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【次代への名言】高杉晋作と松陰編(7)

「天朝の事を思ふに実に涕涙(ているい)(涙がこぼれ落ちること)の至りに堪(たまら)ぬ事あり」

 少々意外の感があるのだが晋作はよく泣いた。冒頭の「天朝」には、天皇、朝廷、そして日本という意味もある。そのすべてを思うと、涙が出てたまらなくなることがある−といっているのだろう。1866年6月、長州藩と幕府との決戦を前に晋作と会ったさい、「そう語った」と坂本龍馬とならぶ土佐藩出身の志士、中岡慎太郎は記録している。

 藩の興廃に命を捨てる覚悟だ。しかし、このいわば私闘のために、欧米列強の侵略を受けようとしている日本の大危難を救えない現状を考えると、天下の志士たちにあわせる顔がない−。そう「はからずも赤心(まごころ)」をさらけだし、晋作は涙した、とも中岡は伝えている。

《億万の心魂散って煙を作る/愚者英雄ともに白骨/真成(しんせい)(ほんとう)の浮世は直(あたい)(値)三銭》

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