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人間を深く知る「魔法の授業」

プラトン以来のギリシャ哲学は西洋の知識人にとっては教養の基礎。ここでは比較的理解しやすい本を挙げてみた。プラトンの諸作は師であるソクラテスがいろいろな人と議論した様子を描いている。『プロタゴラス』は当時の代表的な知識人だったプロタゴラスと論争し、こてんぱんにやっつけるという内容だ。プラトンが描くソクラテスはいつも「自分は何も知らないので……」と専門家に近づき教えを請う。芸術家には美とは何かを問い、政治家には正義について問う。そして最終的には、その専門家が何も知らないことを暴露して終わる。ソクラテス自身も知らないわけだが、「知らない」ことを自覚しているだけマシであるという論法だ。

哲学を学び、自分の頭で明晰に緻密にものを考えていく癖をつければ、自分に何ができて何ができないかがはっきりするから、よけいな悩み方をしなくてすむ。どんなことが解決できて、どんなことが無意味な問題なのかがはっきりしたら、かなりの不安が解消できる。