第35回「蘇えりし者たち」|あらすじ|NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』
永禄11年(1568年)末に武田信玄は徳川氏と同盟し、今川領国への侵攻を開始する(駿河侵攻)。武田氏の駿河侵攻に対して後北条氏は今川に加勢し、これにより甲相同盟も破綻した。今川氏は数年の間に領国駿河と三河を武田氏と徳川氏(松平氏改め)によって東西から瞬く間に切り獲られた[注釈 2]。1568年(永禄11年)、遠江に追い立てられた氏真は、最後の拠点掛川城を徳川軍の石川家成に明け渡し、掛川城主の朝比奈泰朝等と共に北条氏を頼って小田原に退去。戦国大名としての今川氏は桶狭間の戦いから8年で滅亡し、駿河は武田領国化される。
高家旗本として存続した江戸時代の今川家では、11人の当主のうち、直房・氏睦・義泰・義彰・義用・範叙の6人が高家職に就いている。幕末の当主・範叙は、高家出身者として唯一若年寄に就任し、官軍との講和・江戸城の開城に際して尽力した。しかし明治維新後は、他の士族と同じく家禄を失って没落したうえ、一人息子である淑人にも先立たれた。1887年(明治20年)、範叙の死によって今川氏は断絶した。