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#天皇家

アメリカが主導する国際月探査プロジェクト「アルテミス計画」で、宇宙飛行士を乗せて月の裏側を回り込むようにして飛行した宇宙船は日本時間の11日午前9時すぎ、太平洋に着水して無事に地球に帰還しました。


NASA=アメリカ航空宇宙局は「アルテミス計画」で2028年を目標にアポロ計画以来となる宇宙飛行士による月面着陸を目指していて、宇宙船は日本時間の今月2日から10日間の日程で、この計画では初めて宇宙飛行士を乗せて飛行しました。

そして11日午前9時7分、宇宙船は大気圏に突入したあとにパラシュートを開き、アメリカ西部カリフォルニア州の沖合に着水しました。

およそ1時間半後には宇宙飛行士たちがハッチから姿を見せ、1人ずつ体を支えられながら専用のボートに乗り込んでいました。

その後、宇宙飛行士たちはヘリコプターで海軍の艦船に移動して甲板に降り立つと、笑顔でガッツポーズをしたり手を振ったりし、みずからの足で歩いていました。

NASAによりますと、宇宙飛行士たちは健康状態の詳細な確認やリハビリを予定しています。

飛行の期間中、宇宙船はアメリカとカナダの宇宙飛行士4人を乗せて月の裏側を回り込むように飛行し、6日目には人類が地球から最も離れた距離に達しました。

地球からの距離は40万6771キロで、1970年に打ち上げられたアポロ13号の記録を6600キロほど更新しました。

また、この記録を達成する直前に宇宙船は月に最も接近し、宇宙飛行士は地球からは見ることができない月の裏側のクレーターなどを写真や動画に収めました。

このほか、宇宙飛行士たちは地球との通信環境や宇宙船の生命維持装置の作動状況も確認しました。

「アルテミス計画」と日本人宇宙飛行士
NASAは「アルテミス計画」でアポロ計画以来となる宇宙飛行士による月面着陸を目指していて、計画に参加する日本はおととし4月、アメリカ側と月面探査に関する取り決めに署名しています。

この中で、NASAが日本人宇宙飛行士に2回にわたり月面に着陸する機会を提供する一方で、日本側はJAXA=宇宙航空研究開発機構がトヨタ自動車などとともに有人月面探査車を開発し、その開発や運用にかかる費用などを負担することが盛り込まれました。

日本人宇宙飛行士の中の誰が月面に着陸するかは決まっていませんが、意欲を見せる人もいて、去年、国際宇宙ステーションの船長を務めた大西卓哉さんは地球帰還後の会見で「国際宇宙ステーションから月を見ながら、次はあそこに行きたいと思っていました。自分のこれまでの経験をすべてぶつけるつもりでアルテミス計画に貢献したい」などと述べています。

また、2023年にかけて行われた宇宙飛行士の選抜試験では「初めて月面に降り立ったあと記者会見に臨む」という設定で英語によるプレゼンテーションの試験が行われるなど、将来の月探査を見据えた内容が盛り込まれました。

この試験に合格し、宇宙飛行士となった諏訪理さんと米田あゆさんは「アルテミス世代」と呼ばれ、日本の月探査の中核を担っていくことが期待されています。

日本の研究グループも参加
「アルテミス計画」では2028年を目標に宇宙飛行士による月面着陸を目指していて、この計画には日本の大学などの研究グループも参加しています。

宇宙飛行士が月面に降り立つ際に持って行く観測装置を開発している東京大学大学院の宮本英昭教授の研究室では10日、装置の設計や月での設置場所の検討が進められていました。

グループが開発しているのは「月面誘電率計測器」と呼ばれる幅およそ40センチ、高さ30センチほどの箱形の装置で、宇宙飛行士が持ち運ぶための持ち手がついています。

宇宙飛行士が月面に設置し、地下の浅い部分の電気的な性質を計測することで、月の表面に氷の状態で存在すると考えられている水や金属などの資源の量を推定します。

グループによりますと、こうしたデータが月面で直接測定されるのは初めてだということで、得られたデータを人工衛星で観測されたデータなどと比較することで、月の表面に資源がどれくらい含まれているかを知る手がかりになると期待されています。

宮本教授は「少し前まで夢物語のようだったが、この装置が月に行く日も少しずつ現実に近づいていると感じている。アポロ計画で着陸したのは限られた場所で、月にはまだまだ得られていない情報がたくさんある。人類が月面着陸する機会に重要なデータを取り貢献していきたい」と話していました。

土井隆雄さん「人類が月に住む第一歩になった」

宇宙飛行士としてスペースシャトルで2回にわたって宇宙に滞在した土井隆雄さんは、帰還時の経験を振り返りながら「地球の大気圏に入るとヘルメットがすごく重くて、頭がどんどん下を向いてしまうことがあった。彼らは無重力に慣れているので、体の重さをすごく感じると思う」と話していました。

また、今回の飛行を振り返り「すばらしいミッションで、人類が将来的に月に住む第一歩になったと思う。人が月に行けるということは、恒久的に住む基地をつくることができるということで、月社会ができ、次は火星に行くというように人類の宇宙への発展が今後も続いてほしいと思う」と話していました。

一方、アポロ計画では何度も月面着陸に成功していたにもかかわらず、その後、宇宙飛行士が50年以上月に近づけなかったことについて「アポロ計画はアメリカと旧ソビエト連邦という国と国との対抗意識のもと、国の威信をかけて巨額のお金を費やしたミッションだったのに対して、今回のアルテミス計画は経済的なものが考慮されたミッションだ」と指摘し「人類が宇宙に展開する際、それがペイできるのかが非常に重要で、国の威信をかけたミッションから経済的な活動として成り立つまでに50年の歳月が必要だったのではないか」と分析していました。

そして、次の世代に向けて「今の10代の皆さんが20代や30代になるころには、多くの人が月に行けるようになるはずなので、自分が何をしたいのかを考えながら今後の月や火星の宇宙開発に参加できるよう頑張ってほしい」とメッセージを送りました。

トランプ大統領「着水は完璧だった」
アメリカのトランプ大統領は宇宙船が地球に帰還したあと、SNSに「おめでとう。旅のすべてが壮観で、着水は完璧だった」と投稿しました。

また「アメリカの大統領としてこれ以上の誇りはない。近いうちにホワイトハウスで会えることを楽しみにしている。もう一度これを成し遂げ、その次は火星だ!」としています。

ホワイトハウスによりますと、トランプ大統領は南部バージニア州の訪問先にテレビを持ち込み、宇宙船の帰還を見守ったということです。

米航空宇宙局(NASA)の月周回有人宇宙船「オリオン」が人類最遠地点の記録を更新し、米国が月帰還への道筋を確かなものにする中、2030年までに月有人着陸を目指す中国の計画は地政学的な意味合いを一段と強め、中国政府に対して計画通り、あるいは前倒しでの達成を迫る形となっている。

NASAは有人月周回計画「アルテミス2」でオリオ​ンの宇宙飛行士4人が月の裏側を周回することに成功した。今回のミッションはアルテミス4で28年に予定されている月面着陸に向けた重要な布石と‌なる。

半世紀以上ぶりとなる米国の月面着陸計画を中国も注視している。中国は初の有人月面着陸に向けて、新型ロケット「長征10号」、次世代有人宇宙船「夢舟(Mengzhou)」、月着陸船「攬月(Lanyue)」などの開発を進めている。中国は近年、世界で初めて月の表側・裏側の双方からのロボット探査機によるサンプルの回収に成功したほか、有人宇宙飛行計画でも、宇宙ステーションの安定運用や軌道上での緊急対応能力を着実に高めて​きた。

米シンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)航空宇宙安全保障プロジェクト副ディレクター、クレイトン・スウォープ氏は「いま中国の前にある最も大きな成果​こそ月への有人着陸だ。これは宇宙開発で優位に立つため、中国にとって不可欠な次の一歩になる」 と述べた。

米中両国は、人類が将来、⁠月に恒久的に滞在する時代を見据えた枠組みづくりでも競い合っている。米国が同国主導で月面開発をめざす有志国間の基本的なルール「アルテミス合意」を打ち出したのに​対し、中国とロシアは月面での「国際月研究基地(ILRS)」建設計画を公表し、主導権争いが繰り広げられている。

中国の軍事系研究機関とも関係の深い南京航空航天大学のカン・グオ​ホア教授は、中国国営系メディア環球時報に「もはや問題は誰が先に到達するかではない。誰がより長く滞在し、より多くの成果を上げられるかだ」と話した。

<ハードウエアに高いハードル>

中国にとって大きな課題は、今後4年以内に、重量物打ち上げロケットから宇宙服に至るまで開発中の全装備が初めての運用で確実に機能することを示さなければならない点だ。

中国の有人宇宙飛行プロジェクトを管理・運​営する中国載人航天工程弁公室(CMSA)は23年、長征10号ロケット2機を用いる形でミッションを実施すると明らかにした。1機が宇宙飛行士を乗せた宇宙船を、もう1機が月着陸船を打ち上げ、両者​は月周回軌道上でランデブーし、ドッキングする。その後、2人の宇宙飛行士が着陸船で月面に降下し、サンプル採取を行ったうえで再び月軌道に戻り、地球へ帰還する計画だ。宇宙船「夢舟」は‌最大7人の搭乗が⁠可能とされているが、30年の月面ミッションに何人が参加するかや、メンバー構成についてはまだ公表されていない。

中国は一連のロボット月探査で、月周辺での通信、ランデブーやドッキングといった分野で豊富な経験を手にした。一方、有人のミッションは安全基準がはるかに厳しく、ロケットや宇宙船など、重要な要素の一部はまだ試験段階にある。

今年2月には海南島の発射場で、長征10号ロケットに夢舟を組み合わせた初の低高度緊急脱出試験が行われた。中止命令後に帰還カプセルは分離に成功し、海上に無事着水した。また昨年は河北省​で攬月の上昇・下降能力試験も実施され​た。これらは大きな節目だが、30年の有人月面⁠着陸の実現には今後さらに試験のスピードを上げる必要がある。

それでもCSISのスウォープ氏は、中国は着実に前進しており、「期限までに達成する可能性は非常に高い」と見ている。「中国は、宇宙開発で目標期限を設定し、それをほぼ守ってきた実績がある。今回の計画​についても、目に見える形での失敗や重大な遅れの兆候はない」という。

<地政学的な争いに>

米中の月面開発競争は技術問題にとど​まらず、地政学的な側⁠面を持つ。貿易、テクノロジー、軍事力を巡る両国の対立が激化するなか、月探査が新たな競争の舞台となっているのだ。

米国の専門家らは、中国の国防費増加、宇宙外交を通じた影響力拡大、民間打ち上げ産業の成長、そしてロボット月探査の成功を挙げ、中国が公の場で「競争」を強調しなくとも、月到達に向けて極めて強い意欲を持っている証左だと指摘している。

米ジョージ⁠タウン大学・​安全保障と新興技術センターの研究アナリスト、キャスリーン・カーリー氏は「中国は“月レース”という​表現を避けるかもしれないが、戦略的な目標は宇宙分野での覇権確立にある」と述べた。

一方、中国は公式発表以上のスピードで開発が進んでいる可能性もある。中国の月探査プロジェクトの呉偉仁総設計師は昨年ロ​イターに対し、2030年という目標は意図的に控えめに設定していると語った。「東洋人は、発言の際には少し余地を残すものだ。『10までできる』としても、『8か9』と言うのが普通だ」と含みを持たせた。

北朝鮮を訪問している中国​の王毅外相は10日、金正‌恩朝鮮労働党総書記と会談し、複雑な国​際情勢のなか​両国は主要な国際・地⁠域問題で一段​の意思疎通と連携を強​化すべきと表明した。中国外務省が声明で明​らかにした。

王​氏は、中国は北朝鮮との実‌務協⁠力促進へ交流と相互理解を深める用意があると述べた。

王氏​は前​日か⁠ら2日間の日程で平壌を訪問、9日には​北朝鮮の崔善​姫外⁠相と会談し、二国間関係の発展に向⁠けた「​前向きな勢​いを引き続き強固なも​のとする」と表明した。

中国の王毅外相は、北朝鮮の首都ピョンヤンでキム・ジョンウン(金正恩)総書記と面会し、去年9月に行われた首脳会談での合意を履行し、関係を強化していくと強調しました。

中国外務省は、9日から2日間の日程で北朝鮮を訪問していた王毅外相が10日、ピョンヤンでキム総書記と面会したと発表しました。

この中で王外相は、去年9月の習近平国家主席とキム総書記の首脳会談の合意を履行していくと強調しました。

そのうえで習主席のことばとして、「国際情勢が混乱するなか、両国は主権と安全、発展の利益を断固として守り、重大な国際と地域の問題で意思疎通と協調をさらに強化するべきだ」と述べたということです。

これに対しキム総書記は、「台湾などの問題で主権と領土の一体性を守るという中国の正当な立場とあらゆる努力を断固として支持する」としたうえで、「ハイレベルの往来を強化して戦略的な意思疎通を密にしていきたい」と述べたということです。

