日銀としては景気は緩やかに回復を続け、物価の基調もしっかりしていると判断したものとみられます。
日銀は30日、金融政策決定会合を開き、国内外の景気や物価の現状と先行きについて議論しました。その結果、目標に掲げる2%の物価上昇率の実現に向け、いまの大規模な金融緩和策を維持することを、賛成8、反対1の賛成多数で決めました。
日銀としては、景気の現状について中国など新興国経済の減速が企業の輸出や生産活動に影響を及ぼしているものの、内需に支えられる形で緩やかな回復を続けており、物価も原油価格の低迷が影響して伸び悩んではいるものの、生鮮食品やエネルギー関連を除けば基調はしっかりしていると判断したものとみられます。
日銀はこのあと、経済と物価についての最新の見通しを公表する予定で、「来年度の前半ごろ」としている、2%の物価目標の達成時期を見直すのかどうか注目されます。
日銀は30日、9人の政策委員の見通しを集約する形で再来年度、平成29年度にかけての経済と物価についての「展望レポート」をまとめました。
それによりますと、消費者物価指数の上昇率は、原油価格の低迷が続いていることをふまえて今年度は0.1%にとどまるとし、前回、7月時点より0.6ポイント引き下げました。
また来年度・平成28年度は1.4%と前回より0.5ポイント引き下げ、再来年度・平成29年度は、予定されている消費税率の引き上げの影響を除いて1.8%とし、前回と変えていません。
これらの見通しをふまえて日銀は、目標とする2%の物価上昇率を達成する時期について、これまでの「来年度前半ごろ」という表現から「来年度後半ごろ」に変更し、これまでより遅れるという見通しを示しました。
大規模な金融緩和に踏み切った2年半前は、2年程度で物価目標を達成するとしていましたが、達成時期の表現を変更したのはことし4月に続いて2回目となります。
消費者物価指数は原油価格の低迷の影響を受け、2か月連続でマイナスとなっていますが、日銀が独自に算出しているエネルギー関連などを除く物価の指標では上昇基調が続いているとしています。
一方、日銀はGDP=国内総生産の実質の伸び率の見通しについて、今年度はプラス1.2%、来年度はプラス1.4%、再来年度は消費税率引き上げの影響でプラス0.3%になるとしています。
当面の金融政策運営について(12時22分公表) https://t.co/hkJx6A7Tkh
— 日本銀行 (@Bank_of_Japan_j) 2015, 10月 30
Statement on Monetary Policy (Announced at 12:22 p.m.) https://t.co/1cKVGSrPlC
— Bank of Japan (@Bank_of_Japan_e) 2015, 10月 30
経済・物価情勢の展望(10月、基本的見解) https://t.co/J7TnA2LS0q
— 日本銀行 (@Bank_of_Japan_j) 2015, 10月 30
Outlook for Economic Activity and Prices (October 2015, The Bank's View) https://t.co/Gpix6hSJ6W
— Bank of Japan (@Bank_of_Japan_e) 2015, 10月 30