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宮田秀明 経営スピードに速度違反なし 環境戦略と経営力が日本の将来を決める

 1は10年程度の時間軸上では無理だから、2と3を強力に推進しなければならない。つまり、2と3を統合した全体最適が答になるだろう。


 2と3を統合した全体最適の経営モデルの創造が欠かせないから、高度な社会システム工学が要求されることになるのだが、同時に重要なのはスピードを生み出す経営力である。国の経営力であり、現場で活動する企業の経営力がスピードを生み出さなければならないのだ。

 鳩山首相の宣言とは裏腹に、日本の環境ビジネスのスピードに対する評価はかなり低いのが現実だ。日本の環境関連の技術力はかなり高い。しかし、経営力が低くて、リスクを取らないし、挑戦心が低い。

 最近の日本企業の中でスピードを感じるのは、日産自動車だ。3年前、私たちは日産自動車と東大の産学連携を始めた。1つのテーマは、典型的な製造業である自動車製造販売企業にサービス業の部分を取り入れて強化し、新しい製造業に変身することだった。


 そのためのケースは、当然のように電気自動車に落ち着いた。ガソリン車から電気自動車への変化は単なる製品の変化ではない。給油から充電への変化など社会システムの変化になってしまうし、車のメンテナンスと電池の管理サービスなど、サービス業の部分が多方面で重要になってくる。

 経営力とは何だろう?


それは技術を生かす力、人を生かす力、リスクを取る力、変化させる力ではないだろうか。技術を生かし、を生かし、進化させるためには、企業を変化させなければならない。その時必然的にリスクが発生する。この企業経営の一種のカニズムの変化を正回転させるのが正しい経営と言えるのだろう。


 一方では、経営するということは未来を読むことでもある。原理的にもしくは哲学的に正しいベクトルを立てて、未来を予測して、それを主軸に置いて戦略を立てる。その次に技術を生かし、人を生かして、企業活動を変化させ、リスクを取る。