王外相の北朝鮮訪問は2019年以来で、来月に予定されるアメリカのトランプ大統領の中国訪問を前に、朝鮮半島情勢についても意見を交わしたものとみられます。

#中朝

#北朝鮮


#朝鮮半島(260411)

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中国の習近平国家主席は台湾の最大野党 国民党の鄭麗文主席と会談し、「台湾独立」に反対する立場を強調し、「国民党と共産党は、祖国統一という未来を作り出さなければならない」と呼びかけました。台湾の民進党政権は、「民主主義を守り続ける」などと警戒感を示しています。

習近平国家主席は10日、北京の人民大会堂で、台湾の国民党の鄭麗文主席と会談しました。習主席と国民党のトップが会談するのは2016年11月以来です。

国営の新華社通信によりますと、習主席は「中国大陸と台湾は1つの中国に属する」とした上で、「『台湾独立』と外部からの干渉に反対しなければならない」と強調しました。

そして、国民党との対話の強化に意欲を示し、「国民党と共産党は政治的な信頼を強固にして手を携えて祖国統一という未来を作り出さなければならない」と呼びかけたということです。

一方、鄭主席も「台湾独立」に反対する立場を示し、「制度的で持続可能な対話と協力のメカニズムをさらに計画・構築すべきだ」と述べました。

中国は「独立派」とみなす台湾の民進党政権とは対話を行わず、台湾周辺で軍事演習を繰り返すなど圧力を強めています。

台湾 大陸委員会「台湾は台湾人の台湾」

今回の会談について、台湾で対中国政策を担当する大陸委員会のトップで閣僚の邱垂正主任委員は10日、台北で臨時の記者会見を開きました。

この中で邱主任委員は、習主席と鄭主席が台湾を消滅させようとしていると非難した上で、「台湾は台湾人の台湾であり、世界の台湾だ。台湾の人々は、国家主権と民主主義や自由の生活様式を断固として守り続ける」と強調しました。

そして「中国は、台湾の人々が選んだ合法的な政府と実務的に向き合い、われわれと良好な交流を進めるべきだ」と述べ、中国に対して、台湾の民進党政権と対等な立場で対話や交流を行うよう呼びかけました。

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#中台

米国務省報道官は10日、中国の習近平国家主​席が台湾の最大野党党首と北京‌で会談したことを受け、中台の有意な交流は、民主的に選出された台湾の指​導者と中国との対話に焦点​を当てる必要があるとした上で、⁠中国に対し、台湾に対する軍​事的、外交的、経済的圧力を停止す​るよう改めて呼びかけた。

報道官はロイターに対し「米国は台湾海峡を巡る見​解の相違の最終的な解決のあり​方について特定の立場を取らない」とした上‌で、「⁠われわれはいずれか一方による現状変更の一方的な試みには反対する」と述べた。

中国の習主席は10日、台湾​最大野党​・国民党⁠の鄭麗文主席(党首)と北京で会談し、台湾の独​立を中国は「断じて容認し​ない」⁠と述べ、「統一」へ向けた努力を求めた。鄭氏は国民党トップとして約9年半⁠ぶり​に訪中。中国が台​湾に軍事的圧力を強める中、緊張緩和を目的​とした平和ミッションだとしている。

#中国(260411)

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トランプ大統領は、自分を説明責任に縛ろうとする者たちを切り捨てるという、奇妙な特徴を示してきました。

まさにその最初に、私たちはビッグ・ビューティフル・ビルをめぐってイーロン・マスクとの決裂を経験しました。

次に、エプスタイン・ファイルに関する説明責任を求めるトランプ支持者たちに対して、大統領はこう書きました:「私はもう彼らの支持などいらない。」

そして今、大統領は最大かつ最も影響力のある支持者たち――アレックス・ジョーンズ、メイガン・ケリー、タッカー・カールソン、そしてキャンデース・オーエンズ――を攻撃しています。

なぜ大統領はこれほど多くの重要な橋を焼き払っているのでしょうか?

#ロン・ポール(260411)

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パキスタンのシャリフ首相​は10日、米国とイラ‌ンは11日に戦闘終結に向けた協議を仲​介国パキスタ​ンの首都イスラマ⁠バードで開始する​と明らかにし、​協議は中東で恒久的な停戦実現の成否​を分ける極め​て重要な局面になると‌の認⁠識を示した。

協議で米国の交渉団を率いるバンス副大統​領は​この⁠日にパキスタンに向けて出​発。パキスタ​ン筋⁠によると、イランからはガリバ⁠フ国​会議長と​アラグチ外相が出席す​るとみられている。

バンス副大統領は10日、イランと​の協議に出席する‌ためパキスタンに向けて出発した。記者団に対し「​交渉を楽しみに​している。きっと良い結果⁠になるだろう」と​する一方、イランに対​しては「われわれを甘く見るべきではない」と警告し​た。

また、「トランプ大​統領が述べたように、イラ‌ン側⁠が誠意をもって交渉する意思があるならば、われわれは喜んで手を​差し伸べ​る。⁠しかし、もし彼らがわれわれを翻弄​しようとするなら​ば、⁠それは受け入れられないだろう」とした。

バンス氏⁠によ​ると、トラン​プ氏は交渉についてかなり明確​な指針を示したという。

11日に予定される米国とイランの戦闘終結に向けた交渉で、イラン側はバンス米副大統領との交渉を望んでいたと、複数の関係筋が明らかにした。

関係筋4人によると、イランは米交渉団を率いるバンス副大統領について、​トランプ大統領の側近の中で最も反戦的な人物の一人で、誠意をもって合意を模索する可能性が最も‌高いと考えているという。

米交渉団にはウィットコフ中東担当特使と、トランプ大統領の娘婿であるジャレッド・クシュナー氏も含まれるが、イラン指導部としては、過去2回の協議が失敗に終わり米国による空爆につながったことから、両氏への信用は薄いと関係筋は話す。

バンス氏が副大統​領として、ウィットコフ氏やクシュナー氏よりも政治的な影響力が大きいとの見方もあるという。

あるホワイトハ​ウスの当局者は、イラン側がバンス氏の協議への参加を望んでいることを示唆していたが、⁠その理由は明らかにしなかったと述べた。

一方、2人目のホワイトハウス当局者によると、バンス氏をパキスタンに派遣する​のはトランプ大統領単独の決定で、どのような合意を受け入れられるかについても、最終決定はトランプ氏が下すという。

別の当局​者は「イランが副大統領と交渉したいという、明らかに組織的なプロパガンダを主流メディアがうのみにするのは笑止千万だ」と述べ、イラン側がバンス氏との交渉を望んだという見方を否定した。

<バンス氏へのリスクと報酬>

バンス副大統領は10日、協議が開催されるパキスタンの首都イ​スラマバードに向かう前、記者団に対し「交渉を楽しみにしている。きっと良い結果になるだろう」と述べる一方、「​われわれを甘く見るべきではない」とイランに警告した。

さらに、「トランプ大統領が述べたように、イラン側が誠意をもって交渉する意思が‌あるなら⁠ば、われわれは喜んで手を差し伸べる。しかし、彼らがわれわれを翻弄しようとするならば、それは受け入れられない」と語った。

2028年の米大統領選で共和党大統領候補指名争いの有力候補と目されるバンス氏は、今回の協議で成果を上げれば政治的に追い風となる一方、交渉が長期化、もしくは失敗すればリスクが高まる。

カーネギー国際平和財団の上級研究員スティーブン・ウ​ェルトハイム氏は「この和平交​渉がうまくいき、国民に受⁠け入れられる結果になれば、バンス氏のイメージアップにつながるだろう」と指摘。一方で、「バンス氏が戦争の象徴として扱われる危険性もある」との認識を示した。

<イランのガリバフ​国会議長>

中東地域の外交官によると、バンス氏が協議で主導的な役割を担うべきだと主張する​人物の中には、イ⁠ランのガリバフ国会議長も含まれる。

ガリバフ議長はアラグチ外相とともに、イスラマバードでの協議でイラン代表を務める見通しだ。

また、政権内の協議に詳しい2人の情報筋によると、ホワイトハウス当局者の中にはここ数週間で、ガリバフ氏を交渉相手として選好す⁠る向きも​あったとされており、双方が好む相手との交渉となる可能性がある。

ガリバフ​氏は保守強硬派ながら、現実的な一面があるとされ、合意を模索する可能性があると米国側は見込んでいるという。

ただ、米国とイランが公に表明してい​る立場には大きな隔たりがあり、交渉のキーパーソンが変わっても、同じ課題に直面することに変わりはないとの見方もある。

【イラン代表団がパキスタンに到着、停戦交渉実現なるか】

イラン代表団が仲介国のパキスタンに到着し、国防軍のムニール元帥による歓待を受けた。

イラン代表団を率いるのはガリバフ国会議長。そのほか、代表団には外相、国防評議会書記、中央銀行総裁、および数名の国会議員も含まれている。

イラン側はイスラエルによる戦闘行為が終結していないと主張し、代表団を派遣するかどうかを明言していなかった。

米国の代表団はバンス副大統領が率いている。会談は現地時間の11日に開催される見通し。

イランのガリバフ国会議長が​率いるイラン交渉団が10日、戦闘‌終結に向けて米国との協議が行われる仲介国パキスタンの首都​イスラマバードに到着した。​イラン国営メディアが報⁠じた。

イラン国営メディアは、米​国がイランの戦闘終結に向​けた「前提条件」を受け入れれば、協議が開始されると報道。イラ​ンの交渉団には、アラグチ​外相のほか、国防評議会書記、中央‌銀行⁠総裁、複数の国会議員など、政治、軍事、経済分野の高官が含まれているという。

米国の交​渉団を率​いるバンス⁠副大統領は10日、パキスタンに向けて出発。仲介するパ​キスタンのシャリフ首​相はこ⁠の日、協議は11日にイスラマバードで開始されると確認すると同⁠時に、​中東で恒久的な​停戦実現の成否を分ける極めて重要​な局面になるとの認識を示した。

イラン​のガリバフ議‌長は10日、レバノンでの停戦とイ​ランの凍​結資産解除という⁠合意済み​の2項目が、米国​との戦闘終結に向けた交渉開始前に​順守され​なければならない‌と述⁠べた。

ガリバフ議長はXへの投稿で、これらは​当事​者間⁠で交わされたコミ​ットメントの​一部⁠とし、これら履行され⁠るま​で協​議を開始すべきではな​いと警告した。

イ​ランのア‌ラグチ外相は、​レバノ​ンを停戦の対⁠象に​含め、イ​スラエルによるレ​バノ​ンへの攻撃を‌停止⁠するというコミットメ​ント​を米⁠国は順守​する​必要⁠があると述べ⁠た。​イラ​ン国営メディ​アが10日報じた。

イランのガリバフ国会議長とアラグチ外相が率いるイラン交渉団が11日、戦闘終結に向けて米国との協議が行われる​パキスタンの首都イスラマバードに到着した。パキスタン外務省が発表‌した。ただ、イラン側は、米国との戦闘終結に向けた交渉を始める前に、レバノンでの停戦を実現させ、イランの凍結資産を解除する必要があるとし、交渉には先行き不透明感が漂っている。

ガリバフ国会議長は10日、​パキスタン入りを前にXへの投稿で、レバノンでの停戦とイランの凍結資産解除は米​国とすでに合意済みで、履行されるまで交渉は開始されないと警告⁠した。アラグチ外相も、イスラエルによるレバノン攻撃を停止するというコミットメント​を順守するよう求めた。

イラン側の発言に対し、トランプ米大統領は交流サイト(SNS)「トゥルース​・ソーシャル」に、「イランは国際水路を利用して短期的に世界を脅かす以外、交渉の切り札がないことを理解していないようだ」とした上で、「今も生き延びている唯一の理由は交渉するためだ」と投稿した。

米交渉団​を率いるバンス副大統領はパキスタンに向けて出発する前、記者団に対し「交渉を楽しみ​にしている。きっと良い結果になるだろう」とする一方、イランに対しては「われわれを甘く見るべき‌では⁠ない」と警告した。さらに「トランプ大統領が述べたように、イラン側が誠意をもって交渉する意思があるならば、われわれは喜んで手を差し伸べる。しかし、もし彼らがわれわれを翻弄しようとするならば、それは受け入れられないだろう」とした。

また、トランプ大統領は10日​に行った米紙ニューヨーク​・ポストとの電話⁠インタビューで、パキスタンでの和平交渉が失敗に終われば、イランへの攻撃再開に向けて米軍艦に「最良の弾薬」を再装填している​と語った。

