渡辺知明著『朗読の教科書』では、吉田一穂の詩のリズム論を基礎にして、散文での2音ないし3音区切りの原理を述べて、音声表現における有効性と実践方法を示した。さらに2音ないし3音の区切りごとに生ずる強弱アクセントの原理にまで発展させた。 https://t.co/edhmT0BRNF
— 渡辺知明 (@WATANABE_tomo) 2016年4月3日
表現における声のトーンは2種類だ。(1)聴き手向けのものと(2)自らの内面に向けるものとである。(1)は伝達のためのトーン、(2)が表現の基礎になる声だ。(1)のみで語るのが多くの俳優で、(2)のせりふが言える俳優は少ない。(1)はナレーターでもできる。(2)ができてこそ俳優だ。
— 渡辺知明 (@WATANABE_tomo) 2016年4月3日
私が『朗読の教科書』で2音ないし3音区切りの日本語リズムを書いたヒントは吉田一穂の論文「メカニズム」だ。昭和6年『詩神』に「メカニズム―あるいは透明な地獄」として発表された。日本の詩歌の「格調」は「二音・三音の切点」で、その組み合わせの「格」として五七調が成立すると論じている。
— 渡辺知明 (@WATANABE_tomo) 2016年4月3日
人はコトバで考える。コトバはもともと声である。(1)聴き手向けの声と(2)自らの内面に向ける声がある。情報を伝達する声は(1)、思考の声は(2)である。原理としては(1)と(2)は一体化したものである。だが、声の事実としては、(1)と(2)とは区別できるし訓練することもできる。
— 渡辺知明 (@WATANABE_tomo) 2016年4月4日
「詩歌の「格調」は、2音・3音の切点を基本として、その音数単位の結節配置により、和音(弱)不協和音(強)ストッレス等の効果的な音律形態をとる。」それを「「格」とする五・七調の基本は、(中略)短歌、俳句、俚謡、新体詩など(中略)の「格」連合の固定的な形式を作り上げた」吉田一穂
— 渡辺知明 (@WATANABE_tomo) 2016年4月4日