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米 アフガニスタン完全撤退を見直し NHKニュース

これはアメリカのホワイトハウスが15日、NHKの取材に対して明らかにしたものです。それによりますと、アメリカ政府はアフガニスタンに駐留するアメリカ軍の撤退計画について、数か月にわたって検討してきたということです。その結果、来年末までに完全に撤退させるとしていた計画を見直し、引き続きテロ対策などに当たるため、5500人を残す方針を固めたということです。
アフガニスタンでは、去年末にアメリカ軍を中心とする国際部隊が戦闘任務を終え大部分が撤退しましたが、その後も治安の悪化に歯止めがかからず、アメリカ軍は現在も9800人が駐留しています。
オバマ大統領は、日本時間16日午前0時から撤退計画の見直しを正式に発表することにしています。

アフガニスタンでは、アメリカ軍を中心とする国際部隊の大部分が去年、撤退し、アフガニスタン側に治安の権限が移されましたが、治安の改善は進んでいません。国連によりますと、アフガニスタンで、ことし1月から6月までの半年の間に、戦闘やテロに巻き込まれて死亡したり、けがをしたりした民間人は4900人余りに上ります。このうち死亡した人は1592人で、去年の同じ時期と比べて90人余り減ったものの、依然として多数の人が犠牲になっています。
こうした被害のおよそ70%は、反政府武装勢力タリバンなど反体制派の襲撃やテロによるものだということです。タリバンは先月下旬、北部の都市クンドゥズに攻撃を仕掛け、2001年にタリバン政権が崩壊して以降、初めて主要な都市を制圧し現地には衝撃が広がりました。政府軍は駐留するアメリカ軍の空からの支援を受けて奪還作戦を行い、町を取り戻しましたが、市民の間には、ほかの都市もタリバンの攻撃を受けるのではないかという不安が広がっています。また、この際、アメリカ軍が誤って国際的なNGOの病院を空爆し24人が死亡する事件が起きました。
一方、アフガニスタン東部では、過激派組織IS=イスラミックステートの地域組織が活動を活発化させ、住民を殺害したり家を焼き払ったりして、服従を迫り混乱が広がっています。アフガニスタンでISが勢力を広げれば、隣接するパキスタン中央アジアの国々にも影響がおよびかねないとして、各国が警戒を強めています。

オバマ政権が、アフガニスタンからのアメリカ軍の撤退計画を見直した背景には、反政府武装勢力タリバンによって、先月、北部の都市クンドゥズが一時制圧されるなど、治安の悪化に歯止めがかからないことがあります。4年前にイラクからアメリカ軍が撤退したあと、過激派組織IS=イスラミックステートなどが台頭した二の舞になりかねないとの懸念があったとみられます。
イラクアフガニスタンの2つの戦争の終結を掲げたオバマ大統領は、みずからの任期が終わる直前の来年末までに、アフガニスタンに駐留するアメリカ軍を完全に撤退させる方針でしたが、現地の治安の改善が進まないなか、戦略の見直しを迫られた形です。

オバマ大統領 アフガニスタンからの撤退見直し駐留延長 NHKニュース

オバマ大統領は15日、ホワイトハウスで臨時の記者会見を開き、アフガニスタンの戦略の見直しを発表しました。このなかでオバマ大統領は、アフガニスタンでは反政府武装勢力タリバンの攻勢や過激派組織IS=イスラミックステートの台頭などで、治安情勢が極めて不安定でさらに悪化する危険もあると指摘しました。その一方で、現地の治安維持を担うアフガニスタン軍の能力は発展途上にあり、まだ十分ではないとして、来年末までにアメリカ軍の部隊を撤退させる今の計画を見直し、当面、現在の9800人の態勢を維持したうえで、再来年以降も5500人を駐留させる新たな方針を発表しました。
オバマ大統領は会見で、「再びアフガニスタンをテロリストの安全な避難場所にさせるようなことは許さない。終わりなき戦争という考えは支持しないが、私たちがすべきさらなる努力があると確信している」と述べ、駐留の延長の必要性を訴え、アメリカ国民に理解を求めました。
オバマ政権としては、イラクアメリカ軍の撤退後にISの勢力拡大を許し、戦略の失敗も指摘されてきたことから、アフガニスタンで同様の事態を招くことはなんとしても避けたいという判断があったとみられます。オバマ大統領は、再来年までの任期中に、アフガニスタンでの戦争を終結させることを公約に掲げてきましたが、厳しさを増す情勢を受けて、事実上、断念に追い込まれました。

アフガニスタンの大統領府は声明を出しました。この中で、「アフガニスタン政府はオバマ大統領の決断を歓迎する。われわれはテロに立ち向かうためアメリカとの協力を強めていく」として、今後もアメリカ軍から支援を受けることに期待を示しています。

アフガニスタンの首都カブールに住む男性は「アメリカ軍が本気になってくれれば、タリバンに勝てるはずだ。アメリカ軍がさらに長く駐留してくれるなら、とてもうれしい」と話していました。一方、別の男性は「アフガニスタンアメリカ軍は必要ない。自分たちの国は自分たちで守る」と話していました。アフガニスタンでは、アメリカ軍など国際部隊による空爆に巻き込まれて市民が犠牲になるケースが相次いでいて、市民の反応からは、アメリカへの反発が、依然根強いことがうかがえます。

NATO北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は15日、声明を発表し、オバマ大統領がアフガニスタンからのアメリカ軍の撤退計画の見直しを発表したことについて歓迎する意向を示しました。そのうえで、NATOが、アフガニスタン軍の支援のために現在、現地に駐留させている1万2000人規模の部隊について、「オバマ大統領の決定はアフガニスタンでのNATOの活動の継続に道を開くものだ」として、近く、活動の期間や規模を含め今後の方針を決定するという見通しを示しました。
アフガニスタンを巡って、NATOは2001年以降、ピーク時には13万人規模の兵力を駐留させ治安維持などにあたってきましたが、去年いっぱいで戦闘任務は終了し、現在はアフガニスタン軍の訓練など活動の範囲を絞っています。

米アフガン撤退見直し 「行き詰まり」示すか NHKニュース

アメリカのシンクタンクアメリカン・エンタープライズ研究所のトーマス・ドネリー研究員は、撤退計画の見直しの背景に、治安の改善が見られないアフガニスタン情勢に加え、オバマ政権の外交姿勢が弱腰だと受け取られかねないことへの懸念があったのではないかと分析しています。
ドネリー研究員は今回の決断の背景について、「シリアでロシアの介入を許したことで弱腰という印象がついたことが関係しているのではないか。シリアやイラク、イランの問題を受けて、オバマ大統領が弱腰になっていると見られ、国内的なプレッシャーにさらされたことがあると思う」と分析しました。そのうえで、今回の見直しがアメリカのアフガニスタンへの長期にわたる関与を示しているとは思わないとしたうえで、「アフガニスタンは今回の決定を喜ぶ一方、アメリカ軍の完全な撤退も恐れているだろう。オバマ大統領の関与がいかに限定的かも分かっており、依然、神経質になっているのではないか」と指摘しました。
また当面、現在の駐留規模を維持するとしたことに関しては、「アフガニスタン軍は国全体に部隊を配備し維持する能力をもっておらず、真剣に支援するのであれば倍の規模が必要だった。アフガニスタン軍は多くの能力をアメリカ軍の支援に頼っており、決定的な効果をもたらすには少なすぎる」と述べて、今回の見直しによっても十分な効果は期待できないのではないかという見方を示しました。

Eurasia Group

Taliban presence in Afghanistan now larger than at any time since 2001