【話の肖像画】野に下る(下)前衆院議長・河野洋平 政治改革は道半ば
当時は政界も財界もマスコミも政治改革で熱に浮かされていた。それが途中から小選挙区制導入にサーッと話が矮小(わいしょう)化された。小選挙区にイエスかノーか、ノーなら誰もが守旧派だと。党内の賛否は半々でしたが、「導入しなければ離党だ」という主張の方が強硬だった。
しかし、細川さんも七転八倒されたと思う。連立8党会派は社会党が圧倒的多数だったから、小選挙区制に反対の人が多かった。しかし、意外や意外、そうはならなくて、手練手管を弄(ろう)する人たちに押さえ込まれ…。
−−小沢(一郎)さんと新生党のことですか?
河野 まあ、とにかく、そういう人たちに押さえ込まれて、細川さんも仕方がなかったに違いない。
−−政治改革は田中政治で噴出した「政治とカネ」が原点でしたが、カネの方はすっかり飛んでしまいました。企業献金はやめるはずではありませんでしたか?