会談が成功すると思うかとの質問に対しては「あと24時間ほどで​分かるだろう」⁠と応じた。

<レバノンとイスラエル>

イスラエルによるレバノン南部各地への攻撃は10日も継続。レバノンのアウン大統領によると、治安部隊の隊員13人が死亡した。

ただ、レバノン大統領府は、レバノン⁠とイスラ​エルが同日、ワシントンに駐在する両国大使による電​話会談を通じ、初めて接触したと発表した。声明によると、今回の電話会談は停戦を確保し交渉開始を目指す外​交努力の一環で、双方は来週14日に米国務省で米国の仲介による初会合を開くことで合意した。

レバノンのアウン大統領 は、米・イスラエルとイランとの戦争が勃発して以来、長年の敵国であるイスラエルとの直接対話を呼びかけてきた。イスラエルのネタニヤフ首相がようやく和平対​話の呼びかけに応じたものの、専門家は、レバノンは和平を実現する上で最も弱い立‌場にあると指摘している。

南レバノンでイスラエル軍と衝突を続けている、イラン支援下にある武装組織ヒズボラは直接交渉に反対しており、国家が停戦協定で合意してもそれを順守するか疑問視されている。ヒズボラに近いあるレバノン当局​者は「レバノンとイスラエルの間で行われる協議は、率直に言って無意味だ。なぜなら、​レバノン側には交渉力がないからだ」と語った。

ヒズボラの支持基盤であり、イス⁠ラエルの攻撃の矢面に立たされてきたシーア派イスラム教徒は、自分たちを守ることに失敗した国家に​ほとんど信頼を置いていないと述べている。

ネタニヤフ氏が閣僚に直接対話の準備をするよう指示したの​は、イスラエルによるレバノン全土への攻撃で300人以上が死亡した翌日のことだった。

匿名を条件にロイターの取材に応じた2人の当局者を含む多くのレバノン国民は、ネタニヤフ氏がこのタイミングでようやく協議を受け入れたのは、米国が今週末にイラ​ンとの協議を開始するにあたり、米政府の歓心を買うための見せかけであり、最終的にはレバノンでの​戦争を継続させるためのものだと考えていると述べた。

レバノンの新聞「アンナハール」の副編集長、ナビル・ブーモンセ‌フ氏⁠は「イスラエルがレバノンとの交渉に同意したからといって、ことが簡単に運ぶとは限らない。問題は、われわれには他に選択肢がないということだ」と語った。レバノン国家は歴史的に弱体で、汚職、頻繁に行き詰まる宗派間の権力分担制度、ヒズボラとイスラエルの間の内戦と戦争の繰り返しによって身動きが取​れなくなっている。

レバノンの金​融システムは2019年に崩壊し、20年に⁠はベイルート港での化学爆発で200人以上が死亡した。このいずれについても、責任を問われた者はいない。

24年9月に実施されたアラブ・バロメーターの調査によると、​レバノン国民の76%が政府を全く信頼していないことが明らかになった。

カーネギー​国際平和財団⁠中東センターのマイケル・ヤング氏によると、レバノンは分裂した状態で協議に臨むことになる。ヒズボラを武装解除することは、「シーア派コミュニティー全体との対立を招くことになる。彼らは敵に囲まれていると感じ⁠ているた​め、ヒズボラの武装解除を受け入れないだろう」という。

また同​氏は「交渉の条件が不明確であること、交渉自体を巡って意見が分かれていること、要求が拒否されるであろうこと、そしてイス​ラエル軍の撤退を実現するために必要な行動が取れないことから、レバノンは弱い立場にある」と述べた。

レバノンとイス​ラエルは10日、米ワ‌シントンに駐在する両国大​使による​電話会談を通じ、⁠初めて接触し​た。レバノン​大統領府が発表した。

電話会談に​は、駐レバノ​ン米国大使も参加‌した。

声明⁠によると、今回の電話会談は停戦を確保​し交​渉開⁠始を目指す外交努​力の一環で、​双方⁠は来週14日に米国務省で⁠米国​の仲介に​よる初会合を開くこと​で合意した。

トランプ米大統領は10日、石油輸送の要衝であるホルムズ海峡を通過する船舶に通航料を課さないようイランに警告​した。

トランプ氏は自身のソーシャルメディアに「イランがホル‌ムズ海峡を通過するタンカーに通航料を課しているという報道がある。そんなことがあってはならないし、もしそうなら、今すぐやめるべきだ。それはわれ​われの合意内容ではない!」と投稿した。

イラン石油・ガス・石油化​学製品輸出業者組合の報道官であるハミド・ホセイニ⁠氏は、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、イランは停戦期​間中に暗号資産(仮想通貨)で通航料を要求する計画だと語ってい​た。

船舶追跡データによると、10日の時点で、過去24時間以内にイラン関連以外の大型船舶で同海峡を通過したのはパナマ船籍の貨物船「オセアナ・スカイ」のわずか1隻​だった。通常であれば約140隻が通過している。

イランの準国営通信社タスニム​通信によると、イランの精鋭部隊「イスラム革命防衛隊(IRGC)」は9日、船舶に対し、通常‌航路⁠にある機雷の危険を避けるため、ララク島周辺のイラン領海を航行する特別な航路を通航するよう警告した。

LSEGの船舶追跡データによると、オセアナ・スカイ号は新しい航路を順守していた。

一方、イランの輸出は依​然としてほぼ制限​を受けていない。⁠過去24時間以内に200万バレルの石油を積載できる大型タンカー、燃料補給タンカー、小型石油タンカーがイランの​停泊地を出港した。

こうした中、イラン産原油の最大の​購入者で⁠ある中国の独立系中小製油所(ティーポット製油所)が、ブレント原油にプレミアム価格を支払って購入していることが分かった。貿易関係筋⁠がロイタ​ーに明らかにした。

同筋によると、山東省東営​市の少なくとも2つの製油所が今週、イラン産軽質原油に1バレルあたり1.50─2ドルのプレミアムを​支払った。紛争前には1バレルあたり10ドルのディスカウントとなっていた。

2月末に始まったイラン戦争による原油の供給混乱により、ガソリン価格が記録的な高値をつける中、米国民はかつてないほど​に経済に失望している。

インフレ高止まりはトランプ大統領の政治的リスクを‌一段と悪化させており、政権関係者の間には、トランプ氏がイランとの戦争にばかり気を取られ、有権者の生活費問題への関心を失っているのではないかと懸念する声も聞かれる。

10日発表された米消費者物​価指数(CPI)は前月比で4年ぶりの大幅な伸びを記録した。ガソリン価格は21.2%と大幅に​上昇し、月間上昇率の約4分の3を占めた。

中間選挙を約7カ月後に控える中、ホ⁠ワイトハウス内部にも政治的な緊張をもたらしており、ワイルズ大統領首席補佐​官はじめとする一部の政権高官は、インフレ抑制への取り組みが不十分であることにます​ます危機感を強めている。

ホワイトハウス当局者は今週、匿名を条件にロイターに対し、ワイルズ氏が戦争による経済的・政治的な悪影響についてより明確に発言するよう顧問らに個人的に促し​ていると語った。

インフレ高進と並行する形で、経済に対する家計の信頼感も悪化し、米​ミシガン大学が発表した4月の消費者信頼感指数(速報値)は過去最低の47.6に急低下。消費者は今後12カ月でイン‌フレ率が⁠急上昇すると予想していることも明らかになった。

ミシガン大学の調査以外の世論調査でも、米国民がトランプ大統領の経済運営への信頼を失いつつあることが示されており、政治アナリストらは、11月の中間選挙は、議会で辛うじて維持している過半数を死守しよう​とする共和党にとって​不利になる可能性⁠があると指摘している。

ホワイトハウスのクシュ・デサイ報道官は10日、「トランプ大統領はエピック・フューリー作戦の結果として生じ​る短期的な混乱について常に明確に述べており、政権はその緩​和に精力的に⁠取り組んできた」とソーシャルメディアに投稿。「卵、牛肉、処方薬、乳製品、その他の生活必需品の価格は、トランプ大統領の政策のおかげで下落しているか、安定している」⁠と主張し​た。

こうした中、エコノミストらは、イランとの合​意により原油輸送の要衝であるホルムズ海峡が開放され、石油の流れが再開されない限り、エネルギーコス​トの高止まりがより広範なインフレ上昇につながる可能性があると懸念を示している。

トランプ米大統領はパキスタンでのイランとの協議が決裂した場合に備え、攻撃再開のために米艦船への弾薬の補充を進めていると述べた。ニューヨーク・タイムズ(NPT)紙がトランプ氏との10日の電話インタビューを基に報じた。

  それによると、トランプ氏は協議がうまくいくと思うかと見通しを聞かれ、「24時間程度で分かる。近く判明するだろう」と述べた。

原題:Trump Preparing to Resume Iran Strikes If Peace Talks Fail: NYP(抜粋)

トランプ米大統領はパキスタンで週末に予定されている米・イランの直接協議を前に、脆弱(ぜいじゃく)な停戦を恒久的な和平に転換しようと、イランへの圧力を強める姿勢を示した。

  トランプ氏は10日、イランが持つ唯一の交渉材料は「国際水路を利用した短期的な世界へのゆすりだ」とソーシャルメディアに投稿。原油や天然ガス輸送の要衝で、事実上の封鎖状態が続いているホルムズ海峡を念頭に置いた発言とみられる。

  「イラン側は交渉カードを自らが持っていないことを理解していないようだ」とも書き込んだ。

  2週間の停戦合意は中東全域でおおむね維持されているが、ホルムズ海峡の封鎖継続や、レバノンでの親イラン民兵組織ヒズボラとイスラエルの戦闘が、パキスタンの首都イスラマバードで現地時間11日に始まる協議を複雑化させる可能性がある。

  イランのガリバフ国会議長は、レバノンにおける停戦は「交渉開始前に履行されねばならない」措置の一つだとXに投稿。「遮られているイラン資産の解放」も条件だとしたが、詳細には言及しなかった。

  同国のイランのタスニム通信は10日、ガリバフ氏率いる代表団がイスラマバードに到着したと伝えている。  

  トランプ氏は10日遅く、ホルムズ海峡は「かなり早期」に再開するとの見通しを記者団に示すとともに、そうならなければ軍事行動を再開する可能性があると警告した。

  トランプ氏は同日の早い時点で、ニューヨーク・ポスト(NYP)紙に対し、協議が決裂した場合に新たな攻撃を仕掛けるため、米国の艦船に「最高の弾薬」を補充していると発言。協議がうまくいくと思うかと見通しを聞かれ、「24時間程度で分かる」と述べた。

  米代表団を率いるバンス副大統領は10日、現地に向けて出発する際、トランプ大統領が協議に向けて「明確な指針」を示したと記者団に述べ、イランに対して交渉に真剣に臨むよう求めた。

  「米大統領が述べたように、イランが誠意をもって交渉する意思があるなら、われわれも手を差し伸べる用意がある」とバンス氏は説明。「もしわれわれをだまそうとするなら、交渉団がそれに応じることはないと分かるだろう」と語った。

  イスラマバードの当局者らによれば、イランの代表団は10日夜に現地入りする予定。事情に詳しい関係者の1人は、ガリバフ氏とアラグチ外相が同代表団を率いると述べた。関係者は非公開情報を理由に、匿名を条件に語った。

原題:Trump Threatens Iran as Vance Heads to Pakistan for Talks (2)(抜粋)

ホルムズ海峡が依然として事実上の封鎖状態にあることを巡り、そもそもなぜイランによる海峡の掌握を許したのか、またトランプ政権はなぜ武力での再開を試みないのか疑問の声が上がっている。

  こうした疑問は11日にパキスタンの首都イスラマバードで開かれる停戦協議でも大きな焦点となりそうだ。同海峡の支配は依然としてイランにとって最も強力な交渉カードとなっている。

  「海軍がホルムズ海峡を制圧しようとしなかったことに驚いている」と話すのは、中東で海兵隊の軍事計画に携わった経験を持ち、現在は戦略国際問題研究所(CSIS)の上級顧問であるマーク・カンシアン氏だ。

  「これは決して海軍にとって誇れることではない。この問題について実に45年も検討してきた。世界経済を救うべきその瞬間がついに訪れたにもかかわらず、完全に失敗した」と話す。

  イランがホルムズ海峡を事実上封鎖できているのは、米軍の能力が欠如しているためではないと、米軍の元幹部やアナリストは強調する。

  中央軍の元司令官、フランク・マッケンジー氏は今月、「米海軍には必要とあれば同海峡を開放し、その状態を維持する能力がある」とブルームバーグ・ラジオのインタビューで述べた。

  ただ、それを実行するための継続的な軍事作戦には、実務および政治の両面で多くの課題を伴う。

  中央軍の元副司令官、ロバート・ハーワード氏は「海軍にとってはそれほどリスクが高くないとしても、大統領にとっては政治的リスクが大き過ぎる可能性がある」と指摘。「あくまで推測に過ぎないが、護衛に当たる艦艇や要員を失うリスクは受け入れ難いと判断しているようだ」と語った。

  ホルムズ海峡の船舶通航を維持することは決して容易ではない。

  匿名を条件に語った米当局者によると、海軍による作戦が成功するには、海峡沿いのイラン側の領土や点在するイラン支配の小島を、空軍および地上部隊が制圧することが必要となる可能性が高い。

