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皆さんは、「萌えみのり」や「つきあかり」といった品種を、聞いたことありますか?
スーパーや米屋ではほとんどお目にかかれない業務用の米です。

家庭以外で消費される米、例えばレストランなどの外食、コンビニなどの中食で使われる米は「業務用米」と呼ばれています。米の販売量の4割を占めていて、産地では今、この業務用に特化した米を作る動きが広がっています。

「萌えみのり」は、種もみを直接田んぼにまいて育てることができます。苗を育ててから水田に植える「田植え」をする必要がなく、そのぶん生産コストを抑えることができるのです。
また、より多く収穫できることを目指して開発された業務用米の品種は、ブランド米に比べて2割から3割多く収穫できます。
このため価格はブランド米に比べて1割安いものの、十分に利益をげられると言います。

地元の農協では、「萌えみのり」の生産によって、農家の収入を10%増やすことができたと説明しています。

JA栗っこの兵藤健一米穀販売課長は「当初は参入する農家がなかなか増えなかったが、今では大規模農家を中心に萌えみのりで安定した収益が得られると評価されるようになった」と話しています。

コシヒカリ」の一大生産地、新潟県も例外ではありません。
上越市とその隣の妙高市で「コシヒカリ」の生産を減らし、大半を業務用米に切り替えています。

地元の農協によりますと、ことしは栽培面積を去年の10倍、栗原市と同じ700ヘクタールに拡大したと言います。さらに来年には1000ヘクタールまで拡大する計画です。

JAえちご上越の石山忠雄常務は「消費者がいつまでも高い新潟のコシヒカリを買ってくれるとは限らない」と危機感をあらわにしていました。

ブランド米だけでなく、需要が拡大する業務用米も生産することが産地として生き残るには欠かせないというのです。

米の消費量は毎年8万トンずつ減っていて、10年後には今の生産量の1割がだぶつく計算になります。

しかし、生産現場を見渡すと、家庭用のブランド米を生産する動きが盛んなのに対して、業務用米が不足しているという不均衡な状態になっています。

農家は今まで以上に市場の変化を見据えて、米づくりをする必要があると言えそうです。そのためにも、農家自身が市場の情報を積極的に取りに行くことも重要です。

消費全体が減っていく中で、どのマーケットに商機を見いだすか、ブランド米の開発競争と並行して新たな競争が始まっています。