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日ロの最大の懸案である北方領土問題を巡って、プーチン大統領は、去年12月の東京での共同会見で日米安全保障条約について取り上げ、「日本は、ロシア側の懸念を配慮してほしい」と述べ、ロシアと対立を深めるアメリカが北方領土周辺で軍事的な存在感を強めることがないよう暗に求めました。


プーチン大統領は、領土交渉を進めていくうえで、日米安保条約がどう影響するのか避けて通れないと問題提起したわけですが、アメリカのトランプ政権との間で米ソ冷戦後最悪といわれる関係を改善させる道筋が見えないなかでいま領土交渉に踏み込むのは得策ではないと分析しているものと見られます。


また、来年3月に予定されている大統領選挙に向けて、「内政の季節」を迎えるなかで、再選を目指すと見られるプーチン大統領が、領土問題で日本に譲歩したとロシア国内で受け止められるような姿勢を見せることはできないという事情もあります。


このため、今回の首脳会談では、日本との8項目の協力プランに基づいて都市の環境整備や医療などロシア国民の生活に直結する分野を中心に、具体化させることを優先するものと見られています。


さらに、北方領土での共同経済活動と元島民の往来を巡っては、ロシアの法律と矛盾せず、島の住民の利益につながることを前提に、医療分野での協力や、島への航空機の運航などの実現に向けて、協議を前進させる姿勢を示すものと見られます。

ロシアは、北朝鮮弾道ミサイル発射や核実験に対しては、「国連安全保障理事会の決議違反だ」と強く非難する一方、北朝鮮への圧力を強めて武力行使も排除しない姿勢を示すアメリカをけん制し、日本や韓国に対しても、「最大限の自制を呼びかける」として、冷静な対応を求めています。


ラブロフ外相は、今月17日、「北朝鮮の危険極まる行動は容認できないが、国際法に違反し、武力を行使できるということではない。シリアで最近目撃したようなことが繰り返されないことを強く願う」と述べました。


ロシアは、アメリカが北朝鮮の脅威を理由に、日本や韓国と協力して、東アジアでミサイル防衛システム計画を進めることについて、「世界と地域の安定を著しく低下させる」として反発しています。


アメリカが、ロシアをはさんで東アジアとヨーロッパで進めるミサイル防衛システムが、ロシアの核戦力の無力化を狙ったものだと強く警戒しているためです。


一方、ロシアは、友好国・北朝鮮との経済協力を進め、北朝鮮に対する一定の影響力を保持しようとしています。来月上旬には、ロシア極東と北朝鮮を結ぶ定期航路が開設され、北朝鮮の貨客船マンギョンボン号が(万景峰)就航することが明らかになっています。


この航路の開設で、両国間の物資の輸送が増え、外貨獲得のためロシアに派遣される北朝鮮の労働者の利用も見込まれています。ロシアで労働許可を得ている北朝鮮の人たちは、去年末の時点で2万9000人に上り、5年前に比べて50%増加していて、中国と北朝鮮との関係がぎくしゃくする中で、ロシアによる北朝鮮への関与は相対的に強まる形となっています。


ロシア側で日本との貿易と経済協力を担当する大統領の特別代表をつとめるオレシュキン経済発展相が、26日、日ロ首脳会談が行われるのを前にNHKのインタビューに応じました。


このなかで、オレシュキン経済発展相は、安倍総理大臣に同行する世耕ロシア経済分野協力担当大臣が、28日に南部の都市ボロネジを訪問することを明らかにし、「都市のインフラを高度な技術で管理するシステムは、ロシアの都市で必要とされ、日本はこの分野で進んでいる。両国にとって利益になる協力であり、ボロネジは、すばらしいモデルケースの1つになる」と述べました。


日本側は、交通量に応じて自動的に信号を調整して渋滞の解消をはかるシステムの導入や、快適な住宅の建設で協力することにしており、オレシュキン経済発展相は、ボロネジで具体的な協力が進むことに期待を示しました。


また、医療分野では、ロシアは日本と同じように高齢化が進み、人口の減少問題を抱えていると指摘したうえで、「日本は、健康で長寿の人が多い社会で、現代的な医療技術は、ロシアにも導入することができる。一方、ロシアにも日本市場に進出できる製薬などの企業があり、一緒に取り組めばすばらしい結果を生み出すことができる」と述べました。


このほか、インフラ整備の立ち遅れたロシア極東では、拠点都市ハバロフスクの空港ターミナルの整備で、日本企業の参加を後押しする考えを示しました。