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沖縄返還「密約」 2年前に肩代わり含め検討 NHKニュース

24日公開された、沖縄返還の2年前の1970年7月に当時の外務省条約局が作成した「勉強会用メモ」は、沖縄のアメリカ軍基地を撤去したあとの原状回復の費用400万ドルを巡る問題について記述があります。
この中では、「アメリカ側が、返還の際に負担すべき債務を、完全に支払わないまま、沖縄の復帰が実現する場合を想定すれば」という記述があり、その後に続けて、カッコ書きで「実際の問題として、そうなると思われる」と記されています。
そのうえで、「日本としては、アメリカに、残りの債務を負担させる道を復帰後にわたって維持するか、あるいは、アメリカの残りの債務を免除して、日本がこれを肩代わりするかのいずれかの措置を講じる必要がある」として、費用の肩代わりも含めて検討していたことが明らかになりました。
この「密約」を巡っては、ことし3月に亡くなった外務省の元アメリカ局長の吉野文六氏が、当時の政府関係者として初めて認めており、その後の日米の「密約」につながる議論が、外務省で沖縄返還前の早い段階から行われていたことがうかがえます。
外交史が専門の国立公文書館アジア歴史資料センターの波多野澄雄センター長は、「沖縄返還の交渉の過程では、いくつかの密約の存在が指摘されており、その1つが基地の原状回復に伴う補償をどうするかだった。日本側は当然、アメリカが負担すべきと考えていたが、1972年の沖縄返還を実現するためには負担を肩代わりする方法もやむをえないと、かなり前から考えていたことが分かり、極めて困難な交渉を行っていたことがうかがえる」と話しています。

沖縄返還合意文書 削除項目が「了解覚書」に NHKニュース

これは、沖縄返還を2年後に控えた1970年11月19日の日米協議の内容などを記した外交文書で明らかになったものです。
協議には、日本側から当時の愛知外務大臣と山中総理府総務長官、アメリカ側からマイヤー駐日大使が出席して、沖縄返還にあたってアメリカの施政権を日本に円滑に移行するための合意文書が締結されました。
この際、山中長官は、合意文書の「日本が沖縄に援助を行う際は、従来どおり、事前にアメリカ側の承認や同意が必要だ」とする項目について、「わが国内部の手続きに関わる内容で、不適当だ」として、事前に削除するよう求めていました。
協議ではアメリカ側もこれを了承しましたが、削除された項目は「了解覚書」という日本語と英語の非公式文書にまとめられ、保存されることになりました。
了解覚書には、愛知外務大臣、山中総務長官、マイヤー駐日大使の3人のサインも記されています。
これについて、日米外交史が専門の日本大学の信夫隆司教授は「密約が完全な形で判明したケースだ。了解覚書はこれまで公開されてきた密約と比べて、日本文と英文の両方の文書があることや、3人のイニシャルがはっきりと残されていることが珍しいし、それが作られた経緯というのも今回公開された文書に記されている。『密約はこうして締結される』という一種の手口が白日の下にさらされたもので、意義がある」と話しています。