ヘッジファンド業界はかつてない困難な時代に直面−ロバートソン氏 - Bloomberg
タイガー・マネジメントのジュリアン・ロバートソン会長兼最高経営責任者(CEO)は27日、ヘッジファンド業界が数十年にわたる自身の投資歴で最も困難な時代に直面していると述べた。業界の先駆者であるロバートソン氏は、高額の運用報酬を徴収する時代は終わる可能性も示した。
ロバートソン氏(84)はブルームバーグ・サーベイランスのインタビューで、「このようなタイプのビジネスは最近うまくいっていない。厳しいビジネスだ」と述べ、「ヘッジファンド運用者であることはかつてないほど難しくなっている」と指摘した。
同氏は1980年にタイガーを創設し、世界最大級のヘッジファンドに飛躍させた。ヘッジファンドのポートフォリオは低迷期でもアウトパフォームする設計となっているが、超低金利と株式市場のバリュエーション上昇でヘッジファンド運用者のリターンが縮小していると同氏は語った。ヘッジファンド業界は2008年以降毎年、S&P500種株価指数を下回るパフォーマンスに低迷しており、今年のリターンは8月末時点でプラス3.5%。
2000年に顧客に資金を返還して以降、自己資金を運用するロバートソン氏は、預かり資産の2%の管理料と運用益の20%を報酬として徴収するヘッジファンド業界の手数料モデルについて「聖域」だとは思わないと述べ、「報酬体系にはっきりとした流れが生じている」と語った。
その上で同氏は、米金融当局による歴史的な低金利政策を背景に株式市場で生成されているバブルが破裂するのに備えるため、投資家はポートフォリオの一部としてヘッジファンドに資産を保持すべきだと指摘。バブルが破裂すれば不動産も打撃を受けると予想した。
同氏はイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長について、「米国民が打撃を受ける状況を見たくないために深刻なバブルを生み出しており、いずれ深刻な苦痛を伴うと思う」とコメント。「このバブルがはじければ、空売りやヘッジファンド投資をしていない限り、株式市場でもうけを出せないだろう」と付け加えた。
原題:Hedge Funds Face Most Difficult Era Julian Robertson’s Ever Seen(抜粋)