ロシア大統領府によりますと、プーチン大統領は4日夜、おととし3月に併合したクリミア半島に隣接するウクライナ南部の都市ゲニチェスクに対し、市長からの要請で、暖房用のガスの供給を始めるよう関係機関に指示したということです。
これを受けてクリミアの行政府は、パイプラインでつながるゲニチェスクに対してガスの供給を開始したと明らかにし、国営メディアも、ロシア政府がウクライナ南部の住民に迅速な支援を行うことになったと大きく伝えています。
これに対して、ウクライナ国営のガス会社は「ロシアによる宣伝工作だ」としてロシアによる支援を否定したほか、地元メディアも、ゲニチェスクの市長が支援は要請していないと述べたとしています。
ゲニチェスクは、ロシアとクリミア半島の間の戦略的に重要な地域に位置していることから、ロシア側には、この都市への支援を強調することで、対立するウクライナに揺さぶりをかけるねらいがあると受け止められています。