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 けれども小池はこう切って捨てるだろうとも思った。「あざとくて何が悪いの?」と。まるで田中みな実のように。なぜなら彼女の成功は、周囲の美人礼賛主義、もっと言えば女子アナ礼賛主義的な目線があってこそである。その好奇心に満ちたスケベな視線を、自己アピールのために徹底的に利用した、もっとスケベ根性の強い人間が小池であり、田中なのである。あなたも大概スケベだけれど、私もおんなじだからいいじゃない。強い生き物より、変化し続けられる生き物が頂点に立つのよ。

 小池は初の女性総理候補とよく持ち上げられる。本人もまんざらでもないようだ。けれども、総理になって何を成し遂げたいかは語られない。その何を狙っているのかわからないところにも、底知れない気味の悪さが加わるのだろう。が、何を目指しているのか、本当は彼女自身もよくわかってないのではないだろうか。一生チヤホヤされていたい。そういう漠然とした欲望しか見えない。

 女子アナ礼賛主義が生み出した、進化し続け頂点を目指す元・女子アナたち。「添え物」から「バケモノ」へ、そして一体「何者」になっていくのだろうか。

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平野貞夫

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