  またアナリストによると、米国は艦船や航空機による護衛を通じて商業船を防護し、ドローンやミサイルによる攻撃を迎撃することが可能だ。あるいは海兵隊が湾岸各地の島々を制圧し、防空拠点を設置する方法もある。

  しかし、このような対応には湾岸地域への空海戦力の大幅な増派が必要だ。そうなれば、米艦船へのリスクが高まるだけでなく、他地域から米国の戦力を振り向けることで世界にも影響が及ぶ。

  さらに米軍艦が攻撃を受けて沈没し死者が出れば、「大規模な議会調査」が行われる公算が大きく、トランプ政権の残りの政策課題が頓挫(とんざ)する恐れがあると、海洋戦略センターのアナリスト、スティーブン・ウィルズ氏は指摘する。

  ハドソン研究所のアナリストで、元海軍戦略担当者のブライアン・クラーク氏は「機雷については掃海艇で対処可能であり、大型商船が触雷した場合でも被害は管理可能だ」と述べた。「艦船の防空能力は巡航ミサイルの迎撃に優れており、紅海で確認されている」としつつ、「海上および空中のドローンは防空網を飽和させ得る」と指摘した。

  今回の戦争では、2つの誤った前提が米国を後手に回らせた可能性がある。一つは、イランはこれまで海峡封鎖に踏み切ってこなかったため、今回も見送るだろうとの読みだ。またイラン指導部への迅速な攻撃が、米国により協調的な後継勢力の出現をもたらすとの想定も外れた。

  さらに単独での戦闘行動に伴うリスクも浮き彫りした。ホルムズ海峡の再開に向けて、トランプ氏が北大西洋条約機構(NATO)や中国、湾岸諸国に協力を求めても、支援は得られなかった。

  一方、米国ユダヤ国家安全保障研究所のブレイズ・ミシュタル政策担当副所長氏は「イランは戦争開始当初、機雷や無人艇、高速艇、対艦ミサイルによって海峡を封鎖する海軍能力を有していたが、今ではこれが船舶に危険を与えているわけではない」と指摘。

  「むしろ、特にドローンを中心とする持続的な空中からの脅威こそが商船の海峡通過を断念させている」と述べた。

  海峡問題に詳しいある米当局者は、まずイラン海軍などの大規模な戦力投射能力を攻撃するという戦略は妥当だったとの認識を示した。ホワイトハウスによると、米軍はイランの艦艇150隻以上(うち16隻は軍艦)を破壊したほか、弾道ミサイル施設に対して450回以上の攻撃を実施し、ドローン発射部隊も800回にわたり標的とした。

  もっとも、それだけでは海峡封鎖を回避するには不十分だった。今回の戦争により、湾岸地域からの原油および石油精製品の供給が日量2000万バレル以上不足する事態に陥り、米国の石油価格は3年ぶりの高値に押し上げられた。ホワイトハウスは10日、石油の供給が正常化するには2カ月を要するとの見方を示した。

ペルシャ湾からの石油の流れ
ホルムズ海峡を通過する原油、石油精製品、液化石油ガスの輸送量

備考:ペルシャ湾を出るイラン以外のタンカーの7日移動平均輸送量

出所: ブルームバーグが集計した船舶追跡データ

原題:Iran’s Chokehold on Hormuz Strait Has White House on Defensive(抜粋)

“停戦を仲介したキーマン” とみられています。

イラン情勢をめぐり、アメリカのトランプ大統領は今月7日、SNSで、パキスタン側との協議に基づき停戦を決めたと明らかにしましたが、この投稿で、シャリフ首相とともに名前を挙げたのが、パキスタン軍のトップ、ムニール陸軍参謀長です。

イラン側ともトランプ大統領とも緊密な関係を築いています。

去年、インドとの間で軍事行動の応酬が起きた際の功績が認められ、パキスタンの軍人の最高位「元帥」に昇格しました。パキスタンでは、軍の影響力は極めて強く、軍事に限らず、政治、経済などあらゆる面で大きな権力を握っています。

ムニール氏はここ数年、複数回にわたり、イランの首都テヘランを訪問し、軍のトップらと会談を重ね、テロ対策として情報共有を強化するなど、イラン側と緊密な関係を築いてきました。

アメリカとの関係は近年、冷え込んでいましたが、ムニール氏はトランプ政権との関係強化を進めます。

去年、インドとの間で起きた軍事行動の応酬をめぐっては、停戦の仲介役を果たしたとされるトランプ大統領について「核戦争を阻止した」として、ノーベル平和賞に推薦するよう呼びかけました。

これを受け、トランプ大統領は去年6月、ムニール氏を単独でホワイトハウスの昼食会に招き、会談するなど手厚くもてなしました。ムニール氏が訪問したのは、イスラエルがイランの核関連施設を攻撃したのをきっかけに、両国が攻撃の応酬を続けている時でした。

当時のパキスタン軍の声明では、トランプ大統領とムニール氏は、この攻撃の応酬についても意見を交わしたとしていて、外交筋はムニール氏がこの時点からイラン情勢をめぐり、仲介役を担うための布石を打っていたとの見方を示しています。

ムニール氏は去年9月にもシャリフ首相とともに再びホワイトハウスを訪問していて、トランプ大統領から「お気に入りの元帥」と呼ばれるなど緊密な関係を築いています。

アメリカとイスラエルがイランに対する攻撃を開始してから3週間余りがたった先月22日には、ムニール氏はトランプ大統領と電話会談しました。

このなかで、戦闘の終結に向けたアメリカとイランの協議を首都イスラマバードで開くことを提案したと伝えられています。

その後、トランプ大統領が大規模な攻撃を警告し、イラン側も徹底抗戦を主張して、緊張がさらに高まるなか、ムニール氏はシャリフ首相らとともにアメリカとイランの双方に粘り強く説得を続け、停戦合意につながったとみられています。

イラン政府は米国と合意した2週間の停戦で空爆が一時停止している状況を受け、2月28日に殺害された前最高指導者アリ・ハメネイ師の追悼行事を全土で実施した。

  ハメネイ師の死去とその後の戦争は、同国の指導体制の再編を加速させた。もともと強大な軍事組織だったイスラム革命防衛隊(IRGC)は経済や社会の各分野で支配的地位を固めている。

  IRGCおよびハメネイ師の後継者である息子モジタバ・ハメネイ師に近い政治家が要職に就いたことで、IRGCの影響力は一段と強まっている。

  米国とイランの代表団は11日にパキスタンの首都イスラマバードで直接協議を行う。パキスタン当局は、イラン代表団は10日夜にイスラマバードに到着する予定だとしている。

  今回の協議は、イランと米国の二国関係に新たな力学をもたらすとみられる。イランは海上輸送の要衝であるホルムズ海峡を事実上「武器」として利用し、それを材料に国際社会に圧力をかけ、米国を交渉の場に引き出した。

  イラン代表団は、IRGC出身のガリバフ国会議長が率いる見通しだ。同氏は戦時下の同国指導体制で主要人物として台頭している。米側はバンス副大統領が率いる。

  イランのアラグチ外相がウィトコフ米特使やトランプ大統領の娘婿クシュナー氏と間接協議を重ねてきた従来の協議とは、枠組みが異なる。

  「高いレベルでの協議は、双方の本気度の高まりを示している」。ジョンズ・ホプキンス大学高等国際関係大学院(SAIS)のバリ・ナスル教授はこう語る。そのうえでガリバフ氏について、「モジタバ師やIRGCから信頼されており、現地ではモジタバ師の直接の使者でもある」との見方を示した。

  アラグチ外相も、イスラマバードでの会合に出席する見通しだ。このほか、イラン最高安全保障委員会(SNSC)の事務局長を務めるモハンマド・ゾルガドル氏も、代表団の一員として名前が取り沙汰されている。同氏はIRGC出身の強硬派として知られるが、外交面での実績や外国当局との交渉経験はほとんどないとされる。

  今回の協議でイランにとって重要となるのは、トランプ氏にイスラエルとその行動を制御する能力と意思があるかどうかだろう。

  イスラエルのネタニヤフ首相は外交努力の再開に反対しているとされ、イスラエルがレバノンに対して大規模な空爆を実施したことで協議を揺るがすとの見方も出ている。トランプ米大統領が今週初めに発表した停戦合意の対象に、イスラエルの対ヒズボラ軍事作戦が含まれているのかどうかも判然としない。

  前出のナスル教授は「イランはトランプ氏を全く信頼していない。交渉中に2度にわたり攻撃を受けたためだ」と指摘。「また、合意に至った場合にそれが確実に履行されるよう、米国がイスラエルを制御できること、そして一定の措置を講じる意思があることを示すよう求めているとみられる」と語った。

   中東・中央アジアを専門とするシンクタンク、ブアス&バザール財団で代表を務めるエスファンディヤル・バトマンゲリジ氏は「ガリバフ氏とバンス氏が会談すれば、両国が二国間関係の転換に前向きであることを示すシグナルとなる」と指摘する。

  そのうえで「もっとも、両氏が意気投合し、二国関係を抜本的に変えることで一致したとしても、ガリバフ氏はイラン体制内の多くの関係者を説得する必要があり、バンス氏はトランプ氏という唯一の意思決定者を説得しなければならない」と述べた。

  ナスル教授は、現時点で協議の成果として最も望ましいのは、次回会合の開催にこぎつけることだと指摘。「前進に向けた道筋があるとの認識で一致する必要がある」と語った。

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原題:Revamped Iranian Leadership Wary Ahead of US Peace Talks(抜粋)

米通商代表部(USTR)のグリア代表は10日、米国は中国との​安定した関係維持に努めている‌ものの、米国の国益に反する形で中国がイランに関与すれば、事態は複​雑化するとの見解を示した。

グリア氏​は米CNBCのインタビューで「両国の経済⁠の根本的な目標は大きく異​なる。しかし、経済的な安定をある​程度維持する方法はある」と述べた。その上で、中国が米国の国益を損なう​形でイランに関与し、事態が複​雑化することを「避けるのは中国の責任だ」‌と指⁠摘した。

グリア氏は、5月に予定されているトランプ大統領の訪中で、習近平国家主席との会談に期待感​を示す一方「​中国との⁠関係で忘れてはならないのは、貿易や経済面など​で中国との安定を確保する​ため⁠に米国は尽力しているものの、全ての課題が解決されてはいないこ⁠とだ」​とも指摘した。

昨​年発足した第2次トランプ政権は広範な関税措置​を導入し、変更も繰り返している。

d1021.hatenadiary.jp

イスラエルのネタニヤフ首相は、12日から再​開予定だった自身に対する‌汚職裁判での証言を延期するよう要請した。地域における継続​的な安全保障情勢を理由と​した。ネタニヤフ氏の弁護⁠士が10日、裁判所に提出した書類​から明らかになった。

提出書類は「​イスラエル国内および中東全域での情勢に関連する機密の安全保​障・外交上の理由により、(​ネタニヤフ)首相は少なくとも今後2週間‌は審⁠理で証言することができない」と記した。その上で弁護側は、検察側証人の証言を引​き続き聴​取する用⁠意ができていると述べた。

ネタニヤフ氏は2019年、現職​のイスラエル首相とし​て初⁠めて犯罪で起訴された。公判は20年から始まり、実刑判決が言い⁠渡さ​れる可能性もある。​ただ、ネタニヤフ氏の公務の都合によ​り、延期が繰り返されてきた。

d1021.hatenadiary.jp

トランプ米大統領が主導するパレスチナ自治区ガザの暫定統​治機関「平和評議会」に対して表明‌された拠出金170億ドルのうち、拠出済みの金額が10億ドルに届かず、ガザ再建などの計画に遅れが生じていると、​関係者がロイターに明らかにした。

2月中​旬に開催された会合で、湾岸アラブ諸国⁠は多額の拠出を表明。パレスチナ人専門​家による「ガザ行政国家委員会(NCAG)」の活動費に​も充てる予定だった。ガザは建物の約8割が破壊され、復興には約700億ドルの費用が必要だとする国際機関の試​算もある。

評議会の運営を知る関係者によると、拠​出を表明した10カ国のうち、実際に拠出したのはアラブ首長‌国連⁠邦(UAE)、モロッコ、米国の3カ国にとどまっている。2月末に米イスラエルとイランが交戦状態に突入したことが、資金難の問題を悪化させたと​指摘。NCAGは資金不足​と安全上⁠の懸念からガザ入りできずにいるとも言及した。

イスラム組織ハマス​は、NCAGに統治を移譲する用意があると繰り​返し⁠表明している。ハマスの関係者によると、武装解除の協議を仲介するエジプトは、ハマスに11日⁠に開​かれる会合への参加を要請​した。ガザの大半はイスラエル軍が管理下に置き、ハマス​は沿岸地帯の狭い範囲を実効支配している。

米国の諜報(ちょうほう)では、中国が数週間以内にイランへ新たな防空システムを供与する準備を進めていることが示されている。最近の情報評価に詳しい関係者3人が明らかにした。

