顧問ら会見「歩行訓練に向いている」と判断 https://t.co/77PbNpfDgq #日テレNEWS24 #ntv
— NTV NEWS24 (@news24ntv) 2017年3月29日
【News Up】 8人死亡の雪崩事故 論点は
— NHKニュース (@nhk_news) 2017年3月30日
高校生と教員が雪崩に巻き込まれ8人が死亡した事故。事前の情報収集や現場との連絡体制、雪崩に巻き込まれたときの発信器「ビーコン」の必要性など、論点をまとめました。https://t.co/W0YXxLdexF
今回の講習会を主催した栃木県高校体育連盟の登山専門部は29日、記者会見を開きました。
責任者の1人で、大田原高校の教員も務めている猪瀬修一委員長は、訓練内容の変更について、当日の朝にほかの教員たちと話し合ったうえで「(ラッセル訓練なら)できるだろうというような提案を受け、3人で話し合って、じゃあそうしましょうと」決めたということです。
スキー場で雪崩が起きやすい場所は認識しており、そこに近づかなければ大丈夫だと判断したということで、会見で猪瀬委員長は「前日にテレビ等で雪崩が発生するかもしれないという状況は認知はしていたが、こういう事態になってしまったことを反省しなければいけない」と話しました。
現場の第2ゲレンデ近くの斜面は、雪崩が起きやすいため、スキー場では斜面の下にあるゲレンデをたびたび封鎖していたことが那須町への取材で分かっています。
今回の事故の前には、先月25日から今月1日までの間、雪崩の危険性があると判断し、封鎖していたということです。
しかし、今回の講習について、スキー場側には「トイレを貸してほしい」という連絡はあったものの、スキー場のすぐ近くでラッセルの訓練を行うという連絡はなかったということです。
雪崩は午前8時半ごろに発生しました。そのとき現場からは無線などで直接警察などに通報できず、雪崩の発生から通報まで1時間ほどたっていたことがわかっています。
事故当時、猪瀬委員長はラッセル訓練の現場ではなく本部にしていた旅館にいたということで、現場とのやり取りのために無線を持っていましたが、午前9時ごろの10分間ほどは、無線を車に置いて旅館に戻っていたということです。
会見で猪瀬委員長は、「ラッセル訓練で危険な場所に行っていると認識していなかったので、無線を離してはいけないと思っていなかった。離れるべきではなかったと今は思う」と述べました。
講習会の参加者は、全員、雪崩に巻き込まれた際に自分の位置情報を発信する「ビーコン」を持っていませんでした。
ビーコンは電波を送受信できる機械で、雪崩で雪に埋まって、行方が分からなくなった人からの電波を別のビーコンで受信し、電波の強弱で大まかな位置を把握できます。
ビーコンの必要性について猪瀬委員長は、「きつい冬山登山には必須だが、講習会でビーコンを必ず持ちなさいとか、義務づけして持っていないところは参加させないという認識はなかった」と説明しました。もともと、ビーコンが必要になるような危険性があるとは思っていなかった、とのことです。
今回の事故を受けて、栃木県教育委員会は、ビーコンの義務化を検討することにしているほか、全国高校体育連盟も、今後は冬山登山の際に携行を求めるようにしたいとしています。
ただしビーコンの有無だけに着目することには、遭難防止の点からもよくないと指摘する専門家もいます。
約20年前から北海道のニセコ地区で雪崩事故防止の活動に取り組んでいるニセコ雪崩調査所の新谷暁生さんは、「救出にかかる時間の短縮に少しでもつなげるためには、ビーコンは持っていたほうがよい」としたうえで、「『自分はビーコンを持っているから大丈夫』と危険な斜面に入り、雪崩で死亡するケースも相次いでいる」といいます。
新谷さんは「重要なのは雪崩に巻き込まれないことであり、責任者である以上、現場の地形や植生、気象条件などから、雪崩の危険性を予見することが厳しく求められる」と指摘しています。
警察は、今回の訓練の実施にあたって、雪崩が起こる危険性をどの程度認識していたのか、事前の情報収集や万一の事故を想定した備えは十分だったのかといった点について、生徒を引率した教員などから事情を聴くなどして詳しく調べています。