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会議はADB=アジア開発銀行の年次総会に合わせて、4日朝、フィリピンのマニラで開かれ、日本からは麻生副総理兼財務大臣と日銀の黒田総裁が出席しました。


3か国は、いずれも貿易赤字に不満を持つトランプ政権との協議や、鉄鋼製品に高い関税を課す輸入制限措置への対応を迫られていて、会議終了後、発表した共同声明で「あらゆる保護主義に対抗していく」と明記しました。


さらに「ルールに基づく開かれた多元的な貿易・投資システムの重要性を強調し日中韓3か国の意思疎通と協調をさらに強めていく」として、貿易問題では足並みをそろえていくことで一致しました。


一方、声明では、先の南北首脳会談で合意された「パンムンジョム宣言を歓迎する」と明記し、「域内の地政学的リスクの緩和に向けたさらなる進展を期待する」として、朝鮮半島の完全な非核化に期待を示しました。


午後には、日中韓3か国とASEAN東南アジア諸国連合財務相中央銀行総裁会議も開かれ、貿易問題などをめぐって議論が続く見通しです。


日中韓3か国にとって、北朝鮮情勢はアジア経済の大きなリスクの1つでした。しかし、4日発表した声明にはこれまでにはない変化が見られました。


まず、先の南北首脳会談で合意された「パンムンジョム宣言を歓迎する」と評価。「地政学的リスクの緩和に向けさらなる進展を期待する」と書き込んで、緊張緩和の動きに期待を示しました。


その一方で、3か国が、そろって強い懸念を示したのが、アメリカ・トランプ政権の保護主義的な貿易政策です。トランプ政権は日中韓、いずれに対しても貿易赤字に不満を表明し、鉄鋼製品に高い関税を課す輸入制限措置への対応や、アメリカとの2国間の協議を迫ってきました。


このため、4日の声明ではトランプ政権の貿易政策を念頭に「あらゆる保護主義に対抗していく」ことで合意。さらにルールに基づいた自由な貿易や投資の枠組みこそが重要だと強調し、「日中韓3か国の意思疎通と協調をさらに高めていく」と明記しました。


日中韓3か国は、来週の9日、東京で首脳会議を開きます。それに先立って、貿易問題を中心に経済・金融面では、まず足並みをそろえる形となりました。


中国の孔鉉佑外務次官は、4日、北京で記者会見し、来週、9日に東京で開かれる日中韓3か国の首脳会議について、情勢が急速に変化している北朝鮮への対応に加え、経済や貿易をめぐり意見が交わされる、という考えを示しました。


そして、「反グローバリゼーションと貿易の保護主義が台頭する中、3か国が協力を強化すれば、地域の安定と開かれた世界経済の構築につながる」と述べ、保護主義に対抗するための協力を話し合いたい意向を強調し、貿易不均衡をめぐり対立するアメリカをけん制しました。


一方、孔次官は、李首相が今回、中国の首相としては7年ぶりに日本を訪問することについて、「日中関係を改善し発展させるための新たな力となり、今後の関係発展に向けた明確な方向を示すと信じている」と述べ、日中関係のさらなる改善につながることに期待を示しました。


安倍総理大臣は午後6時前から総理大臣公邸で、さきに、北朝鮮キム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長と会談した、中国の習近平国家主席と初めての電話会談を行っています。


この中で、安倍総理大臣は、南北首脳会談で発表された共同宣言に「朝鮮半島の完全な非核化」が盛り込まれたことを歓迎する意向を示したうえで、北朝鮮が、完全で検証可能かつ不可逆的な非核化に向けて具体的な行動をとるまで圧力を緩めるべきではないという考えを伝えるものと見られます。


そして、北朝鮮の非核化などの実現には、大きな影響力を持つ中国の役割が重要だとして、緊密な連携を呼びかけるものと見られます。


また、会談で、日中韓3か国の首脳会議に出席するため来週8日、中国の李克強首相が日本を訪れることを歓迎し、日中平和友好条約の締結40周年のことし、あらゆる分野での協力関係を発展させたいという考えを伝える方針です。


安倍総理大臣は、去年11月、ベトナムで開かれたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議の際に、習主席と会談して、必要に応じて電話会談を行うことで合意していました。