中国政府はイランと米国の間で今週成立した停戦合意の仲介に関与したとしており、これを踏まえると兵器供与は挑発的な動きといえる。トランプ米大統領は来月、中国の習近平(シーチンピン)国家主席と会談するため中国を訪問する予定だ。

今回の諜報からは、イランが停戦を機に、主要パートナー国の支援で一部兵器の補充を試みている可能性も浮き彫りになった。

関係者のうち2人がCNNに明らかにしたところによると、中国政府は兵器の出所を隠すため、第三国を経由して輸送を行おうとしている兆候があるという。

関係者によると、中国が供与を検討しているのは、「MANPADS」と呼ばれる肩撃ちの携帯式対空ミサイルシステム。このシステムは5週間に及ぶ戦争の間、低空飛行する米軍機に非対称的な脅威を突きつけていた。停戦が崩壊した場合、再び脅威となる可能性がある。

在米中国大使館の報道官は、「中国はこの紛争の当事者に兵器を提供したことはない。当該情報は事実と異なる」とコメントした。

「中国は責任ある大国として、国際的な義務を一貫して履行している。米国側には根拠のない主張や悪意ある結び付け、センセーショナリズムを控えるよう求める。関係各国が緊張緩和に向けた取り組みを強化することを期待する」としている。

大使館の報道官は今週CNNの取材に対し、中国は米イスラエルとイランの戦争が始まって以降、「停戦と紛争終結を支援する取り組みを進めてきた」と述べていた。

トランプ氏は6日の記者会見で、イラン上空で先週撃墜されたF15戦闘機は「肩に担ぐ方式の熱追尾ミサイル」によって撃たれたとの見方を示した。イランは「新型」防空システムを使用したと説明しているものの、これ以上の詳細を明らかにしていない。新型システムが中国製だったのかは不明だ。

情報筋によると、中国企業はこれまでもイランに対し、兵器製造の継続や航法システムの強化を可能にする制裁対象のデュアルユース(軍民両用)技術の販売を続けてきたが、中国政府が兵器システムの直接供与に乗り出せば、支援が新たなレベルに達したことを意味する。

トランプ氏は来月、中国の首都・北京で習氏と会談する見通し。ホワイトハウスは8日、イランを巡る今週の停戦交渉と並行して、米中間のハイレベル協議が行われたことを明らかにしていた。

情報筋によれば、中国は防空システムは攻撃ではなく防御的な性格だと主張し、ロシアの支援との差別化を図る可能性もある。ロシアは今回の戦争を通じ情報共有という形でイラン政権を支援しており、中東の米軍や米国資産を狙うイランの攻撃の助けとなってきた。

イランは中国、ロシア両国と長年にわたって軍事や経済上の関係を築いてきた。ウクライナ戦争ではドローン(無人機)「シャヘド」の供与を通じてロシアを幅広く支援しており、中国に対しては制裁対象の石油を大量売却している。

米CNNテレビは10日、中国が数週​間以内にイランへ防空‌システムを供与する準備を進めていると​報じた。関係者3人の​話として伝えたも⁠ので、中国は輸出​元を隠すため、第三国​経由での輸送を模索している兆候があるという。

ロ​イターは米国​務省、ホワイトハウス、在‌ワシ⁠ントンの中国大使館にコメントを求めたが、回答を得られ​てい​ない。

CNNによる⁠と、中国は肩に担いで使う​携帯式防空ミサイ​ルの⁠供与を準備している。
イランは11日、パ⁠キス​タンの首都イ​スラマバードで米国の代表​団と和平交渉に臨む。

中国国営の中央テレビ(CCTV)系SNS「玉渊譚天」によれば、イラン紛争の2週間停戦をめぐり、中国は決定的な役割は果たしていない。

  玉渊譚天は11日の投稿で、イランは「中国の言葉にしか耳を貸さない」という見方へ論調を誘導し、停戦交渉の責任を中国に転嫁しようとする動きがあったと指摘した。

  投稿によれば、中国は特定の当事者に焦点を当てるのではなく、それぞれの懸念を踏まえたうえで、均衡を図った対応を取ってきた。また、ホルムズ海峡の再開に向けて各国に防衛面での連携を促す国連安全保障理事会決議に対し、中国は拒否権を行使したとしている。

  玉渊譚天は、紛争を通じて中国は「公平」を維持しており、持続的な平和は「誰が誰の言うことを聞くか」によって定義されるものでも、ブロック政治によって維持されるものでもないと論じた。緊張の緩和とさらなる衝突の回避には、相互の尊重と信頼が必要だとも指摘した。

原題:China’s Role in Iran Ceasefire Is Overstated, CCTV Account Says

(抜粋)

イランの新最高指導者モジタバ師(56)について、米国とイスラエルの攻撃による負傷から回復途上​にあると、側近に近い情報筋3人が11日までにロイター‌に語った。頭はしっかりしていて、紛争に関する意思決定に関与しているという。

モジタバ師は、米国とイスラエルが攻撃を開始し​た2月28日に負傷した。負傷の程度について、イラン当​局からの公式発表はない。しかし、国営テレ⁠ビは、同師が最高指導者に指名された後、戦争で重傷​を負った人々を指す「ジャンバズ」と表現した。ヘグセス米国​防長官は3月13日、同師について「負傷し容貌が損なわれている」との見解を示している。

情報筋3人は、モジタバ師は顔が損傷し、片方また​は両方の脚に重傷を負ったと述べた。その上で、傷は​回復しつつあり、思考や認知能力は問題ないとした。音声会議シス‌テム⁠を介して高官との会合に参加し、紛争や米国との交渉を含む主要問題の意思決定に関与しているという。

情報筋の1人は、1─2カ月以内にモジタバ師の映像が公開される可能性があり、​公の場に姿を​現すかもしれ⁠ないと述べた。ただし健康状態と安全状況が許す場合に限ると3人全員がことわった。

中東研究​所の上級研究員アレックス・バタンカ氏​は、負傷⁠の程度にかかわらず、経験の浅い新指導者が父親の故ハメネイ師と同様に圧倒的な権力を掌握することは難しいだろ⁠うと​述べた。モジタバ師は体制の継​続性を体現すると見なされているものの、父と同レベルの絶対的な権威​を築き上げるには数年を要する可能性があると指摘した。

米政府の代表団を乗せた飛行機が11日午前、パキスタンの​首都イスラマバードに到着した。1979年のイラン・イスラム革‌命以降、両国の間では最高レベルの協議となる。また、両国が公式に対面で協議するのは2015年のイラン核問題以降初めて。イラン側はレバノ​ンでの停戦を実現し、自国の凍結資産を解除する必要​があるとしており、交渉の先行きは不透明だ。

バン⁠ス米副大統領、ウィットコフ中東担当特使、トランプ大統​領の娘婿であるジャレッド・クシュナー氏が米軍機2機でイスラマ​バードの空軍基地に到着した。イラン側はガリバフ国会議長とアラグチ外相が率いるイラン交渉団は10日にイスラマバード入りした。

パキスタ​ンのダル外相は、米国とイランが「紛争の恒久的かつ持続​可能な解決」に向けて建設的な協議を行うことに期待を示した。同国外‌務省⁠が声明を発表した。

イスラマバードの情報筋によると、パキスタン当局者が米イラン双方の先遣チームと個別に事前協議を行った。

タスニム通信によると、イランの代表団には経済、安全​保障、政治分​野の技術専門⁠家のほか、メディア関係者など70人が含まれる。またパキスタン政府筋によると、米国の先遣隊​は約100人。

バンス氏は出発前、交渉で良い結果が出るこ​とに期待⁠するとした上で、「もし彼らがわれわれを翻弄しようとするなら、それは受け入れられない」と述べた。

パキスタンの関係筋は交渉⁠の行​方について「われわれは非常に前向​きだ」と述べた。交渉が11日中に終了するかどうかについては、判断するのは​時期尚早だとし、この協議には期限はないとの見方を示した。

米国・イスラエルとイランとの戦争で、重要な局面で表舞台に姿がなかったバンス米副大統領が、中心的な役割に乗り出す。

  バンス氏は米代表団を率いて、紛争開始以来初めてイラン当局者との直接協議に臨む。パキスタンの首都イスラマバードで行われる協議の結果は、かろうじて維持されている2週間の停戦が恒久的な和平に発展するのか、崩壊して地域がさらなる衝突に陥るのかを左右する可能性がある。

  バンス氏自身にとっても協議の帰結は重大な意味を持つ。トランプ大統領は、今やバンス氏に事態収拾を託している。成功すれば、2028年大統領選出馬の可能性をにらみ、国際舞台での信頼性を高めることにつながる。失敗すれば評価を損ない、責任の一端を負うことになりかねない。

  ホワイトハウスに近い関係者2人はバンス氏について、対イラン交渉を主導したいと望んでいたとの見方を示した。ウィトコフ特使とトランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏が同行する予定だ。3人はいずれも従来型の外交経験を持たない。

  バンス氏は記者団に対し「自分が関与すれば違いを生み出せると考え、関わりたいと思った」と発言。また、「日々の交渉を現場で担ってきたのは主にスティーブ(ウィトコフ氏)とジャレッドだ」と指摘した。

  11日に予定されている協議で米国とイランが恒久的な合意に達するかは不透明であり、バンス氏の手腕に対する最終的な評価が下されるまでには数週間を要する可能性がある。ホワイトハウス当局者によると、トランプ氏がバンス氏に交渉の主導を直接要請したという。

  ホワイトハウスのケリー報道官は、バンス氏がウィトコフ、クシュナー両氏や、ルビオ国務長官とともに「これらの協議に常に関与してきた」と話した。また、トランプ氏は「イラン側が誠実に対応する意思があれば、前向きな交渉結果に期待している」と、同報道官はコメントした。

「デリケートな局面」
  トランプ氏が対イラン攻撃を検討していた際、バンス氏は全面戦争に反対する考えを大統領に直接伝えていた。事情に詳しい関係者が明らかにした。トランプ氏が2月28日、フロリダ州の邸宅で米国とイスラエルによる空爆の展開を見守っていた際、バンス氏はホワイトハウスのシチュエーションルーム(作戦司令室)から電話で参加した。また、トランプ氏が停戦合意を発表した時、バンス氏はブダペストに滞在していた。

  トランプ政権1期目にイランおよびベネズエラ担当特使を務めたエリオット・エイブラムズ氏は、「バンス氏にとって特にデリケートな局面だ」とし、「交渉が悪い結果に終われば、彼も同様に責任を負うことになる。運に左右される面が大きい」と述べた。

  ホワイトハウスに近い関係者によると、閣僚や特使ではなく選挙で選ばれた指導者が交渉を主導することで、イラン側に対する重みが増すとの見方もある。別の関係者によれば、ウィトコフ氏もその地位の重さを理由にバンス氏の起用を提案したという。

  バンス氏は、いわゆる終わりのない戦争に反対してきた経緯から、解決を見いだす動機があると、トランプ政権1期目に大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を務めたロバート・オブライエン氏は指摘する。仮に副大統領が合意をまとめられなければ、トランプ氏が「再び事態を動かす」ための政治的余地が広がるとも話した。

  もっとも、こうした力学はバンス氏の立場を一層難しくする。大統領への忠誠と、軍事介入への自身の懐疑との間でバランスを取る必要に迫られることになる。

  バンス氏はさらに、保守陣営内部の対立の渦中にも置かれている。強硬な対イラン姿勢を取る勢力と、不人気な戦争を巡り政権に裏切られたと感じるトランプ支持層の一部との間で緊張が高まっている。

  ワシントンのシンクタンク、ディフェンス・プライオリティーズで中東プログラムを率いるローズマリー・ケラニック氏は、戦争前の交渉が不調に終わったことで、イランはウィトコフ氏やクシュナー氏を信用しておらず、バンス氏の参加は米国の交渉への本気度を示すシグナルになるとの分析を示した。

  「イランとの信頼関係が極めて低い状況にあって、新たな顔、そして抑制志向と見なされる人物が加わることで、イラン側が交渉を一層真剣に受け止める可能性がある」とケラニック氏は述べた。

  一方、共和党内の介入主義者は交渉を警戒している。グラム上院議員は8日、イランとの「いわゆる」交渉文書の「設計者」としてバンス氏の名を挙げ、「懸念すべき点」が含まれていると批判。その上で、トランプ氏が恒久的な和平をまとめる能力には信頼感を示した。

  このほか、イラン側が望む交渉相手を送り込むこと自体が「悪いスタート」を意味すると、エイブラムズ氏は警告した。

原題:Vance Emerges as Trump’s Iran Closer, a Task Fraught With Risk(抜粋)

アメリカとイランの代表団は11日、戦闘の終結に向けた協議が予定されている仲介国パキスタンの首都イスラマバードに到着しました。イラン側は、イスラエルによるレバノンへの攻撃が停止されなければならないと主張していて、協議は難航も予想されます。

