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朝鮮戦争の休戦協定が結ばれて65年となる27日、南北の軍事境界線にあるパンムンジョムの韓国側の施設で、アメリカ軍を中心とする国連軍が式典が開き、韓国軍の関係者などおよそ100人が出席しました。


式典であいさつした国連軍のウェイン・エイラー副司令官は27日、北朝鮮から朝鮮戦争で亡くなったアメリカ兵の遺骨の一部が返還されたことを取りあげ、「対話と協力で問題を解決しようとした、アメリカ、韓国、国連軍の取り組みの結果だ」と述べ、評価しました。


一方で、「戦争は中断されたが、北朝鮮軍とは対立が続いている状態だ」と述べ、北朝鮮との対立関係は解消されていないと強調しました。


また、これに先立ち、27日午前、韓国政府はソウル市内で元兵士や参戦国の外交団を招いた式典を開きました。


この中で、イ・ナギョン(李洛淵)首相は「いま『休戦』をこえて『終戦』を宣言しようという議論が行われている。韓国政府は、和解と協力の未来への道を開くために努力していく」と述べ、朝鮮戦争終戦宣言に向けた意欲を示しました。

北朝鮮は、朝鮮戦争の休戦協定が結ばれた27日、7月27日を「戦勝記念日」と位置づけていて、例年は、アメリカを非難する記事を相次いで出すなど、対決姿勢を鮮明にしていました。


去年は朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」に掲載した社説で、「滅亡の奈落に転がり落ちるのがアメリカの運命だ」と威嚇し、核・ミサイル開発を加速させる姿勢を強調していました。


ところが、史上初の米朝首脳会談の翌月に休戦の日を迎えたことしは、アメリカへの対決姿勢を示すことを控え、国営メディアもこれまでのところ米朝関係には言及しておらず、キム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長が朝鮮戦争の退役軍人と面会したことなどを繰り返し伝えています。


北朝鮮は27日、朝鮮戦争で亡くなったアメリカ兵の遺骨の一部を返還しており、アメリカ側がどのような反応をするのか注視しながら、今後の対応を探っているものとみられます。


アメリカのトランプ大統領は27日、ホワイトハウスで行った会見で、「キム・ジョンウン金正恩)委員長が、私との約束を守ってくれたことに感謝する」と述べて、先月の米朝首脳会談の合意を受けて、朝鮮戦争で死亡したアメリカ兵の遺骨の一部が北朝鮮から返還されたことに改めて感謝の意を表しました。


そのうえで「キム委員長が調査を行い、引き続き約束を果たすと信じている。兵士たちは近く、アメリカに帰ってくることになる」と述べて、今も行方がわからず北朝鮮に残されているとみられる5300人に上るアメリカ兵の遺骨について、北朝鮮側が調査を行い、返還することに期待を示しました。


また、マティス国防長官は27日、記者団に対して、行方不明の兵士について、北朝鮮側と共同で調査を行うため、担当者を北朝鮮に派遣することも検討していると明らかにしました。


来月1日には、ペンス副大統領が参加して、ハワイで遺骨の返還を記念する式典が開かれる予定で、首脳会談の合意を受けた遺骨の返還が、米朝の信頼の醸成につながり、非核化をめぐる交渉が進展するのか注目されます。


中国政府で朝鮮半島問題を担当する特別代表を務めている孔鉉佑外務次官は27日まで3日間の日程で北朝鮮を訪問し、27日夜、航空機で北京の空港に戻りました。北朝鮮の国営メディアは孔次官が滞在中、リ・ヨンホ外相や、リ・ギルソン外務次官と相次いで会談したことを伝えています。


会談の詳しい内容は明らかになっていませんが、朝鮮戦争の休戦協定が結ばれてから27日で65年の節目となることから、会談では、朝鮮半島の非核化についてや、北朝鮮アメリカに求めている朝鮮戦争終戦宣言についても意見を交わしたものと見られます。


終戦宣言は北朝鮮にとって体制の保証につながることから、アメリカに協議に応じるよう求めていますが、アメリカは非核化に向けた具体的な行動が先だとしていて、米朝の立場の隔たりが浮き彫りになっています。


こうした中、朝鮮戦争に参戦した当事者である中国としては自国を抜きに終戦宣言をめぐる協議が進むことがないよう、積極的に関与していく姿勢を示す狙いもあったものと見られます。