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スーパーなどでコメが品薄状態となる中、その背景として、ほかの作物への転作などを促してきた政府の政策を指摘する声も上がっています。これについて、坂本農林水産大臣は3日の会見で、長期的にはコメの需要は減少傾向にあるとして、従来の政策を継続していく考えを示しました。

政府は、人口減少などを背景に、コメの需要の減少傾向が続いていることから、水田で麦や大豆、家畜の餌用のコメなどを作る農家に対して補助を出し、主食用のコメから、ほかの作物への転作を促すなどの政策を行ってきました。

こうした政策の効果もあって、主食用のコメの生産量は、この5年間で60万トン以上減っていることから、今の品薄状態の背景として、政府の政策を指摘する声も上がっています。

坂本農林水産大臣は、3日の閣議の後の会見で、これまでの政策について「農業者や産地が、みずからの経営判断によって主食用のコメや麦・大豆など、需要に応じた生産を行うことを推進しているところだ」と述べ、消費者の需要に応じた作物の生産を推進してきたという認識を示しました。

そのうえで、「長期的には、主食用のコメは需要減の傾向にあるので、これまでの政策を推進していきたい」と述べ、主食用のコメの需要は長期的には減少傾向にあるとして、従来の政策を継続していく考えを示しました。

スーパーなどでコメが品薄となる中、取り引きに関わる事業者や団体の意見交換会農林水産省で開かれ、まもなく本格的に新米の流通が始まるといった報告の一方で、値上がりを懸念する声も上がりました。

農林水産省で行われた会合には、コメの生産者や集荷団体、それに卸売業者など20人余りが出席しました。

この中で農林水産省の担当者からはコメの在庫が去年の同じ時期を下回る中で、スーパーでの販売量が8月以降、急激に伸びている現状が報告されました。

これに対し、生産者や集荷団体からは、ことしの稲の生育はおおむね大きな問題はなく、まもなく本格的に始まる新米の流通に向けて、物流面なども含めて早く出荷できるよう体制を整えているといった報告がされました。

一方、卸売業者からは、販売価格が、去年は5キロ当たり1500円から2000円程度だったのに対し、ことしは3000円を超える高値となっているものもあり、このまま高値が続くと消費が冷え込むのではないかと懸念の声も上がっていました。

出席した卸売業者の担当者は「2週間ぐらいすれば店頭には新米が並ぶようになるので、いち早く店頭に届けられるよう、しっかりと仕事をしていきたい」と話していました。

大手スーパー コメ入荷で購入制限やめるところも

新米の収穫が始まる中、大手スーパーの中には新たにコメが入荷し、これまで行っていた購入制限をやめるところも出ています。

このうち「イトーヨーカ堂」では、全国の店舗で8月から購入できるコメの数をひと家族当たり1点のみに制限する対応をとっていて、現在もこうした対応を続けています。

一方で、ほかの大手スーパーでは、新米の入荷が進み、購入制限をやめるところもあるということです。

ただ入荷してもすぐに売り切れてしまうため、購入制限を続けているスーパーもあり、客の需要が供給を上回る状態が続いているということです。

また外食大手では、ロイヤルホールディングス」が、卸売会社やJAなど複数の契約先からおよそ1年分の在庫を確保しているということで、現時点で店の営業に影響はないとしています。

ただ、猛暑の影響などでコメの仕入れ値は上がると見込んでいて、ことしの年間を通じた仕入れにかかるコストは、去年よりもおよそ1億円増えると見込んでいます。

新米入荷も “安定確保は不透明” 山口

コメの品薄が続く中、山口市内のスーパーなどの店頭には新米が並び始めています。

山口市内で4店舗を展開しているスーパーマーケットでもしばらくの間品薄の状態が続いていましたが、4日午後、2日ぶりにコメを入荷ができ、店頭に並べられました。

4日に届いたのはことしの新米だということで、買い物客が手に取って買い求めていました。

ただ、入荷できた量は少なく、今後も安定してコメが確保できるかどうかは不透明だということです。

山口市の40代の女性は「いろんな店を探し回ってコメを買うためだけに来店しました。値段も高いので少しずつ買うようにしています」と話していました。

「新鮮市場 宮野店」の辻野裕介 店長は「希望する数量を入荷できずお客さんの需要に応えられない状況が続いている。今月下旬にはさらに入荷できる話もあるので、少しでも買い求めやすい値段で提供していきたい」と話していました。

北海道 米どころ東川町 初回収穫のコメは「1等米」

北海道の米どころとして知られる、東川町で今シーズン収穫されたコメの検査が始まり、初回はすべてが最も品質がよい「1等米」と判定されました。

検査は、東川町にあるJAの検査場で4日午前、行われ、8月30日に町内でことし初めて収穫された「ゆめぴりか」およそ2トンが運び込まれました。

JAの検査員はコメ袋からサンプルを取り出し、粒の色や大きさ、水分の量などを確認しました。

JAひがしかわによりますと、4日に検査されたコメはすべてが最も品質がよい「1等米」と判定されたということです。

JAひがしかわの牧清隆 組合長は「ことしの気候は安定して推移していて、平年並み以上の品質を期待している。全国でコメの需給がひっ迫しているなかで、いち早く東川町産のコメを全国の消費者に届けたい」と話していました。

東川町での稲刈りは、9月中旬に最盛期を迎えます。

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#米不足

外国産がおよそ3割を占める業務用の野菜について、加工会社の中には、海外からの調達リスクを踏まえて、国産の調達を増やす動きが出ています。

農林水産省によりますと、飲食店などに使われる業務用野菜のうち、外国産は、まとまった数量を比較的安く仕入れられることから、およそ20年にわたって全体の3割程度を占める状況が続いています。

こうした中、加工会社の中には、海外からの調達リスクを念頭に、国産の調達を増やす動きが出ています。

このうちカット野菜などを手がける「デリカフーズホールディングス」は、タマネギについて、国産より割安な中国産を多く仕入れてきましたが、新型コロナが拡大した際、安定的に入ってこなかったことなどを踏まえ、国産の割合を増やす方針です。

農家との長期契約や、物流の効率化などで仕入れ価格を抑え、現在、4割程度の国産タマネギの割合を、5年後の2029年ごろまでに8割程度に引き上げる考えです。

大崎善保社長は「さまざまな理由で輸入の止まることに備えて、日本でしっかり野菜を作ることが大事だ。価格差を埋める工夫など、生産者と一緒に考えていきたい」と話していました。

国産野菜の活用をめぐっては、農林水産省も、生産や卸、外食などの事業者が参加する協議会で、利用拡大に向けた対策を検討しています。

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#食事#おやつ#レシピ