習主席 アフリカ各国に「一帯一路」への参加呼びかけ #nhk_news https://t.co/ehi2vLvNEb
— NHKニュース (@nhk_news) 2018年9月3日
中国・北京では、アフリカの53か国から首脳らが参加する「中国アフリカ協力フォーラム」の首脳会議が3日午後、始まりますが、これを前に習近平国家主席は、中国とアフリカの経営者らが参加する会議で演説しました。
中国国営の新華社通信によりますと、この中で習主席は中国が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」について「中国とアフリカの人々に幸福をもたらす共通の繁栄の道だ」と述べて、各国に参加を呼びかけました。
そして「中国は、アフリカへの投資にいかなる政治的な条件もつけず内政にも干渉しない」と述べて中国の立場を強調しました。
また、アフリカ各国との間でインフラ建設や貿易や投資にかかる手続きの利便性の向上などを進めるとしたうえで、アフリカ企業の中国への投資や、中国企業のアフリカへの進出を支持する考えを示しました。
中国は経済成長と人口増加が続くアフリカでも、各国を「一帯一路」の構想に取り込みたい考えで、習主席は会議に合わせて訪れたアフリカ各国の首脳との個別の会談でも積極的に参加を呼びかけています。
習主席 アフリカに総額6兆円余の資金拠出を表明 #nhk_news https://t.co/FsCfcwxBvW
— NHKニュース (@nhk_news) 2018年9月3日
中国・北京では、4日からアフリカの53か国の首脳らが参加する国際会議、「中国アフリカ協力フォーラム」が始まりました。
この中で、習近平国家主席は「中国はアフリカの永遠の友人でいかなる者も団結を壊せない。さらに緊密な運命共同体を築く」と述べて、融資などの名目で今後3年間で総額600億ドル(日本円6兆6000億円余り)を拠出すると表明しました。
中国は、3年前の前回の会議でも同じ額の拠出を表明していて、今後も中国が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」を通じて、アフリカで影響力を拡大していく姿勢を鮮明にしました。
そのうえで、習主席は、中国のアフリカへの融資をめぐり一部の国で債務が深刻になっているという懸念が出ている中、重い債務を抱える国などに対して年内に償還期限を迎える無利子の債務について返済を免除する考えを示し、こうした懸念にも配慮したものとみられます。
また、「いかなる者も想像や臆測で中国とアフリカの協力の成果を否定することはできない」と述べて、中国のアフリカへの関与に厳しい視線を向ける欧米諸国をけん制しました。
一方、会議の共同議長を務める南アフリカのラマポーザ大統領は、中国の巨額の資金の拠出を歓迎すると表明したうえで、「中国から技術やノウハウの移転を進め、アフリカでの産業化を進めていかなければならない」と述べて、中国の進出が一方的なものにならないよう中国側に注文をつけました。
今回の会議に合わせて、中国の習近平国家主席は、参加国の首脳と個別の会談も積極的に行っていて、2日までに、アフリカの30か国の首脳と会談しました。
中国外務省によりますと、各国の首脳との会談で習主席は、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に基づいてインフラ建設を拡大することや、農業などの幅広い分野で経済協力を進める考えを示したということです。
中国は、経済成長と人口増加が続くアフリカを有望な市場と位置づけているほか、国際社会の世論を味方につけるうえでも50を超えるアフリカ諸国との関係強化を重視していて、習主席みずからが積極的に2国間外交を進めることで影響力を拡大する狙いがあるとみられます。
習近平国家主席は、演説の冒頭で「新たにガンビアとサントメ・プリンシペ、それにブルキナファソがメンバーに加わった。きょうはそれぞれ代表団を率いて出席しているので熱烈な拍手で迎えよう」と述べて、前回の会議からの3年間に台湾と断交して中国と外交関係を結んだ3か国を拍手で迎える演出を行いました。
さらに演説の中で、重い債務を抱える国などに対して年内に償還期限を迎える無利子の債務について返済を免除する考えを示しましたが、対象の国について、「中国と外交関係がある国」とわざわざ強調しました。
アフリカでは、エスワティニ(旧国名:スワジランド)の1か国のみが台湾と外交関係を結んでいますが、中国は経済協力などを通じて台湾と外交関係のある国々の切り崩しを図る姿勢を鮮明にしています。
今回の会議でも、台湾と断交した国を手厚くもてなすことを強調して、「1つの中国」という考え方を受け入れていないとして批判している台湾の蔡英文政権をけん制するとともに、台湾と外交関係にある国々に対し、中国と外交関係を結ぶよう促す狙いがあると見られます。
会議の共同議長を務める南アフリカのラマポーザ大統領は、中国の習近平国家主席が表明した巨額の資金の拠出を歓迎すると表明したうえで、中国との協力関係はアフリカの開発目標を実現するためであり、「一部で言われているような、アフリカで新しい植民地主義が起きているわけではない」と述べました。
その一方で、中国がアフリカにとって最大の貿易相手国になっているものの、アフリカが天然資源などを輸出し、中国から工業製品を輸入している現状を指摘し、「貿易関係をバランスの取れたものに変えていく必要がある」と強調しました。
そして、そのためには「中国から技術やノウハウの移転を進め、アフリカでの産業化を進めていかなければならない」と述べて、中国の進出が一方的なものにならないよう中国側に注文をつけました。