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 リーダーシップのあり方を再検討してきたのは、IT企業の急速な成長に危機感を感じたからでもある。経験も資産に乏しいながら彼らがなぜ大きく成長しているのかをベンチマークすることから始まった。


 調べてみると、彼らは服装も働くスタイルも自由で、上下関係もなく社員同士で言いたいことを言い合っていた。また組織もフレキシブルで、事に当たるときは即座に組織横断的なプロジェクトを結成する。それらは当時のGEとは正反対のカルチャーであり仕事の取り組み方だったが、彼らがそれによって伸びていることを素直に認め、気づきを得たのだと思う。


 それによって、GEの人材開発の拠点である「リーダーシップ開発研究所」、通称クロトンビルでのトレーニングに呼ばれる社員の資質も昔とは変わってきた。昔はどちらかと言うと、成果としてのパフォーマンスをしっかりと出した社員、トップの実績を上げた“実績”が重視された。


 しかし、最近は実績だけでなく、個々人の資質と可能性に目を向け、将来リーダーになれる人かどうか、という見方に変わっている。さらに、将来のリーダーとして、現状はどのようなギャップがあり、それを埋めるためにどのようなトレーニングが必要かを考えるようになった。

 この点で、日本の企業は立ち止まって考える必要があると思う。


 日本の強みはチームワークだとよく言われるが、チームワークの定義をはき違えているケースも見受けられる。ひとりが意見を言うとすぐ全員が「賛成」してしまう。それを見て、素晴らしいチームワークだと捉える人もいるが、私に言わせれば最悪のチームワークだ。


 人間である以上、心の中ではそれぞれみんな意見を持っている。強い個があって初めて強いチームができる。会社の方針が出たら「わかりました、頑張ります」となるのが日本企業の常だが、それでは建設的な意見対立は起こらない。

 ただ、その捉えられ方は、国によって少々違うようだ。特に日本と西洋は大きく違っている。西洋の場合はどちらかと言うと、自分が言いたいことを言うばかりで相手の話を聞かない人たちに対して、自分の主張を押し通すだけでなく、相手の話を聞くことも重要だと教えられている。