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「書く」は、ここ10年ほどでかなり重要なスキルとなった。

私が思う「書ける人」とは、「人から言われたテーマを綺麗に書ける」人のことではない。


検索に引っかかる記事は書けるが、その文章のファンは生まれない。

判断基準が自分の外にある人間は表現者になれない。その表現の仕方が研究だろうと、スピーチだろうと、絵画だろうと、価値の判断基準は常に自分の内部にあり、その基準に基づいて自分の考えや思いを外に問うのが表現だ。

文章には「推敲」という作業があり、これを辛抱強くできるひとが「書ける人」である。

最初はだいたい流れのままにさっと書いてしまって、あとからしっかりと手を入れていきます。最初からみっちり書いていこうとすると、流れに乗ることがむずかしくなるので。


推敲にとってもっとも大事なのは、親切心です。読者に対する親切心(サービス心ではなく親切心です)。

「書ける人」は、訴えたいこと(テーマ)があり、表現の工夫に手間を惜しまない(推敲)人々であり、情理を尽くして読者に何かを伝えたい、何かを訴えたい、そういうこだわりの持ち主たちである。