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ミャンマー政府は、27日、アウン・サン・スー・チー国家顧問が30日から中国を訪問し、中国共産党が主催する世界各国の政党との会議に出席すると発表しました。訪問の目的については「二国間の関係を強化するため」だとしています。


ミャンマー政府は、少数派のロヒンギャの人たちが隣国バングラデシュへの避難を余儀なくされ人権を侵害されているとして、国際社会の批判を浴びていますが、中国政府はこれまでロヒンギャの問題については「ミャンマーバングラデシュの2国間の問題だ」という立場を維持してきました。


今月19日にもミャンマーで中国の王毅外相とスー・チー氏が会談し、王外相がロヒンギャ問題の解決を支援する意向を示したのに対し、スー・チー氏は歓迎の意を伝えていて、人権問題には踏み込まない中国への接近が目立っています。


中国政府としては、ミャンマーへの経済進出も視野にミャンマーとの関係を強めたい思惑があると見られ、スー・チー氏の中国訪問は両国がさらに接近する機会となりそうです。


ミャンマーを訪れているフランシスコ法王は28日午後、首都ネピドーでアウン・サン・スー・チー国家顧問と面会しました。このあとフランシスコ法王は政府関係者や市民の代表を前に演説し、「ミャンマーの人々は長年にわたる紛争や敵対によって苦しみ続け、深く断絶されている。こうした傷をいやすことが政治においても、宗教においても最優先の課題であるべきだ」と述べました。


ミャンマーは、少数派のロヒンギャの人たちが隣国バングラデシュへの避難を余儀なくされている問題で国際的な批判を受けていて、フランシスコ法王もこれまで、ロヒンギャの人権の擁護を呼びかけてきましたが、28日の演説では、この問題には直接、言及しませんでした。


これに対し、スー・チー氏は法王の訪問に感謝の意を示したうえで、「問題の解決にはミャンマーの市民と私たちの成功を願ってくれる友人たちの支援が非常に重要だ」と述べ、理解を求めました。


ロヒンギャの人たちをめぐっては、ミャンマー政府が法律で認められた民族ではないとして、「ロヒンギャ」という表現を認めておらず、各国にもこの表現を使わないよう求めています。


また、法王の訪問を前に、ミャンマーカトリック教会で最も位の高い枢機卿が、法王に「ロヒンギャ」という表現を使わないよう求めていることを明らかにしていて、フランシスコ法王の演説はこうした事情に配慮したものと見られます。


フランシスコ法王は27日からミャンマーを訪れていて、29日は最大都市ヤンゴンで大規模なミサを行いました。ミャンマーは国民の9割が仏教徒ですが、会場となったスタジアムにはミャンマー各地から主催者の発表で15万人に上るキリスト教徒が集まりました。


西部のラカイン州では、少数派のイスラム教徒、ロヒンギャの人たちが隣国への避難を余儀なくされ、政府による人権侵害も指摘されています。
こうした中、フランシスコ法王は「皆さんが神の慈悲を知り、それを他者にも与える強さを見いだし、あらゆる傷やつらい記憶を癒やせますように。そうすることで和解と平和が訪れるでしょう」と述べ、民族の垣根を越えて思いやりの心で困難を乗り越えるよう呼びかけました。
ただロヒンギャの人たちをめぐる問題には直接は言及せず、ミャンマー国内で、ロヒンギャに対する根強い反発もある中、対立をかきたてず、平和へのメッセージを伝えることを優先したものと見られます。


参加した男性は「法王の姿が見られて感動しました。ミャンマーの平和とラカイン州の人たちのために祈っています」と話していました。