルド人武装組織による攻撃を終わらせるために差し迫った必要性があることで一致した」としています。
ISとの戦いを巡っては、アメリカ軍は作戦が行き詰まっていることから、シリア北部でISと戦うクルド人勢力に対し新たに武器の供与を始めましたが、トルコ側は「クルド人武装組織とのつながりを持つグループへの軍事的な支援を絶対に歓迎しない」として、アメリカを強くけん制しています。
クルド人勢力に対する対応を巡る両国の対立が先鋭化すれば、ISに対するシリアでの軍事作戦への影響も懸念されることから、電話会談ではこの対応についても意見交換をしたものとみられます。