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利益の大半を稼ぐ半導体事業の分社化を株主に諮る東芝の臨時の株主総会は、およそ1300人の株主が出席し、30日午前10時から千葉市の会場で行われました。


総会の冒頭、綱川智社長が「株主の皆様には、ご迷惑ばかりおかけして誠に申し訳ない。役員一同、心からおわび申し上げる」と述べて陳謝しました。


東芝は29日、アメリカの原子力事業の子会社、ウェスチングハウスが経営破綻し、日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条の適用を申請したことに伴い、親会社として保証している債務を損失処理することなどで、今年度の最終赤字がおよそ1兆円に拡大する可能性があると発表しました。


今回の半導体事業の分社化は、こうした損失を穴埋めし、経営再建を図るためのもので、分社化には株主の3分の2以上の承認が必要です。


総会では、株主から「なぜ子会社の損失に気付けなかったのか」などと経営陣の責任を問う厳しい意見が相次ぎました。
総会はおよそ3時間半におよび、採決の結果、株主の3分の2以上が賛成し、半導体事業の分社化は承認されました。


東芝は株主の承認を得たことで、分社化した半導体事業の過半数の株式を売却して巨額の資金を得たい考えで、ことし6月までの売却先の選定を本格化させたい考えです。

東芝は臨時の株主総会で、巨額の損失の原因となった原子力事業以外で損失が発生する可能性のある事業について株主に説明しました。


1つは2011年に、官民ファンドの産業革新機構とともにおよそ1800億円で買収したスイスの電力計メーカー、「ランディス・ギア」です。
この会社は「スマートメーター」と呼ばれる家庭などの電気の使用状況のデータを詳細に記録できる電気メーターを製造していて、省エネが進む中で大きな需要を見込むことができると買収しました。
この会社をめぐって、追加の損失が出るおそれはないのかという株主からの質問に対し、会社側は「会社の事業の資産価値を調べる減損テストを適正に行い判断している」と述べ、損失を計上する必要があるかどうか調査していると説明しました。


もう1つは、アメリカで産出するシェールガスなどをLNG=液化天然ガスに加工しているエネルギー会社、「フリーポート」の子会社と結んでいる契約です。
東芝はみずから天然ガスを調達し、販売することにしていますが、2019年以降、20年間にわたって販売する天然ガスをLNGに加工してもらう委託契約をこの子会社と結んでいます。
この事業について、会社側は「加工してもらったLNGは販売先が見つからない場合でも、東芝は委託料を支払う義務があるため、損失が発生するリスクはある。損失を計上する方法は検討中だ」と述べ、この事業でも損失が出るおそれがあることを株主に説明しました。