https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

嬴政
「毐国は、このまま膨張し続ければ、いずれ破綻する。その時は、俺も打倒呂不韋のことばかり考えていたが、母の苦しみを止めてやるのも俺の役目なのかもしれぬ。血を分けた実の子としての役目だ」

嫪毐
「よく考えれば恐ろしいことだ。この私がいつの間にか王などと呼ばれている。何の取り柄もなかったこの私が、下級文官の家に生まれ、幼い頃は体が大きいだけで体力もなく頭も悪く苛められていた。成人しても勇気がなくて戦場にも行かなかった。当然女性にも相手にされず、何とか父の人脈で下級文官となれたけど、やはりそこでも才覚なく、やることと言えば夜な夜な上級中級文官たちの接待で下品な芸を披露するだけだった。でも、それがきっかけになって、偽りの宦官となり後宮に潜り込み、何と太后様のお相手をすることに。始めの頃は恐ろしくて堪らなかった。毎夜、鬼のように乱れ狂う太后様が。しかし、ある夜、私は見てしまった。快楽に顔を歪めながら、太后様が涙を流しておられたのを。その瞳を見て、愚鈍な私も分かった。このお方は酷く傷ついておられるお方なのだと。私などが想像もできないほどきっと誰よりも深く傷つき、その傷口がずっと塞がらずに苦しんでおられるのだと。私はただ苦しみの吐口に呼ばれた。だが、それで構わない。たとえ、ただの男娼としてでも喜んで頂ける。私は初めて必要とされている。そして、畏れ多くも私は太后様のことが…」

d1021.hatenadiary.jp

「そなたの心内は兎も角、わしの心はずっとそなたのところにあった。荘襄王にそなたを献上した時も、趙に置き去り見殺しにした時も、変貌した醜悪さに眉を顰めた時も、実はなあ、美姫よ、舞台でそなたを見て花を送ったあの時から、わしは変わらずずっとそなたを愛している。後にも先にもそなた一人であろう。真に我が心を奪った女は。我が美姫よ、さらばだ。どうかここで静かに余生を過ごせ」
「別れではあるが、わしは最後まで愛しているぞ、美姫よ。たとえ、これからさらにそなたに恨まれることになろうともな」

d1021.hatenadiary.jp

#テレビ