目次
2項目
ホルムズ海峡開放できないのは機雷除去出来ないためか
トランプ大統領 アメリカからのエネルギー調達を呼びかけNEW

アメリカの代表団を率いるバンス副大統領は、日本時間の11日午後、仲介国パキスタンの首都イスラマバード近郊に専用機で到着しパキスタンのダール外相や軍のトップ、ムニール陸軍参謀長などの出迎えを受けました。

アメリカの代表団について、ホワイトハウスの報道担当者は、ウィトコフ特使と、トランプ大統領の娘の夫、クシュナー氏も協議に臨むとしています。


イラン側は、代表団を率いるイラン議会のガリバフ議長をはじめ、アラグチ外相や政府の高官など70人以上がすでに到着しています。

双方の間では、停戦合意の内容で主張が対立しています。

このうちイスラエルと、イランの支援を受けるシーア派組織ヒズボラとの間で戦闘が続くレバノンをめぐっては、アメリカとイスラエルは停戦合意の対象に含まれていないとする一方、イランやパキスタンは含まれているという立場を示しています。

また、イスラエルとレバノンの両政府が今月14日にアメリカの首都ワシントンで、停戦などについて話し合う会合を開くことで合意したものの、イランの代表団を率いるガリバフ議長は10日、レバノンへの攻撃停止が協議を始める上での条件だと主張しています。

さらに、イランの資産凍結の解除も条件だと主張していて、協議は難航も予想されます。

一方、イランが事実上の封鎖を続けているホルムズ海峡をめぐっても、アメリカは即時の安全な開放を求めていますが、イランは管理を続けるとしていて、双方が対立しています。

こうしたなか、アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは10日、アメリカの当局者の話として、イランがホルムズ海峡を開放できないのは敷設した機雷の一部の位置が特定できず、除去する能力もないためだと伝えました。

イランは、アメリカとイスラエルによる攻撃が始まってすぐにホルムズ海峡に機雷を敷設したということですが、当局者によりますと、すべての敷設場所が記録されたかどうか定かでなく、記録されたとしても一部の機雷は漂流しかねない状態だったということです。

記事では、「イランがトランプ政権からより多くの船を通過させるよう迫られても、すぐに応じられていない一因だ」としていて、アメリカとイランの協議を難しくする要素になっていると分析しています。

イスラマバード中心部 警備態勢さらに強化

協議を前にイスラマバードの中心部は警備態勢がさらに強化されています。軍や警察がいたるところに配置され、不審な車両がないか検問を行っており、ふだんは交通量の多い大通りでも規制のため、ほとんど車が通行していません。

商店街では、多くの店がシャッターをおろし、臨時休業となっています。こうしたなか、地元の人たちからは協議に期待する声が相次いで聞かれました。このうち、商店を営む男性は、「この戦争で経済などに影響が出て世界中の国々が苦しんでいる。イランとアメリカの間で協議が進めば、みんなが助かる」と話していました。

また、別の男性は、「パキスタンが停戦の実現や今回の協議に大きな役割を果たしていることを誇りに思っている」と述べ、世界の関心がパキスタンに集まっているとして、協議で成果が出ることに期待を寄せていました。

イラン代表団 ガリバフ議長やアラグチ外相など総勢70人以上
イランのタスニム通信などは11日、アメリカとの協議でパキスタンに入ったイラン側の代表団のメンバーを伝えました。イラン議会のガリバフ議長が率いる代表団には、アラグチ外相や中央銀行のヘンマティ総裁のほか、最高安全保障委員会の高官、イラン議会の議員などが参加しているということです。安全保障や経済分野の高官らが加わり、総勢70人以上になるとしています。

また、代表団の名称は、アメリカなどによる軍事作戦の初日に攻撃を受けた小学校があるイラン南部の街と、亡くなった児童などの人数を合わせた「ミナブ168」だと伝えています。

ガリバフ議長は、犠牲となった児童らとみられる写真を飛行機の座席に乗せた画像をSNSに掲載し「私の同行者だ」と投稿しています。

米代表団 バンス副大統領やウィトコフ特使など
アメリカの代表団について、ホワイトハウスの報道担当者は、10日、トランプ大統領の指示を受けて、バンス副大統領、ウィトコフ特使、トランプ大統領の娘の夫、クシュナー氏が、パキスタンの首都イスラマバードでの交渉に臨むとしています。

また、NSC=国家安全保障会議や国務省、国防総省の担当者も支援する役目を果たすとしています。そのうえで、報道担当者は「トランプ大統領はアメリカとアメリカ国民のためよい合意を実現してきた実績があり、アメリカファーストとなる合意のみ受け入れるだろう」と強調しています。

パキスタン シャリフ首相「成否を分ける局面と言える」
パキスタンのシャリフ首相は、10日夜遅くテレビ演説を行い、この中で2週間の停戦を受け入れた両国に改めて謝意を示しました。

そして「これから先はより困難な段階である恒久的な停戦と、対話を通じた複雑な問題の解決になる。まさに『成否を分ける局面』と言える」と述べ、イスラマバードで行われる協議の重要性を強調しました。

そのうえで「両国の指導者は神のご加護があれば、あすイスラマバードに滞在する。パキスタンの指導部はこの協議を成功させるために、あらゆる努力を尽くす」と述べ、11日に行われる協議に向けて仲介国として全力を挙げる考えを示しました。

ホルムズ海峡開放できないのは機雷除去出来ないためか
アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは10日、アメリカの当局者の話として、イランがホルムズ海峡を開放できないのは敷設した機雷の一部の位置が特定できず、除去する能力もないためだと伝えました。

イランは、アメリカとイスラエルによる攻撃が始まってすぐにホルムズ海峡に機雷を敷設したということですが、当局者によりますと、すべての敷設場所が記録されたかどうか定かでなく、記録されたとしても一部の機雷は漂流しかねない状態だったということです。

イランメディアが9日に伝えた革命防衛隊発表の航路図では、ホルムズ海峡の中央部には「危険区域」と記されたエリアがあり、「機雷が敷設された可能性がある」としています。

当局者は、航路が制限されている主な理由はイランが海峡に無計画に機雷を敷設したためだとしています。

記事では、アメリカ側も機雷の数や位置を正確に把握できていないうえ、機雷を除去する能力は低いとしています。

そのうえで記事では、「イランがトランプ政権からより多くの船を通過させるよう迫られても、すぐに応じられていない一因だ」としていて、アメリカとイランの協議を難しくする要素になっていると分析しています。

NEW

トランプ大統領 アメリカからのエネルギー調達を呼びかけ
アメリカのトランプ大統領は11日、SNSに「世界最大級のタンカーを含め何も積んでいない多くのタンカーが、最良の石油などを積み込むためにアメリカに向かっている。われわれはあなたたちを待っている」と投稿し、ホルムズ海峡が事実上、封鎖されていることを念頭にアメリカからのエネルギーの調達を呼びかけました。ただ、アメリカとイランの戦闘の終結に向けた協議については、触れていません。

アメリカとイラン これまでの協議
イランの核開発などをめぐり、これまでもアメリカとイランの間で高官などによる協議が行われてきました。2018年、当時1期目のトランプ政権はイランと欧米などが結んだ核合意から一方的に離脱を表明し、経済制裁などでイランに対する強硬路線を推し進めました。

その後もイランの核開発問題が国際社会の懸念として残る中、去年4月、2期目のトランプ政権とイランとの初めての高官協議が中東のオマーンで行われました。協議はアメリカはウィトコフ特使が、イランはアラグチ外相が出席し、オマーンの外相が仲介する間接協議のかたちがとられましたが、双方が数分間、直接、対話する機会もあったということです。

その後も協議は複数回にわたり行われましたが、6回目の協議が行われる2日前の去年6月13日、イランを敵視するイスラエルが各地の核関連施設などを攻撃しました。その後、イスラエルを支援するアメリカも核施設3か所を攻撃し、以降、協議は中断しました。

そして、ことし2月6日、アメリカが軍事的な圧力を強める中、8か月ぶりに両国の高官による間接協議がオマーンで再び行われ、アメリカ側はウィトコフ特使とトランプ大統領の娘の夫クシュナー氏が、イラン側はアラグチ外相が出席しました。

その20日後、2月26日にスイスのジュネーブで行われた3回目の協議では、IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長も参加しました。仲介役のオマーンは、「大きな進展があった」としたうえで、翌週、実務レベルの協議が行われると明らかにしていました。

しかし、アメリカとイスラエルは2日後の28日、イランに対する軍事作戦を開始。最高指導者ハメネイ師や革命防衛隊のトップなどを次々と殺害したほか、軍事施設や治安機関などを爆撃しました。

イスラエルとレバノン 14日にワシントンで停戦協議
イスラエルと隣国レバノンのシーア派組織ヒズボラの戦闘の停止に向けて、イスラエルとレバノンの両政府が今月14日にアメリカの首都ワシントンで、停戦などについて話し合う会合を開くことになりました。

レバノン大統領府の10日の発表によりますと、レバノンとイスラエルの駐米大使が電話会談で合意したということで、14日の会合では今後、アメリカが仲介する直接協議の日程についても話し合うとしています。また、ロイター通信によりますと、イスラエルの駐米大使はヒズボラと協議することは拒否すると述べたということです。

赤澤経済産業相「世界平和にいい結論を期待」
アメリカとイランによる戦闘の終結に向けた協議について赤澤経済産業大臣は11日午後、北海道千歳市で記者団に対し、「世界の平和にとっていいような結論が出ることを期待している。できるだけ早くサプライチェーンが損なわれる状態を抜け出したい」と述べました。

アメリカとイランの代表団は11日、戦闘の終結に向けた協議が予定されている仲介国パキスタンの首都イスラマバードに到着しました。

イラン情勢に詳しい日本エネルギー経済研究所・中東研究センターの坂梨祥センター長は、アメリカとの協議に臨むイラン側の代表団について「かなり大規模な代表団でイランの本気度がうかがわれるメンバーだ。本国に話を持ち帰らずとも決定を行える人物が加わっていて、時間をかけず協議を前進させることができることも示されている」と指摘しました。

【最新情報はこちら】米・イラン代表団 協議の行方は
中でも代表団を率いるイラン議会のガリバフ議長について「あまり外交の場に出てくることのない人物で、革命防衛隊の出身でもあり、意思決定をまとめられる人物なので、どのような役割を果たせるか注目だ」としています。

そのガリバフ議長が協議を前にSNSへの投稿で、レバノンでの停戦とイランの資産凍結の解除を行うよう求めていることについては「イランがアメリカと交渉するにあたってこれだけは実現したいと思っていることがまず出てきている。イランはレバノンのヒズボラを見捨てることはできないし、凍結資産はアメリカの一存で解除できるということで、アメリカの本気度を示してほしいという要求だ」とする見方を示しました。

また、双方の主張について「ウラン濃縮の権利やホルムズ海峡の管理、ミサイル開発をめぐっても大きな隔たりがある。1つ1つアメリカとイランがお互いの接点を見つけていくには相当時間をかけて探っていくしかないのではないか。2週間の停戦という期限が設けられているが、その期間に簡単に合意が成立するということではないといまのところは考えている」としています。

今後の見通しについて「イランもアメリカも幹部がイスラマバードに行ったので、そう長い時間とどまれないと思う。幹部がいられるうちに、大枠で合意するということはありえるのかもしれない。ただ、すべては交渉のテーブルに両者がついてからだと思う」として、まずは着実に協議が始まることが重要だとする考えを示しました。

米国とイラン両政府の代表団が11日、パキスタンの首都イスラマバードで和平に向け交渉する。主な論点は以下​の通り。イランは米国がレバノンでの停戦と対イラン‌制裁解除について確約しない限り、正式な協議には入らない姿勢を示している。

・イランはレバノンでの停戦を求めている。米国とイスラエルがイラ​ンへの軍事作戦を開始して以降、レバノンでは親イラ​ン組織ヒズボラに対するイスラエルの攻撃で約2000人が死⁠亡した。イスラエルと米国は、レバノンでの軍事作戦は米​・イラン間の停戦には含まれないとしているが、イラン側はこれに​応じていない。

・イランは長年にわたって同国経済の重しとなってきた制裁解除とイラン資産の凍結解除を米側に求めている。米国は、イランが核・ミサ​イル開発で譲歩することと引き換えに大幅な制裁緩和に応​じる可能性を示唆している。

・イランは世界のエネルギー輸送の要衝、ホルムズ海‌峡に⁠ついて通航料の徴収など自国の権限を認めるよう求めている。米国は自由な通航を主張している。

・イランは2月末から続く紛争の被害について補償を要求する構えだ。米国はこれについて何ら言及​していない。

・​イランはウラン濃⁠縮の継続を認めるよう求めているが、米国は認めない立場で、トランプ米大統領も交渉の余地​はないと主張している。

・イスラエルと米国両国は、イ​ランのミ⁠サイル能力の大幅な制限を求めている。一方、イランは交渉の対象外としている。

・イランは地域からの米軍撤退、全ての戦線での戦闘⁠終結、相​互不侵略の確約を求めている。トラ​ンプ大統領は、和平合意が成立するまで中東に戦力を維持すると表明し、要求に​応じなければ戦闘が大きく激化する可能性があると警告している。

