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警視庁の33歳の男性職員が、庁内のシステムに不正にアクセスし、18万件を超えるファイルをコピーして自宅に持ち帰ったなどとして、不正アクセス禁止法違反などの疑いで書類送検されました。ファイルの中には、東京 世田谷区で21年前に起きた一家4人殺害事件などの捜査資料も含まれていたということです。

書類送検されたのは、警視庁の情報管理課に所属する33歳の主事です。

警視庁によりますと、去年、職場で庁内の情報管理システムに不正にアクセスし、およそ18万5000件に上るファイルを私用のUSBメモリーにコピーして自宅に持ち帰ったほか、不正なプログラムを作成して運転免許に関するおよそ26万人分のデータを削除し業務を妨害したとして、不正アクセス禁止法違反などの疑いが持たれています。

通信ログの解析などから主事の関与が浮上したということで、調べに対し容疑を認めているということです。

警視庁によりますと、持ち帰ったファイルの大半は人事に関する情報ですが、東京 世田谷区で21年前に起きた一家4人殺害事件などの捜査関係の資料も10%近く含まれていたということです。

ファイルを不正に持ち帰ったことについて、主事は「はじめは、みずからの昇任試験の結果を見るためだったが、やがて興味本位のままに、さまざまなファイルを見るようになった」と話しているということです。

また、データの削除については「上司から注意されたことで日頃の不満が爆発し、上司やチームを困らせようとした」と話しているということで、警視庁は6日、主事を書類送検するとともに懲戒免職の処分にしました。

ファイルの外部への流出は確認されておらず、削除されたデータも復元できたということで、警視庁は「警察職員としてあってはならない行為であり、誠に遺憾だ。業務管理の強化を通じて再発防止に努めたい」とコメントしています。

警視庁によりますと、主事は今回、大規模なシステム障害などが発生した時にしか使えない特別なIDとパスワードで、去年8月から12月にかけておよそ90回にわたり、不正なアクセスを繰り返していたということです。

主事は、このIDとパスワードを使う権限がありませんでしたが、おととし、システム障害の対応を手伝った際に入手したとみられるということです。

このIDなどは、人事情報や捜査情報などに幅広くアクセスできるため、本来は定期的に変更し、厳格に管理する必要がありますが、情報管理課では変更を行っていなかったということです。

警視庁は「管理がずさんだった」としたうえで、監督責任として主事の上司にあたる6人についても「警務部長注意」や「所属長訓戒」としました。

また、今後は一定の時間ごとに自動的に変更され、1度しか使えない「ワンタイムパスワード」を導入するなどして、情報管理を徹底するとしています。

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