フランス大統領府は１０日、オランド大統領がファビウス外相を法律の違憲審査を行う憲法評議会の議長に任命すると発表しました。これを受けてファビウス外相は、近く外相を辞任することになりました。
ファビウス外相は、去年、フランスで開かれた国連の会議、ＣＯＰ２１で議長を務め、発展途上国を含むすべての国が参加して温室効果ガスの削減に取り組む新たな枠組み「パリ協定」の採択を実現させました。会議は先進国と途上国の利害が対立し難航しましたが、ファビウス外相は、各国の主張に耳を傾けて合意文書を取りまとめ、その外交手腕が高く評価されました。ファビウス外相は、シリア情勢についても反政府勢力を支持するフランスの立場から積極的に発言を続けてきました。
辞任することが決まった１０日も議会下院で演説し、「ロシアやイランは残虐なふるまいをしているアサド政権に加担している」と非難する一方、アメリカが主導する有志連合による空爆などの作戦についても、「あいまいさがあり強力とは言えない」と苦言を呈しました。
