侮るな 経済の潮流変化
論説委員長 平田 育夫
国際的資金の自由な動きのほか、企業経営のグローバル化、情報通信技術の普及、新興国の急成長と企業間競争の激化、新金融技術などが、冷戦後の世界経済の潮流だ。その波にスピードを持って上手に乗れれば良いが間違えればおぼれる。
＜中略＞
世界経済の新潮流にうまく乗った国に北欧諸国がある。デンマークなど北欧は九〇年代から教育の充実、地方分権、規制緩和、情報技術産業の育成、企業のグローバル展開の後押しと、まさに潮流変化をとらえた政策に力を入れてきた。
＜中略＞
改革停滞の原因が「ねじれ国会」にあるという見方は一面では正しい。だが、そもそも福田首相自身に現状を変える意欲が感じられない。民主党は政権奪取を最優先に掲げ、自民党は政権死守で対抗するなら、改革が停滞するのは当然だ。