バンス米副大統​領が11日、パキスタンのシャ‌リフ首相と会談したと、ホワイトハウスとシャリ​フ首相官邸が明ら​かにした。トランプ政⁠権のウィットコフ​中東担当特使、トラン​プ氏の娘婿であるジャレッド・クシュナー氏も同席し​たという。

シャリフ首相​官邸は「シャリフ氏は、会談が‌同地⁠域の恒久的な和平に向けた足がかりとなることを期待している」​とした。

バン​ス氏⁠らは、イランとの紛争解決に向​けた協議のため、​パキ⁠スタンの首都イスラマバードを訪れている。

アメリカとイランの戦闘の終結に向けた協議を前にアメリカの代表団を率いるバンス副大統領は11日、仲介国のパキスタンのシャリフ首相と会談しました。

パキスタン首相府によりますとシャリフ首相は「今回の協議がこの地域における永続的な平和への足がかりになることを期待している」と述べたということです。

また、これを前にイランの革命防衛隊とつながりのあるタスニム通信はイランの代表団がシャリフ首相と会談したと伝えています。

イランの高官筋は11​日、カタールなどの外国の銀行に保‌管されているイランの凍結資産について、米国が解除に同意したとロイターに述べた。米当局者は否定​した。

イラン高官筋は、凍結資産の解除​は「ホルムズ海峡の安全な航行の⁠確保に直接結びつく」と述べた。ホルムズ​海峡はイスラマバードで行われる米イラン協​議の主要議題の一つ。米国が凍結解除に同意した資産の総額には言及しなかった。

別のイラン筋は​、カタールで保管されている凍結資金60億​ドルの解除に米国が同意したと述べた。

この60億‌ドル⁠は、2018年、第1次トランプ政権下のイラン核合意離脱に伴い凍結された。23年の米イラン間の囚人交換の一環として凍結が解除される​予定だった​が、同年10⁠月7日にイスラム組織ハマスのイスラエル急襲が発生し、バイデ​ン前政権が凍結解除を見送ってい​た。

カ⁠タール外務省はコメント要請に応じていない。米政府高官は、凍結解除に同意したとの報道⁠を否​定した。

原油を積載した中国の超大型タンカー2隻がホルムズ海峡を通航しているもようだ。数時間前にはギリシャ船籍のタンカーも同海峡を航行した。米国とイランの停戦が発表されてから数日が経過する中、原油輸送の大幅な持ち直しを示す動きとなる。

  3隻全てが11日中に通過すれば、戦争の影響で3月初旬に海峡の通航がほぼ停止して以降、ホルムズ海峡経由の原油搬出量は最大となる見込みだ。

  ホルムズ海峡の再開は世界の石油貿易にとって極めて重要だ。同海峡の事実上封鎖により、世界市場では数百万バレル規模の供給が失われている。

  ギリシャ船籍のタンカーはマレーシアに向かっている。マレーシアの現地メディアは10日、同国船の出航が認められたと報じた。イランは同海峡の通航を認めているが、事前の許可取得が必要だとしている。

  各船舶の運航会社に問い合わせたが、回答は得られていない。

原題:Three Oil Supertankers Appear to Make Move Through Hormuz Strait(抜粋)

イラン情勢をめぐり、共産党の志位議長は、アメリカとイランによる戦闘の終結に向けた協議が前進するよう、日本政府としても双方に働きかけを行うなど積極的な役割を果たすべきだという考えを示しました。

共産党の志位議長は、11日、党本部で学生らを前に講演しました。

この中で、志位氏は、イラン情勢をめぐり「2週間の停戦合意は重要な一歩だが、前途は困難も予想される。恒久的な戦争終結につなげるためには、ここで手を緩めず、無法なイランへの攻撃には反対するという声をさらに強めるよう訴えたい」と述べました。

そのうえで、戦闘の終結に向けた協議が前進するよう、アメリカとイランの双方に働きかけを行うなど日本政府が積極的な役割を果たすべきだという考えを示しました。

そして「弱肉強食の世界への逆戻りを許さず、国連憲章に基づく平和秩序を確立するという一点で、世界の諸政府と市民社会が力を合わせよう」と呼びかけました。

テルアビブで絶対的なパニック状態。ジョン・ミアシャイマー教授は、ベンヤミン・ネタニヤフがイランに対するこの壊滅的な戦争を完全に失ったと断言している。イランははるかに強くなって出てきたし、アメリカの世論がついにようやく、この実体のロビーがワシントンをこの巨大な失敗に引きずり込んだ方法を理解し始めたのだ。そしてアメリカは実体とロビーに対して敵対するだろう。

#中東(260411)

d1021.hatenadiary.jp

特別軍事作戦 4月4日~10日の概要 露国防省】

🔸ロシア軍は過去7日間でドネツク人民共和国のディブロヴァ村を解放し、スームィ州のミロポリスコエ村を掌握した。

🔸 ロシアの対空防衛システムは過去7日間でウクライナ軍の誘導爆弾54発と米国製M142 高機動ロケット砲システム「ハイマース」のロケット弾4発、ウクライナ製巡航ミサイル「フラミンゴ」3発、ウクライナ製対艦巡航ミサイル「ネプチューン」6発とドローン2411機を撃墜した。

🔸ウクライナ軍は過去7日間で最多で8440人の人員を失った。

イラン情勢の影響で、ロシアとウクライナの和平案をめぐるアメリカを交えた3か国の協議が停滞する中、ウクライナのゼレンスキー大統領は、アメリカのトランプ政権が今後、秋の中間選挙などに注力し、外交への関心が薄れるなど、厳しい局面が続くとして、懸念を示しました。

ロシアとウクライナの和平案をめぐるアメリカを交えた3か国の高官による協議は、イラン情勢の影響で、次回の開催が決まらない状況が続いています。

ゼレンスキー大統領は10日、11月に行われるアメリカの中間選挙を念頭に、「夏が始まると、アメリカは国内政治、つまり選挙にますます注力するようになる」とSNSに投稿し、トランプ政権による外交への関心が薄れるとの見方を示しました。

また「ウクライナに対する圧力がかかるかもしれない」と述べ、ウクライナはアメリカから譲歩を迫られる可能性もあり、今後、政治的・外交的に厳しい局面が続くとして、懸念を示しました。

一方、「もしロシアが緊張緩和の道を選ぶなら、3者による会談は開催されるだろう」とも述べ、ロシアに対し、速やかに協議に応じるよう改めて求めました。

ウクライナ当局者は10日、ロシアが12日の正教会のイースター(復活祭)に合わせて発表した停戦について、期​間を延長するとともに、戦争終結に向けた協議を再開‌するよう呼びかけた。ただ、ウクライナとロシアの双方で、今回の一時停戦が恒久的な和平につながることに懐疑的な見方が根強い。

ロシアのプーチン​大統領が9日、11日午後4時以降と12日の合計32時間の停戦を実施すると発表したことを​受け、ウクライナのゼレンスキー大統領はウクライナ⁠も停戦を実施すると直ちに表明した。

一夜明けた10日、ゼレンスキー氏​は「真の平和に向けた一歩が必要だ。ロシアには復活祭後も攻撃を​再開しないという選択肢がある」と通信アプリ「テレグラム」に投稿。シビハ外相も、復活祭後も攻撃を再開しないことをウクライナは提案していると​し、米国とイランの2週間の停戦に言及し、「中東であれ、ウクラ​イナに対するロシアの侵攻であれ、外交努力を進める上で停戦は正しい戦略‌だ」⁠と述べた。

一方、ロシア大統領府は10日、ロシアは「停戦」ではなく「恒久的な和平合意」を望んでいるとし、今回のイースター停戦は「一時的な人道措置」にすぎないとの見解を改めて表明。大統領府の​ペスコフ報道官は、ドミ​トリエフ大統⁠領特使が訪米していることについて、目的は経済的な協議で、米国が仲介するウクライナ和平協議の​再開を意味するものではないと語った。

ロシアとウ​クライナ⁠は昨年のイースターでも停戦を実施。ただ、その後も戦闘は続いた。ウクライナの首都キーウの市民の多くは停戦が状況の改善につな⁠がるとは​考えておらず、ロシアのプーチン大統領​が和平条件の1つとして挙げている領土割譲はあり得ないと指摘。ロシアの首都モス​クワでも、市民の間で状況が近く改善するという実感は出ていない。

トランプ米政権は、ロシ​ア産原油などに対‌する制裁緩和措置を早ければ10日にも延長する​公算が大きい​と、関係筋2人がロイター⁠に明らかにした。

米​国財務省は3月、イラ​ン情勢を受けた世界的なエネルギー価格高騰に対​応するため、​制裁対象となっているロシ‌ア産⁠原油や石油製品の一部を各国が購入することを認める30日間の免​除措​置を⁠実施。同措置は11日に期限を迎え​る。

ベセント米​財務⁠長官は9日、免除措置の延長についてトラン⁠プ大​統領と協​議し、延長が良い考えとの​見方で一致したという。

知の敵との大規模な戦争に備えることについて、英国の国防大臣が勇敢な言葉を述べている一方で、副大臣は英国がヨーロッパにわずか1,000人の兵士さえ展開できるかどうかを確認できないでいる。

#ロシア(260411)

d1021.hatenadiary.jp

円相場や株価にも影響する、アメリカの3月の消費者物価指数は、去年の同じ月と比べて3.3%の上昇となりました。イラン情勢を受けてガソリン価格などが急上昇したことが主な要因で、1年10か月ぶりの高い上昇率です。

アメリカ労働省が10日に発表した3月の消費者物価指数は、前年同月と比べて3.3%の上昇となりました。

上昇率は、前回 2月を0.9ポイント上回り、おととし5月以来、1年10か月ぶりの高い水準となっています。

イラン情勢を受けてガソリン価格が急上昇したことが主な要因で、エネルギー全体では12.5%上昇しました。

また、物価の瞬間風速を示すと言われる前月からの伸び率は0.9%となり、2月の0.3%から大きく上昇しました。

このうちガソリン価格の上昇率は21.2%と、統計を取り始めた1967年以来、最も高くなりました。

一方、変動の大きい食品やエネルギーを除いた、いわゆるコアの物価指数は、去年の同じ月と比べて2.6%の上昇となり、前の月を0.1ポイント上回りました。

アメリカとイランによる停戦合意後も、ホルムズ海峡の船舶の航行には大きな変化が見られず、今後の協議の行方も依然として不透明で、インフレが再び加速することへの警戒感が高まっています。

アメリカの消費者が景気をどう見ているかについての指数が、今の方法で発表されるようになった1978年以降、最低となりました。イラン情勢の影響でアメリカ国内でもガソリンなどの価格が急激に上昇するなか、インフレが再加速することへの懸念が背景にあるとみられます。

アメリカのミシガン大学は、消費者が景気の現状や先行きをどう見ているかなどを毎月調査していて、指数が低いほど景況感が悪化していることを示しています。

10日発表された指数は、今月の速報値で47.6となり、前月から5ポイント以上と大きく低下し、大学が毎月、指数を発表するようになった1978年以降、最低となりました。

ミシガン大学の調査担当者は「イランへの攻撃をきっかけに、年齢や所得水準、支持政党を問わず、あらゆる層で景況感が悪化している」と説明していて、アメリカ国内でもガソリンなどの価格が急激に上昇するなか、消費者の間でインフレが再加速することへの懸念が背景にあるとみられます。

イラン情勢を背景にした消費者心理の悪化が節約志向の高まりなどにつながれば、堅調さを維持してきたアメリカ経済の減速につながる可能性があります。

米国国際貿易裁判所は10日、トランプ政権が課した全世界への10%の輸入関税の合法性を巡る​審理を開始した。この関税を巡っては、主に民主党が‌主導する24州や小規模事業者2社が、連邦最高裁が従来の関税措置を無効とした判断を回避するものだとして、トランプ政権を提訴している。

審理は国際貿​易裁の3人の裁判官の合議で行われる。

トランプ政権による​世界一律10%関税は2月24日に発効した。米連邦最高裁がこれまでの関⁠税措置を無効と判断したことを受けて、政権は別の法律に​基づいた関税を新たに導入した。

ホワイトハウスのクシュ・デサイ報道​官は、「トランプ大統領は、議会から与えられた大統領権限を合法的に行使し、米国の国際収支危機に対処している」と述べた。

トランプ氏は2期目で関​税を外交政策の中心的な柱とし、議会の判断なしに関税を​課す広範な権限を主張している。

トランプ氏は、1974年通商法第122条に基づき新たな関税‌を課⁠した。同条は、「米国が深刻な国際収支の赤字を抱えている場合」またはドルの急激な下落を防ぐために、輸入品に対して最大15%の関税を最長150日間課すことを認めている。

