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イギリスの総選挙の投票は8日、全国およそ4万2000か所の投票所で行われ、日本時間の午前6時に締め切られて即日開票されています。


投票の終了と同時に、メディア各社は出口調査の結果に基づく各党の獲得議席の予測を伝えました。


BBCは、議会下院の650議席のうち、与党、保守党が314議席、最大野党、労働党が266議席を獲得すると予測していて、保守党が第1党の座は守るものの過半数の326議席は維持できない見通しだと伝えました。


また、スコットランドの独立を目指すスコットランド民族党が34議席自由民主党が14議席を獲得すると予想しています。


保守党の獲得議席過半数に達しなかった場合、選挙を前倒して行う決定をしたメイ首相の進退問題に発展する可能性もあり、EU=ヨーロッパ連合からの離脱に向けた交渉に影響が出ることが予想されます。


選挙戦ではEUからの離脱に向けた方針が大きな争点となり、メイ首相率いる保守党が、交渉を有利に進めるには政権基盤の安定が必要だと訴えたのに対し、野党の労働党は、保守党が主張するEUの単一市場からの撤退は経済への打撃が大きいなどと反対していました。また、選挙期間中にテロ事件が相次いだことで、各党の治安対策にも関心が集まっていました。


開票作業が順調に進めば、日本時間9日昼前ごろには大勢が判明する見通しです。

メイ首相が総選挙の前倒しで実施する意向を表明したのが、ことし4月18日でした。


この直後の世論調査の支持率の平均は与党、保守党が42.4%、野党、労働党が26.1%と、およそ16ポイントの差がついていました。メイ首相としては、こうした世論を追い風に、総選挙の前倒しに踏み切ったのです。


その後、選挙運動が活発になる中で、4月下旬には両党の支持率の差がおよそ20%まで拡大するなど、保守党が圧勝するという見方が強まっていました。


その傾向が大きく変わるきっかけとなったのが、先月18日に保守党が発表したマニフェストでした。マニフェストの中に、一部の高齢者の負担増につながる社会保障政策が盛り込まれたことに国民の間に反発が広がり、保守党の支持率が急落する一方、労働党の支持率は急上昇します。


先月31日には双方の支持率の差が10ポイントを下回り、今月に入ってからも、その差は徐々に縮まっていて、一部の調査では支持率の差が1ポイントまで縮小したとする結果もあり、選挙の行方は予断を許さなくなっています。

ハングパーラメント=宙づり議会とは、議会で、どの政党も単独で過半数議席を獲得できていない状態のことです。選挙でハングパーラメントになった場合、少数与党による政権か、複数の政党による連立政権の樹立を目指すことになります。


保守党と労働党のいずれかが政権を担う二大政党制が根づいているイギリスでは、選挙制度も二大政党に有利な単純小選挙区制を採用し、強く安定した政府を作ることが重要だと考えられてきました。このため、ハングパーラメントの事例は少なく、第2次世界大戦後では2回だけとなっています。


1974年の総選挙では、与党だった保守党が野党の労働党にわずかな差で敗れ、ともに過半数議席を獲得できなかったことから、保守党が連立政権の樹立を模索しました。しかし、保守党による連立協議が決裂したことから、選挙で第1党となった労働党の政権が誕生しました。


また、2010年の総選挙でもハングパーラメントとなり、第1党となった保守党と自由民主党による戦後初めての連立政権が発足しました。


8日、投票が行われたイギリス議会下院の総選挙は開票作業が進み、日本時間の午後5時50分現在、議会下院の650議席のうち649議席が確定しました。


その結果、与党・保守党が318議席、最大野党の労働党が261議席スコットランド民族党が35議席自由民主党が12議席、などとなり、保守党はこれまでの330議席から議席を減らし、過半数の326議席を維持できないことが決まりました。