また、党内の道路族を代表する古賀誠、二階俊博の両氏を引き続き党や政府の重要ポストに就けたのは、秋の最大の政策課題になる道路特定財源の一般財源化をスムーズに取りまとめるための措置とされている。とくに二階氏をめぐり、首相は総務会長留任で検討していたのを自民党津島派の抵抗で断念、それでも経済産業相に起用することで政権内に押しとどめた。
薄氷の再出発(上) 粘り腰の麻生説得 総務会長ポストで玉突き混乱
福田は選対委員長の古賀誠と総務会長の二階俊博は代えない腹づもりだった。「道路族」の重鎮2人を味方につけなければ、道路特定財源の一般財源化は不可能だと踏んだからだ。
二階は福田の要請に応じたが、面白いはずがない。「二階総務会長留任」と報じた新聞社幹部からわびの電話が入ると、二階は仏頂面でこう応じた。
「気にしなくていい。誰でも間違うような状況だったんだ」
福田は谷垣を防衛相に起用を考えたが、拒否されたため、国交相に横滑りになった。このあおりを受け、他の閣僚ポストもコロコロと入れ替わった。