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“郵政改革の大転換”に見る日本の宿痾 〜なぜ、焼け野原にならなければ改革できないのか | 辻広雅文 プリズム+one | ダイヤモンド・オンライン

 「日本では、『事前処理型』再建ではなく『事後処理型』再建じゃないとうまくいかないということだな」――。

 一方、郵政三事業は経営状態が危険水域に入る前に、民営化という改革の手が打たれた。体力は十分に残っている段階であり、政・官の一部にとってはまだ十分な利用価値があった。いわんや、多くの国民、とりわけ地方過疎地にとっては極めて利便性の高い存在であった。破綻という事の前どころか、破綻のリスクなど見えない時点での民営化であった。見えないものの回避のために、公共サービスを放棄することなど受け入れ難い。民営化後も、抵抗勢力は全国各地に残った。

 法案のポイントは、三つある。第一に、全国の郵便局ネットワークを維持、活用する(廃止された局の復活もありえる)。第二に、郵便、郵便貯金簡易生命保険のユニバーサル(全国一律)サービスを一体で提供する。第三に、現在の持ち株会社・4分社体制を見直す。

 郵政民営化はこれまで、その理念、目的がさまざまに語られてきたが、煎じ詰めれば、郵政三事業とその運営組織体をそのまま放置しておくことはできない、という判断を意思決定者たちが下したのだと思われる。

 主力の郵便事業は、明らかに衰退産業であった。

 だが、二つの金融事業にしても、将来が明るいわけではない。

郵貯会社と簡保会社が民間の銀行と生保より能力が上だとは、到底思えない。いわんや、この2社は投資資金の8割を国債購入に充てている。長期金利が上昇したら、多大な損失を抱え込む。

だから、民営化という手段によって経営を効率化し、新規事業に参入できる道を開いたのである。

 民主党政権は、経営効率化よりも公共性を重視した。

 郵便局ネットワークを維持するには、コストがかかる。そのコストを賄うだけの収入は今後、得られそうもない。一体その差を何で埋めるのか、民主党政権はいっさい説明していない。

生田総裁の狙いは、抵抗勢力かつ利権集団である特定郵便局長たちの改革、刷新であった。ところが、西川社長は、民営化を軌道に乗せるためか、特定郵便局長たちと融和戦術をとった。その結果、抵抗勢力かつ利権集団は生き残り、今、巻き返し勢力を結びついた。その代表が、亀井・郵政担当相である。

 政治は創造性の芸術である、というビスマルクの至言は、日本には当てはまらない。

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