経営破綻したのは、中国東北部・遼寧省にある国有の大手鉄鋼メーカー「東北特殊鋼集団」です。
国営の新華社通信によりますと、債権者が申し立てた破綻処理手続きを裁判所が10日、受理したということで、グループ全体の負債総額は日本円で8000億円余りに上ると見られます。
東北特殊鋼集団は自動車向けの鋼材などを生産し、グループ全体で年間3000億円程度の売り上げがありましたが、過去に行った巨額の投資が重荷となったうえ、鉄鋼価格の下落もあって業績が悪化して、期限内に借金を返せない債務不履行をことし3月以降9回繰り返し、実質破綻状態でありながら地元政府などの支援に頼って経営を続けるいわゆるゾンビ企業の代表例として動向が注目されていました。
今後は裁判所の監督のもとで事業の継続を探ることになります。
中国政府は、経済の安定成長に向けた構造改革の一環としてゾンビ企業の整理・統合を進める方針を示していて、今回の破綻には改革を断行する姿勢を内外にアピールしたい中国政府の意向が働いたものと見られます。