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【古典個展】立命館大教授・加地伸行 国祭は日本人のこころ

 人間の死後、霊魂の存在を認め、その霊魂を招き降して生者遺族が出会い、慰霊鎮魂する〈祭〉が、東北アジアの死生観であり、その本質はシャマニズムである。この〈祭〉は歴(れっき)とした宗教行為である。つまり、全国戦没者追悼式は政府主催の宗教行為そのものの〈国祭〉である。

霊魂の存在を認めること自体が宗教であることが分からぬのか。

 多くの日本人は、主として日本仏教を通じて、幼少のころから慰霊鎮魂の場に接し、誠を尽くすことを心得ている。仏壇の前での日々のお勤めがそれにつながっている。そういう国民的宗教心があって全国戦没者追悼式が支持されていることを、政府は確(しか)と胸に刻むことだ。