最近は政治家が学者や官僚のように経済政策を論じがちだ。理論が分からぬのは論外だが、その政策の結果、経済外の価値(国の尊厳、公平公正、秩序、環境等)が傷つかないかを考えるのが政治だ。経済外の価値の損傷を最小限に、現状を打開し、将来プラスになる選択をすることだ。財源が必要なら国債を増発し、景気回復を待って増税により償還するのが王道だ。
100年に一度だから何をやってもいいというだけでは寂しい。日本がいかにあるべきかとの歴史観に裏付けされた政治理念で国民に問いかけないといけない。
バブル後の日本経済を蘇らせた小泉内閣の功績は十分評価されてしかるべき。どのような政策にも効果と副作用があり、その後処理に安倍内閣と福田内閣が苦労してきたことも忘れないでほしい。
首相として麻生さんがよいか、小沢さん(一郎・民主党代表)かは秤(はかり)にかけたようなもので、一方が軽ければ一方が重くなるだけ。首相にふさわしいかと問えば、両方とも点数が低くなるんじゃないか。それは、政治家が誰のために仕事をしているんだ、国家のためだ、という雰囲気が希薄だからではないか。