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【裁く時 第4部】(下)浮かんだ課題 相反する負担と充実

 神戸地裁の殺人未遂事件の男性裁判員(75)も判決後、際だった意見を述べた。「検察官がある程度絞り込んだ証拠が出され、そのストーリーの範囲内で考えなければならないのが難しかった」と証拠不足を訴えたのだ。

弁護士で慶応大の安冨潔教授(刑事訴訟法)も「立証責任は検察官にあり、検察官が言わなかったことは、なかったこととして扱うしかない」と指摘する。

 何が今後の課題といえるのか。前検事総長但木敬一弁護士は「完全否認や死刑求刑事件の裁判はまだ行われておらず、残るハードルはある。捜査側は真実が何かをきちんと伝達できることが大事で、今後さらに国民に信頼される捜査をしていかなければならない」と話す。