民主党と維新の党の執行部は、夏の参議院選挙に向けた両党の連携を巡り、民主党の党名などを変更したうえで、維新の党の議員が民主党に参加する形で両党が合流する方針を固めました。
これを受けて、民主党は24日、国会内で臨時の常任幹事会を開き、岡田代表は、合流にあたっては解党せずに党名や綱領を変更することなどを説明しました。また、岡田氏は、来月中に新党を結成し、新しい党名については「民主」の文言を残す案と残さない案の2つに絞り、世論調査を行うことも念頭に客観的に検討して、決めていきたいという考えを示しました。
さらに、岡田氏は合流したあとの体制に関連して、「参議院選挙に勝つことが、私に与えられた役割だと思っている」と述べ、引き続き、代表として党運営にあたり、代表選挙は参議院選挙後に行いたいという考えを示しました。
これに対し、出席者からは「参議院選挙で自民・公明両党に対抗するためには、両党の結集を図る必要がある」という意見が出される一方、「党名を軽々に変えるべきではない」、「維新の党と合流するならば新たに代表選挙を行うべきだ」といった指摘が出されました。
そして、多数決の結果、執行部の方針が賛成多数で了承され、岡田氏に対応を一任することになりました。
これを受けて、岡田氏は、今週中にも維新の党の松野代表と党首会談を行って、正式に合意したい考えです。
民主党の岡田代表は、東京都内で講演し、「松野代表と2人で話し合ってきたことは、政権を取りにいく政党をしっかりつくろうということだ。安倍政権を倒して、それに代わる政権をつくるため、3月いっぱいには新党を立ち上げることを決めた。両党が軸になり、場合によってはその他の野党の人たちも、理念と政策が一致するのであれば加わって頂いてまとまっていかなければ、巨大与党には対抗できない」と述べました。
また、岡田氏は、合流後の党名について、「どういう党名にするかはこれから議論していくが、民主党のままということは考えていない」と述べました。
民主党の枝野幹事長は、記者会見で、「民主党と維新の党が別々に戦えば、自民党が漁夫の利を得ることになり、国民の民意が適切に反映されなくなる。維新の党とは、統一会派の結成にあたっての話し合いの中で、政権を担える1つの政党として許容される幅の中にあることを確認している。政権を担える政党を、もう一度つくりなおすために、大同団結していくのは、当然のことだ」と述べました。
民主党の最高顧問を務める、赤松・前衆議院副議長は、NHKに対し、執行部の方針に賛成しなかったことを明らかにしたうえで、「政権を目指す政党は、幅広く一緒になって力を合わせる必要があるので、維新の党の議員が民主党に入ることは大賛成だ。ただ、政党にとって、党名は非常に重要だ。私は結党以来、支持者や地域に民主党という党名を訴えてきた。民主党出身の議員も多い維新の党と一緒になるために、参議院選挙を目前にわざわざ党名を変える必要が本当にあるのか」と述べました。
民主党の篠原元農林水産副大臣は、NHKの取材に対し、「党名の変更は、全面的に賛成で支持する。党名を変えて出直すことを国民にアピールしなければ民主党の政権奪回はないと、これまでも主張してきた。維新の党との合流は手始めであり、われわれと志を同じくして安倍政権を打倒して政権を奪還していくという人たちや政党に結集を呼びかけていくべきだ」と述べました。
維新の党の今井幹事長は、国会内で記者団に対し、「維新の党は、いわゆる第3極だが、政権を狙っていくのであれば、もう1つステージを上げる必要がある。民主党と統一会派を組んだ際の合意事項には、幅広い野党勢力の結集を呼びかけていくことが含まれているので、両党で新党を作るだけではなく、幅広く声をかけるべきだというのが、われわれの考え方だ」と述べました。