https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

ECB理事会後のドラギ総裁発言要旨 | ロイター

インフレ目標の見直しはない>


インフレ目標を見直し、2%には決して届かないと認めるべきとの主張がある一方、インフレ期待に影響するため3%か4%に目標を引き上げるべきとの意見もある。


われわれはそのいずれも行なわない。様々な理由があるが、ともに中銀の信任を損ねる可能性があるからだ。リスクプレミアムが跳ね上がり、実質金利の上昇を招く恐れがある。


<今後のユーロ加盟の動き>


(ユーロ圏加盟要件を満たしているかを判定する)「コンバージェンス・リポート」は、候補国がまだ基準を満たしていないことを示すだろうが、いずれの国も進展を見せており、世論調査も大半の市民がユーロ加盟を支持していることを示している。


量的緩和(QE)の3月期限終了に関する質問で>


これまでに実施してきた措置の効果に注目する。経済成長に関する6月のスタッフ予想は、これまでに確認している状況の断片的な情報を反映しているに過ぎない。


国債買い入れを計画通りに遂行できると確信しているかとの質問で>


国債買い入れプログラムは順調に進行している。市場では国債買い入れの限界を指摘する声も出ているが、われわれはそのような限界には直面していない。あらゆる方策を通じ同プログラムを調整することによって目標を達成することが可能だ。


<ゼロ金利と資産バブル>


(ゼロ金利で不均衡やバブルが生じる懸念はあるかとの質問に) 米英日の貯蓄家にとって明らかに懸念材料だ。金利が低かったり、ゼロやマイナスだったりしても、回復・成長局面を取り戻す正しい金融政策だ。回復に伴って、金利は次第に上昇するだろう。ECBは物価安定を実現する責務があり、責務を果たすためあらゆる手段を講じる必要がある。


<英国のEU離脱(ブレグジット)>


ECBは、どのような結果にも対応できる。


英国や欧州、ユーロ圏は互恵関係にある。ECBは、英国がEUに残留すべきとの見方をとる。EUや英国が、残留の恩恵に浴することになるからだ。


<(資金供給オペの担保として)ギリシャ国債の受け入れ再開について協議したかとの質問に対し>


決定を見送った。ECB理事会は、過去数カ月でかなりの進展があったことは認識している。


ただ、ギリシャがこれまでに合意している事前行動を実行した段階で、(資金供給オペの適格担保として)ギリシャ債受け入れ再開に向けた決定を行う。


ギリシャに関し、再度政策会合を行うことが必要となる。


<二次的影響確認せず>


二次的影響を確認しておらず、これは成長や雇用をめぐり朗報とみなされるだろうが、恐らくドイツを除き、賃金や価格決定メカニズムに対する上方圧力は確認されていない。


<過度の低インフレリスクくすぶる>


現段階では、過度の低インフレ環境によって賃金や価格設定に二次的影響が波及しないよう確実にすることが極めて重要だ。


ECB理事会は物価安定見通しの動向を注視する。また、正当化されれば、目標の達成に向け責務の範囲内であらゆる措置を講じて行動する。


<インフレ見通し>


インフレ率は向こう数カ月は非常に低い水準、もしくはマイナス圏で推移し、その後、下半期に入ってから上向く公算が大きい。


われわれの金融政策措置、および予想される景気回復により、インフレ率は2017年と18年に一段と回復すると予想している。


<英国のEU離脱問題、その他の成長リスク>


(成長へのリスク)は依然下向きだが、リスクバランスは実行している金融政策措置、および今後実施される刺激を背景に改善している。


下方リスクは引き続き、世界経済の動向、欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国の国民投票、および他の地政学リスクに起因する。


<景気回復抑制>


新興国市場の弱い成長見通しや、必要なバランスシート調整、遅い構造改革の実行ペースで、ユーロ圏の景気回復が抑制された状態が続く。


<ユーロ圏の回復>


景気回復は緩やかに進行している。


<追加刺激>


今後実行される金融政策措置による追加刺激が見込まれており、成長見通しに対するリスクのさらなる再均衡に寄与するだろう。


金利は据え置き>


長期間にわたり、資産買い入れ期間終了後も長く、金利は現在、もしくはこれを下回る水準で推移し続けると予想している。

#ECB