日本の高校を中退して留学したイタリアの高校で、同級生たちが読んでいたのが「La Divina Commedia(神曲)」だった。
日本で新聞記者になってからは、「源氏物語を読んでないのか」「三国志も読まずによく記者になれたな」などと、よく馬鹿にされたものだ。
「いや、持っているから」と断ってしまった。「それなら、これをあげる」と、出てきたのが「オデュッセイア」のイタリア語訳。
彼は「シェークスピア、ジェーン・オースティン、ディケンズ」を挙げつつ、こうクギを刺した。「ただ、英国人には反インテリ的な感情がある。だから、こうした作家の本をことさら『読んだ』と強調することはない」という。
米国では、アリストテレスやプラトン、カントやアダム・スミスなど、西洋文明の有名な古典・名著を「グレートブックス」と呼び、教養教育の中心に据える大学もある。