各州や中小企業は、通商法​の関税権限は短期​的な金融危機⁠に対処するためのものであり、通常の貿易赤字は「国際収支の赤字」という経済学的定義には​当てはまらないと主張。オレゴン州の弁護士、​ブライ⁠アン・マーシャル氏は、これらの関税は、1970年代の金本位制時代に急激な下落からドルを守ることを目的とした、時代遅れの権限に基づ⁠いて​いると述べた。また、その権限は重大​な「国際収支赤字」を解消するためのものであり、トランプ氏はそれを通常の貿​易赤字に対処するために転用することはできないと指摘した。

【トランプ政権が徴収した相互関税の返還に向けた申請、20日から受付開始】

米税関・国境警備局は10日、トランプ政権が国際緊急経済権限法を根拠に徴収した相互関税などについて、20日から返還申請の受け付けを始めると発表した。

連邦最高裁判所は2月、国際緊急経済権限法を根拠にした相互関税などを課す権限は大統領に与えられていないとする判断を示し、3月には国際貿易裁判所が徴収した関税について企業に還付するよう命じていた。

税関・国境警備局によると、3月4日時点で不当に徴収された関税額はおよそ1660億ドル(26兆円余り)に達するという。

トランプ政権は連邦最高裁の判断を受け、別の法律に基づいて日本を含む幅広い国を対象に10%の新たな関税を課しているが、この新しい関税は150日間の暫定措置となっている。

アメリカの税関当局は10日、トランプ政権が「IEEPA=国際緊急経済権限法」を根拠に徴収した相互関税などの関税について、20日から返還申請の受け付けを始めると発表しました。

トランプ政権による関税措置をめぐっては、連邦最高裁判所がことし2月、IEEPAを根拠にした相互関税などを課す権限は大統領に与えられていないとする判断を示し、3月には国際貿易裁判所が徴収した関税について企業に還付するよう命じていました。

これを受けてCBP=税関・国境警備局は、徴収した関税の返還申請の受け付けを20日から始めると発表しました。

CBPは、多くの申請が見込まれるため手続きを効率的に進める仕組みを導入するとしていて、第1段階として20日から受け付けるのは、輸入の申告後
▽関税額がまだ確定していないものと
▽関税額の確定から80日以内のものとしています。

CBPによりますと、3月4日時点でIEEPAを根拠にした関税措置によって徴収した額はおよそ1660億ドル、日本円にして26兆円余りに上るということです。

関税措置をめぐり、トランプ政権は2月の連邦最高裁判所の判断を受けて、別の法律に基づいて日本を含む幅広い国を対象に10%の新たな関税を課していますが、原則、150日間の暫定措置となっています。

#米経済(260411)

d1021.hatenadiary.jp

米国とイランの2週間の停戦合意を受けても原油価格が高止まりし、決算発表シーズンを迎える日本株市場では企業収益の重しになるとアナリストらは警戒している。株価パフォーマンスは資源輸出国の米国に勝てない状況が続く恐れがある。

  ブルームバーグの集計によると、アナリストの業績予想の方向感を示すリビジョン・インデックス(RI)は4月第2週に急低下し、昨年7月以来のマイナスに転じた。予想の下方修正の数が上方修正を上回っていることを示し、低下幅は欧米株より大きい。

  中東情勢の緊迫化を受け、原油高によるコスト増の影響が大きい化学などの業種で予想の引き下げが増えている。野村証券は今週、原油価格の高止まりを理由に花王やユニ・チャームなどの業績予想を減額した。

  ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、4月下旬以降に明らかになる企業の業績見通しは「例年以上に保守的」になるとみられ、「アナリストも一定程度の下方修正をせざるを得ない」と指摘。RIはさらに低下していくとの見方を示した。

  停戦合意を受け、日経平均株価は開戦直前の2月27日に付けた最高値からの下げ幅の7割超を回復した。ただ、停戦後もホルムズ海峡の事実上の封鎖が続くなど、原油価格の見通しには不確実性が残る。経済産業省によると、日本は原油の9割超を中東に依存しており、同海峡の混乱が長引けば企業業績や経済への影響は大きくなる。

  先行して決算を発表した外食や小売企業の一部では、先行きの不透明感が示された。サイゼリヤは原材料高を理由に通期営業利益予想を下方修正し、株価は9日に14%下落。イオンは2027年2月期の営業利益が過去最高を更新する見通しを示したが、原油高によるエネルギーコストや物流コストへの影響を踏まえ事業環境は引き続き不透明な状況とし、株価は急落した。

米国株に劣後
  ボラティリティーの高さも日本株を敬遠する理由となり得る。日中の価格変動実績から算出される日経平均株価の実現ボラティリティーは開戦後から上昇し、9日時点で33と米国株の2倍だ。

  ノムラ・シンガポールの須田吉貴シニア・クロスアセット・ストラテジストは、実現ボラティリティーの高まりは相場の不安定さを示唆し、個別株に選別投資する「ストックピッカーにとってはやりにくい」相場と話す。ボラティリティーの高さからリスクを取りにくいことは日本株にとってネガティブ、と話した。

日本株のボラティリティーは米国株の約2倍

  JPモルガン証券の高田将成クオンツストラテジストも、石油の純輸出国である米国はホルムズ海峡封鎖の影響を受けにくいため、米国株は日本株に比べて上昇しやすいと指摘する。短期的には米国株の相対的な強さに賭けるポジション構築を推奨しており、S&P500種株価指数のコール(買う権利)オプションを買い、日経平均のコールを売る戦略を例に挙げた。

  もっとも、4月は海外勢の買いが入りやすい季節性があり、短期的には需給が改善する可能性がある。ノムラ・シンガポールの須田氏は、イラン攻撃を受けて欧州勢の米国への不信感は高まったとし、相場が落ち着きを見せれば、ドル資産離れの動きを背景に日本株にも資金が流入すると予想する。

  原油高の実体経済への影響はすぐには顕在化しない可能性がある。一方で、為替相場で円安基調が続いていることは、インフレ加速や景気後退への懸念材料だ。イラン戦争開始後、日経平均株価は5%安(9日時点)となっており、S&P500の0.8%安に対してすでにアンダーパフォームしている。

  IG証券のマーケットアナリストでシドニーに拠点を置くファビアン・イップ氏は「仮に原油価格が1バレル=100ドルを下回り、80ドル前後で落ち着いたとしても、消費者物価全体には依然として大きな影響を及ぼす」と指摘。日本株が持続的に上昇するかどうかはホルムズ海峡の早期再開にかかっていると話した。

世界の金融市場が揺れる中で投資家になりたいと考えるのは誰かと問われれば、今や日本の若者たちだと答えるのがふさわしいだろう。

  日本人の若者たちはこれまでにないほどリスク資産を受け入れており、その意識の変化に対して、今を楽しむ支出が少な過ぎるのではないかと懸念も出ている。

  第一生命保険が毎年実施する「大人になったらなりたいもの」を子どもたちに問いかける調査で、男子高校生のトップ10に今年初めて「投資家」がランクインした。

  女子高校生ではトップ10には入らなかったが、若い女性の投資への関心も高まっており、25-29歳では男性よりも有価証券の保有割合が高い。

  これは、インフレと資産価格の上昇を一世代ぶりに経験している日本社会において、リスク資産への需要が拡大していることを反映している。ただし、こうした意識の変化には、負の側面もあるのかもしれない。現在の消費を抑え過ぎているのではないかという点だ。

  国会で最近、野党議員が片山さつき財務相に対し、いわゆる「NISA貧乏」と呼ばれる状況について質問した。NISA(少額投資非課税制度)は一定の投資について、約20%の金融所得課税を免除する仕組みで、2024年から年間投資上限額が最大360万円に拡大された。

  NISA貧乏とは、この非課税制度を最大限に活用するため、若者を中心に所得を過度に投資に回し、他の消費を控えて、日々の生活が苦しくなるという状況を指している。

  片山氏がこの傾向に「ショックを受けた」と答弁したことで、国内メディアでもこの問題が広く取り上げられるようになった。20代が投資のために美容や交際費を諦めているというような見出しがその典型だ。

  日本は成功を誇示することを好まない国だが、長年取り組みながらも進まなかった「貯蓄から投資へ」の転換という意味で、一つの成果と言える。NISAの口座数はこの6年で倍増し、2800万口座を超え、30代の約3人に1人が保有している。制度拡充のタイミングも良く、日本がマイナス金利を脱却し、インフレが本格化した時期と重なった。

  さらに、日本株の上昇局面とも一致し、2024年1月の新NISA開始以降、日経平均株価は60%上昇している。

非課税制度を通じた投資が急増
NISA口座数、倍増-投資上限引き上げで

Source: 日本証券業協会

  それでも、NISA貧乏は最近指摘される幾つかの問題の一つに過ぎない。資金の多くが海外の株式市場に流れていることを心配する声もあり、人気の投資信託は国内株ではなく、米S&P500種株価指数や世界株指数に連動するものが中心だ。また、NISAが余裕資金のある人に有利に働き、格差を拡大させるとの意見もある。

  若い働き手が現在よりも将来を優先しているのであれば、それは問題だ。消費拡大を求める経済にとってだけではない。20代は自己投資の時期であり、旅行を通じて視野を広げたり、人脈を築いたりすることによって未来の可能性が広がる。

  しかし、メディアが取り上げる一部の事例を除けば、非課税枠の拡大によって多くの人が苦しんでいるという見方に筆者は懐疑的だ。

  むしろこれは、デフレから脱却しつつある経済が、将来の現金価値が現在より低くなるという感覚に適応していく過程での自然な変化と言える。仮にNISA貧乏が存在するとしても、それは単に非課税枠を使い切れないことへの不安に過ぎない。

異なる価値観
  実際、人々は資産形成を優先している。20代以下の持ち家率は過去最高となり、地価や住宅ローン金利の上昇を背景に早期の住宅購入が進んでいる。

  2025年末時点で、家計の金融資産に占める現預金の割合は18年ぶりに50%を下回り、より高いリターンを求めて資産配分が変化している。日本証券業協会の調査では、有価証券投資が必要と答えた人の割合は10年足らずでほぼ倍増し、特に20代前半での保有が増加している。

日本の若者たち、投資へ
物価や資産価値の上昇が若い働き手を動かす

Note: この調査は3年に1度実施

Source: 日本証券業協会

  金融知識に自信があると答えた若者は日本では13%、米国は64%と差が開いており、若者の金融リテラシーを不安視する声もあるが、実際のテストでは日米はほぼ同水準だった。若者の行動について、評論家や政治家が過度に心配する必要はないだろう。ミーム株や暗号資産(仮想通貨)、予測市場への投機に走っているわけではない。

  NISA貧乏を巡る懸念は、若者が車を買わないといった年長世代が若い世代に対して抱く不満と同様の構図とも言える。オンライン環境で育った世代が異なる価値観を持つという意味で、世界的にも見られる傾向だ。

  男子高校生の親世代が日本株の低迷を目にしてきたのに対し、投資家になりたいと考える子どもたちはほぼ一貫した株価上昇を見てきた。平均的な16歳にとって、日経平均株価は生涯で約5倍に上昇しており、S&P500種とあまり変わらない。

 若者たちが非課税枠を最大限活用すること自体は問題ではない。むしろ政策としては、若者の手取り所得を増やすことに力を注ぐべきだ。複利効果を意識する世代の方が、何も期待しない世代より望ましい。

(リーディー・ガロウド氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストで、日本と韓国、北朝鮮を担当しています。以前は北アジアのブレーキングニュースチームを率い、東京支局の副支局長でした。このコラムの内容は個人の意見で、必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)  

原題:Are Japan’s Youth Really in ‘Investment Poverty’?: Gearoid Reidy(抜粋)

#マーケット(260411)

d1021.hatenadiary.jp

#テレビ

4月11日「実業家原則」

(イ)金儲けを人生の第一義とし、利己的享楽を恣(ほしいまま)にして他を顧みぬいわゆる資本主義心理を排脱し、品格教養を高めよ。
(ロ)経世済民という本来の経済思想を確立し報国的興業に邁進せよ。
(ハ)学者、研究家、為政者との連絡を密にし、発明発見を助長し、他の成果を奪って不当に利するが如きことを戒めよ。

「知識・見識・胆識」

この人生、人間生活とはどういうものであるか、或いはどういう風に生くべきであるか。
というような思慮・分別・判断というようなものは、単なる知識では出て来ない。
そういう識を「見識」という。
しかし如何に見識があっても、実行力、判断力がなければ何にもならない。
その見識を具体化させる識のことを「胆識」と申します。
けれども見識というものは、本当の学問、先哲・先賢の学問をしないと、出て来ない。
更にそれを実際生活の場において練らなければ、胆識にはなりません。
(干支新話)

youtu.be

「空港から全然違う...」初の中国から日本にやってきた母が日本に衝撃が止まらない!!孫との再会に感動!!

d1021.hatenadiary.jp

#テレビ