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イギリスの高等法院は26日、内部告発サイト「ウィキリークス」創設者ジュリアン・アサンジ被告(52)のアメリカへの身柄引き渡しをめぐって、米政府が事前に、被告に言論の自由があることと、死刑に処さないことを保証する必要があるとの決定を出した。

アサンジ被告については、2010~2011年に数千件の機密文書を公開し、情報機関の工作員の名前を明かすなどして人命を危険にさらしたとして、米当局が起訴している。

アメリカはイギリスに身柄の引き渡しを求めており、英高等法院が2021年12月、これを認める判決を出した。2022年6月には当時のプリティ・パテル英内相が、アサンジ被告を18件の罪状について裁判にかけるためアメリカに引き渡すことが可能だと決定した。

被告弁護団はこれを不当だとし、裁判で争っている。

高等法院はこの日、身柄引き渡しに関する最終判断を3週間延期すると決定。米政府に対し、今回の保証の要求に応じる時間を与えるとした。

また、それらの保証が得られなければ、アサンジ被告はアメリカへの引き渡しに反対する上訴が新たに可能だとした。

アサンジ被告の弁護団は、一連の裁判を「国家による報復」の一種だとしている。

被告の妻ステラ・アサンジ氏はこの日の決定後、ジョー・バイデン米大統領に「この恥ずべき裁判を取り下げる」よう求めた。

被告の支持者らは、被告によるリークを、アメリカの犯罪性を暴露したものと評価している。

オーストラリア国籍のアサンジ被告は、ロンドンのエクアドル大使館に保護を求めることで、アメリカへの身柄引き渡しを避けていた。しかし、2019年にロンドン警視庁に逮捕されて以来、イギリスの刑務所で拘束されている。

アサンジ被告は、アメリカで死刑になる犯罪には問われていない。しかし弁護団は、反逆罪やスパイ罪など死刑が適用される罪状で将来、起訴される恐れがあるとしている。その証拠として、ドナルド・トランプ米大統領がアサンジ被告の死刑を支持する発言をしたことを挙げている。

米政府は、アサンジ被告が死刑となりうる罪には問われていないと繰り返し指摘している。また、裁判で有罪とされた場合にはオーストラリアでの服役を認めると、裁判所に確約している。

被告弁護団は、有罪とされた場合には最高で175年の禁錮刑を受けるとしている。一方、米政府はこれまで、4~6年の禁錮刑となるが可能性が高いとしている。

今後3週間以内に、米政府が英高等法院から求められた保証を被告に与えれば、身柄引き渡しに関する最終審理は5月20日に行われる見通し。

アサンジ被告は、身柄引き渡しに反対する今回の上訴が認められなければ、イギリスでの法的手段を使い果たすことになる。その場合、残るは欧州人権裁判所への提訴となる。

米国で軍事外交機密漏えいなどの罪に問われて英国に収監されている内部告発サイト「ウィキリークス」創設者ジュリアン・アサンジ被告(52)は、米国への身柄引き渡しが一時保留されることになった。英高等法院が26日、米移送に関して被告が死刑判決を受けることはないと米国が保証するよう要求したためだ。

被告が機密を暴露したのはスパイ防止法に違反するとして米国の検察が起訴し、引き渡しを要求。英政府は昨年、米国への移送を承認したが、被告の弁護団が今年2月に異議を申し立てていた。

こうした中で英高等法院は、米国側がこの問題で「満足できる保証」を提示しなければ、被告の申し立てを認めて本格的な審理を開始すると説明した。

一方で、この事案が政治的動機に基づいており、被告は決して公正な裁判を受けられないという弁護団の主張は退けた。

被告側は今後英国で米移送阻止が認められなかった場合、欧州人権裁判所に申し立てを行うとみられている。

イギリスで収監されている告発サイト「ウィキリークス」の創設者、アサンジ被告について、イギリス政府はアメリカへの引き渡しを承認しましたが、26日、イギリスの裁判所は本格的な審理を行うかどうかの判断を保留し、すぐにはアメリカに移送されないことになりました。

告発サイト「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アサンジ被告は、アメリカ政府などの機密情報をネット上に公表し、不正アクセスに関わった罪などでアメリカ当局に起訴され、現在は別の事件でイギリスで収監されています。

アメリカ側が身柄の引き渡しを要請しており、イギリスの裁判所はおととし移送を命じ、イギリス政府も承認しました。

これを不服とするアサンジ被告側が申し立てを行い、先月、控訴審を行うかどうかの審理が行われました。

そして26日、ロンドンの高等法院この判断を保留すると明らかにしました。

アメリカ側に対して被告に死刑を科さないことなどを求めたことを理由としてあげています。

これによってアサンジ被告はすぐにはアメリカに移送されないことになりました。

アサンジ被告の妻のステラさんは記者団に対し、被告の一刻も早い解放を訴えました。

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