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──世界的に有名な作品を宝塚化するに当たって、心がけることは?


田渕 新たなミュージカル作品として公演自体を成立させたいという思いもあるのですが、それにプラスして、宝塚歌劇団ならではの男役トップスターが演じること、女性同士で演じることの魅力を踏まえて、物語の軸となっている王女の成長物語だけでなく、新聞記者のジョー・ブラッドレーの方もより描けたらなと思っております。先ほどのパフォーマンスにも少し含ませて頂いたのですが、映画よりも若く野心家で特ダネを追いかけるジョーが、王女との出会いによって、大切なものに気づいて成長していく。ジョーの成長物語でもあるところを軸にして舞台を作っていけたらと思っております。


──「スペイン階段」ですとか「真実の口」ですとか、有名なシーンがたくさんありますが、差支えない範囲でそのようなシーンがどう表現されるのかを教えてください。


田渕 名所めぐりというところも作品のポイントになっていますので、2人がどんどん心を通わせていくシーンは表現していきたいのですが、映画は切り貼りができますが、それを舞台で再現するに当たっては、ローマの街中で2人が1日過ごす、自然な流れの中で、景色の移り変わりを表現していきたいと思います。

──その田渕先生の言葉を受けてお2人からは?


早霧 1つの作品を通して、今回は田渕先生ですが、演出の先生と私達が同じ土俵で作って行くというのが、私の理想とするところで、先生に引っ張って頂くのではなく、先生と私達生徒が共に作り上げることによって相乗効果が生まれて、よりお客様に楽しんで頂ける舞台になるのではないかという思いがあります。田渕先生はそれをきちんと受けて、私達のことをわかってくださっていながら、すごく「ここか!」というこだわりもお持ちです。優しくソフトなのですが、そのソフトな中に、先生の視野を感じるので、先生がどんな山を提示されても、そこを登って頂上でバンザイをできるような作品にしたいと思っています。


咲妃 田渕先生のお話を伺って嬉しく思っておりました。早霧さんもおっしゃっていらっしゃいましたが、先生と一緒に作り上げて行く舞台、そこで見えてきたものの中で息づけた瞬間というのはとても心地良いので、そうした瞬間をまた『ローマの休日』でも、経験できることを今から楽しみにしています。先生がこうやりたい、こうしたいという明確な意志を持って、今回の制作発表のお稽古も導いてくださったのが大変心強かったですし、一方で私達側の意見も聞いてくださって、和やかな雰囲気のもとお稽古を進めてくださったので、この先のお稽古期間もとても楽しみだなと感じております。


──どんな役作りをしていきたいですか?


早霧 名優が演じられた役ですが、でも宝塚の女性が演じるジョー・ブラッドレーをどのように演じるかによって、宝塚の良さが出てくると思います。決してグレゴリー・ペックさんの真似にならず、宝塚のこの雪組のメンバーだからこそ、そして相手役が咲妃だからこそ、早霧のジョーがこういう役になったと納得して頂けるものにしたいので、もちろん映画の世界観は大切にしたいと思うのですが、田渕先生が書いてくださった脚本の世界を大切に、新しい気持ちで取り組んでいきたいと思います。


咲妃 お話があまりにも有名ですし、お客様も物語の展開はご存知の方が多いと思いますので、名作の再現に走るのではなく、きちんとその瞬間、瞬間息づくことが舞台化する意味だと感じております。心を込めて地に足を着けて、そして新鮮に、早霧さんの演じられるジョー・ブラッドレーさんとの24時間の淡い恋を、私自身も楽しみつつアン王女を演じられたらと思います。

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