氣を引いていると正しい判断をすることが出来ませんから、退くときこそ、氣が出ていることが重要なのです。
藤平光一宗主は、これを戦地で会得しました。
進軍するときは氣を出しやすい。氣を出しているから、危険を察知して回避することが出来る。
撤退するときは氣を引きやすい。氣を引いているから、危険を察知出来ずに大きな被害が出る。
これを身をもって知った宗主は、退くときこそ氣を出すこと、「後ろに下がる」のではなく「後ろに進む」ことを徹底して、幾度となく危険な状況を回避出来たそうです。
堀様ご自身は、51歳でホリプロの社長を後進に譲られました。当時、芸能プロダクションは一代限りのビジネスと見られていて、ホリプロをパブリックカンパニーにすべく、堀の名字がつかない社長を誕生させることが目的だったそうです。
それでも51歳というご年齢は、一般的には第一線を退くには早く、なぜそれを出来たのかお尋ねしました。
「次の社長にはホリプロがやって来たことを守ってもらい、自分は新しいことをやろうと思ったのです」
退任後、堀様は社長時代には取れないリスクを積極的に取りながら、様々な事業を成功に導かれました。