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単純な「官僚支配」批判は的外れ 斎藤郵政社長を起用した合理的理由 | 政局LIVEアナリティクス 上久保誠人 | ダイヤモンド・オンライン

 斎藤社長の起用が「官僚支配」ならば、斎藤社長の意思決定は出身官庁である財務省の強い影響下にあるはずだ。その財務省(旧大蔵省)は「健全財政」の維持を目指してきた。財務省は、国家予算の編成権を持つことで他省庁や政治家を支配してきたとされる。すべての政策は予算措置を必要とするため、予算配分権を持つ財務省は強力な政治力を持てるということだ。

 ただ、財務省が予算配分を通じて各省庁や政治家を支配するには「健全財政」維持が必要となる。財政赤字が拡大し、赤字国債が大量に発行される状況では、財務省が予算配分権を使っても、他省庁や政治家に対して説得力がないからだ。

 ところが、財務省にとって深刻なのが「財政投融資」の存在だった。

斎藤社長が財務省の意向に沿って動くならば、むしろ郵貯国債、財投債、財投機関債の購入を縮小していくと考えるほうが、話の筋が通っている。

 そして、これは民主党の元々の主張と一致しているのだ。繰り返すが、郵政改革の目的は、郵貯財政投融資として無駄な事業に流れるのを断つことだ。その手段としては(1)民営化する(2)国営状態で縮小する、の2つの選択肢があり、小泉内閣は(1)を選択し、民主党は(2)を主張していた。2005年9月の郵政総選挙で、民主党は「預金限度額引き下げによる郵貯の徹底的な縮小により、お金の預入先が民間銀行などへ変更されることになり、官から民へのお金の流れが自ずと実現する」と主張していた。

元官僚の中でも「最強の大蔵官僚」と呼ばれる斎藤氏は、当面の経済状況を鑑みての国債引き受けが必要ならばそれを実行でき、かつ中長期的には郵貯の縮小化の必要性を認識し、それを断行する剛腕も持つ、日本郵政社長として鳩山政権が考えるベストの人材ではないだろうか。