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日本銀行は今週、金融緩和策の現状維持を決め、11月の国債買い入れ方針も前月から据え置いた。国債の最大の買い手である日銀の枠組みに変化がなく相場の変動が限られる中、入札などで仕入れてオペで売ってさやを抜く「日銀トレード」の環境は厳しさを増しており、市場参加者は投資手法の柔軟化を迫られている。


  異次元緩和による金利低下局面(債券価格は上昇)では転売により短期間で利益を上げることができたが、足元では相場が狭いレンジの推移にとどまり転売する前に値下がりするケースが出ている。例えば、昨年7月5日の入札時に平均価格103円50銭で仕入れた10年国債343回債は翌日に103円85銭程度で売却できた。一方、今年9月5日入札の10年国債348回債の場合、オペの対象になって以降、流通価格が同入札の平均価格100円88銭を超えることなく2カ月近く推移している。

  こうした環境下でも、オペに対する金融機関の応札意欲に大きな変化は見られない。その背景に従来とは逆の手法があると一部の市場関係者は語る。


  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「入札で買ってオペで高く売るのがもともとのパターンだったが、最近はオペの後に売られる傾向が見られ、オペで売った後に安くなったところを買い戻すことで収益を確保している人もいるだろう」と言い、金融機関が買いから入る取引にこだわる必要はないとの見方を示した。


  流通市場とは違い、一度に大量の国債を売ることができる日銀トレードは、金融機関にとって格好の収益確保の場となっていた。「昨年7月あたりまではだいたい負けていなかったと思うが、今はうまくいったりいかなかったり。うまくいっても大した値幅は取れず、あまり実にならないことが多い」とSMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは指摘する。


  日銀が2013年4月に異次元緩和を導入して以降、新発10年国債利回りは同年5月に付けた1%をピークに昨年7月には過去最低のマイナス0.30%まで下げた。その後は、長短金利操作の下でゼロ%前後まで戻し、17年度に入ってからは0.1%ポイント程度のレンジを上下するこう着状態が続いている。


  岡三証券鈴木誠券シニアストラテジストは「日銀という買い手が確実にいる中での取引なので、うまくやっていくしかない。いろんな状況も含めてうまくいくように考えるのがトレーダーの仕事」だと話した。  

#リフレ#アベノミクス