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佐藤優 : キリスト教神学概論 : 第25回 神の時間、人間の時間

永遠について理解するためには、時間の構造を正確に把握しておく必要がある。時間は流れている。われわれは、未来と過去の間、つまり「時の間(zwischen den Zeiten)」に生きている。われわれが認識する時間は、常に現在だ。しかし、われわれが時間を認識した瞬間にその時間は過去のものになってしまう。それと同時に未来の時間がやってくる。このような意味で、時間は「永遠の今」としてしかとらえることができない。
 今度は、意志の側面から時間を見てみよう。われわれは過去のしがらみに拘束されている。そこから自由になって生活したり思考することはできない。同時に、われわれには未来の可能性について、無限の選択肢がある。その意味で、「制限の中の自由」をわれわれは行使しているのだ。この自由の行使も、「永遠の今」であるこの瞬間において、各人の主体的時間なのである。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20080703#1215063814
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20081227#1230346523
『修証義に聞く』
(ハードカバーの)P69