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中国はアフリカ各国との間で、「中国アフリカ協力フォーラム」を2000年から開催していて、3年ぶりとなる首脳会議が3日から2日間の日程で北京で始まります。


アフリカの53か国から首脳らが参加し、ことし中国で開催される最大規模の国際会議となります。開会式では、習近平国家主席が演説することになっています。


前回、3年前の首脳会議では、習主席は総額で600億ドル(当時の為替レートで7兆円)を超える資金の拠出を表明していて、今回も巨額の融資を打ち出すものと見られます。


経済成長と人口増加が続くアフリカをめぐっては、各国が進出競争を繰り広げていて、中国は巨大経済圏構想「一帯一路」への取り込みを目指し、インフラ建設などを通じて影響力を強めています。


ただ、アフリカの一部の国では、中国企業の進出によって地元の産業が影響を受けているほか、巨額の融資による債務が深刻になっているという懸念も出ています。


今回の首脳会議では、中国側がこうした懸念の払拭(ふっしょく)に努めながらアフリカとどのような関係強化の方針を示すのかも注目されます。

「中国アフリカ協力フォーラム」は、中国とアフリカ各国の関係強化について話し合う国際会議で、中国政府が主導して2000年に始まりました。


会議は3年に一回開かれ、2006年と2015年は首脳級に格上げされました。中国と国交があることが参加の条件で、アフリカ54か国のうち、台湾と外交関係があり、中国と国交のないエスワティニを除く53か国が参加しています。


会議は中国のアフリカ進出を象徴する外交イベントとなっていて、前回2015年に南アフリカで開かれた会議では、習近平国家主席がインフラ建設などの経済分野から安全保障分野に至る幅広い分野での協力の方針を打ち出しています。


融資などの名目で表明する拠出額も会議のたびに増えていて、2009年は100億ドル、2012年は200億ドル、前回2015年は600億ドルに上っています。


中国は今回の首脳会議のテーマとして、「中国とアフリカの運命共同体の建設」を掲げていて、中国が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」への取り込みを目指し、アフリカ各国との関係をさらに強化する狙いがあるものと見られます。

中国は長距離鉄道や高速道路などの大型のインフラ建設のため、アフリカ各国に対して巨額の融資を続けています。


アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の研究グループでは、中国政府や政府系の金融機関が、2000年から2017年にかけて、アフリカ各国の政府や国営企業に対して、合わせて1360億ドルを融資したとする調査結果をまとめています。


ただ、中国の融資について、アメリカの当時のティラーソン国務長官はことし3月、透明性に欠け、いわば借金づけにしているなどと批判しました。


こうした批判に対して、中国政府はアフリカへの融資は、インフラ建設など経済成長に役立っていると反論したうえで、「アフリカ各国の指導者からは高く評価されている」として、正当性を主張しています。

巨額の融資を通してアフリカへの影響力の拡大を図る中国について、南アフリカの大学で政治学を教えるウィリアム・グメデ教授は「ケニアアンゴラなど、アフリカのいくつかの国は、今では中国に対して最も多くの負債を抱えるようになった。しかし、残念なことにそうした借金で建設される建造物などは、必ずしも経済成長に結びついていない」と批判しました。


また、「中国の融資は欧米や国際機関と異なり、人権や環境への配慮といった条件がなく、決断も早いと言われるが、実際には中国企業の受注や中国製の機械の使用といった条件は存在している」と述べ、中国の融資に対し、歓迎一辺倒ではなく、厳しい視線も向けられるようになってきたと指摘しました。


その一方で、グメデ教授は「中国の進出に対するアフリカの受け止めに変化は出ているが、アメリカのトランプ政権がアフリカへの理解と関心が低く、関与しない中、結果的に中国にとって有利な状況になっている」と述べました。


こうした中、アフリカでの日本の存在感については、「アフリカには中国を始め、トルコやインドなども進出し、競争は激しさを増している。日本は経済成長につながる事業への融資や、民主的な社会の在り方を示すことで、存在感を示せる」と述べました。

今回の首脳会議には、アフリカ各国からメディア関係者が取材に訪れていて、中には中国当局の研修の名目で北京に長期滞在している記者も多くいます。


このうち、西アフリカのギニアビサウのテレビ局の男性記者は、中国当局から北京中心部の住宅を無料で提供され、日本円で毎月およそ10万円の生活費も支給されています。


10か月の研修期間中は、政府機関や企業への視察のほか、中国とアフリカの交流に関する取材機会が与えられるということで、男性記者は「アフリカでの中国のイメージを高める狙いがあるのではないか」と話していました。


また、中国の経済協力については一定の評価をしつつも、「一部のアフリカの指導者たちは、中国から融資を受ける際に条件などを公開していない」として、中国からの融資の実態が不透明だと指摘し、インフラ建設などと引き替えに、拡大する債務の現状について懸念を示していました。


そのうえで、今回の首脳会議で打ち出される今後の協力の計画については「アフリカ各国の国民に対して利益となるウィンウィンの協力を期待している」と話していました。

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