「下流の子は下流」は本当か? 格差世襲社会の現状を徹底分析|今週の週刊ダイヤモンド ここが読みどころ|ダイヤモンド・オンライン
自由主義社会の絶対条件である「機会の平等」は、いま風前の灯火です。
学歴や資格、地位を得るには、試験など各種の選抜システムを経るだけに、本人は「自力で得た成果だ」と錯覚しがちですが、生まれつき手にしていた親の学歴、収入の差という「既得権」を元手につかんだ実績なのであれば、それは最初から公平な競争ではなかったのではないでしょうか。こういう競争を「出来レース」と呼びます。「世襲」とは、言い換えれば「出来レース」ということです。
自分は公平なレースを勝ち抜いてきたという誤解と奢りは、弱者の存在を見えなくします。そして、「貧しいのは自己責任」と勝者の論理を振りかざすようになります。